寺田稔総務相が衆院選の選挙費用を虚偽記載
選挙を所管する寺田稔総務相(64)が、昨年の衆院選(10月31日投開票)を巡り、「選挙運動費用収支報告書」に自らが選挙費用を支出していた旨を記載していながら、実際には自身とは異なる第三者の口座から一部を支出していたことが分かったという。公職選挙法違反の疑いがあるという。以下、週刊文春が報じた。
寺田氏は元財務官僚で、岸田文雄首相率いる宏池会の創設者・池田勇人元首相の孫娘・慶子氏と結婚。今年8月の内閣改造では、首相の右腕として重要閣僚である総務相に起用された。
寺田総務相は、慶子氏が代表の政治団体「以正会」の人件費を巡る“脱税疑惑”があり、関係政治団体の「寺田稔竹原後援会」が故人を会計責任者とし、収支報告を行っていた。
そして今回、新たに発覚したのは、寺田氏の選挙費用に関する疑惑。
「寺田氏の地元は首相と同じ広島。池田行彦氏の死去に伴う2004年の補選で、広島5区から出馬し、初当選しました。ところが、2009年の衆院選では選挙区で落選し、比例での復活もならなかった。2012年の衆院選で国政に復帰し、6回の当選を重ねていますが、盤石の強さを誇っているわけではありません」(政治部デスク)
昨年の衆院選について、寺田氏は当選後、広島県選挙管理委員会に選挙運動費用収支報告書を提出している。選挙運動費用収支報告書とは、候補者本人が集めた収入とそこから使った支出を記載するものだ。収入については、自己資金のほか、政党支部や後援会など第三者からの寄附などがあれば、その旨を記載することになる。
寺田氏の選挙運動費用収支報告書によれば、「収入の部」欄には、自己資金300万円と、寺田氏が代表の政治団体「自由民主党広島県第五選挙区支部」による1200万円の寄附が記載されている。今回の場合、選挙費用はこの1500万円のうちから支出しなければならない。一方で、「支出の部」欄には、寺田氏が支出したとする会場使用代や有料道路代、弁当代など様々な選挙費用が記載されていた。
「週刊文春」は広島県選挙管理委員会に情報公開請求を行い、選挙運動費用収支報告書に添付された領収書や振込明細の写しなどを入手。それらを精査したところ、候補者である寺田氏本人ではなく、「テラダミノルタケハラコウエンカイ」を依頼人とする振込明細が全9枚あることが分かった。振込明細では口座番号が伏せられているが、「お取引店番」などから「寺田稔竹原後援会」の口座である可能性が極めて高い。
選挙費用として「寺田稔竹原後援会」から関係先に振り込まれた金額は総額106万842円に及んでいた。
「寺田稔竹原後援会」については、故人が会計責任者を務めていたことが判明した団体。ただ、寺田氏は「私が代表の政治団体でない別団体」と説明してきた。
候補者本人ではなく、後援会が選挙費用を支出する行為について、広島県選挙管理委員会の担当者はこう語る。
「後援会による支出が、候補者個人の支出として記載されることなど想像もつきません。基本的に、選挙運動費用収支報告書は候補者個人の収入と支出を全て記載して提出してもらうもの。後援会などの政治活動にかかった費用とは全くの別物です」
ただ、後援会が選挙のために支出することは法的に不可能ではないという。
「一般的には、後援会から候補者個人に寄附をした上で、候補者がその寄附を原資として支出をすることはあり得ます。また、後援会から事務所などを無償提供された場合は、同報告書の収入欄に『無償提供』として記載する必要があります」(同前)
しかし、寺田氏が集めた選挙費用は、自己資金と「自由民主党広島県第五選挙区支部」からの計1500万円で、「寺田稔竹原後援会」からの寄附は存在せず、「無償提供」とも記されていない。
しかも、この106万842円について、選挙運動費用収支報告書の「支出の部」欄では、いずれも寺田氏が支出した選挙運動費用として記載されていた。
振込明細が“虚偽記載”の証拠に
例えば、振込明細からは、「テラダミノルタケハラコウエンカイ」が11月5日付で「マツダオートザム竹原」に51万7640円を振り込んでいたことが確認できる。ところが、選挙運動費用収支報告書の「支出の部」欄では、同じく11月5日付で「マツダオートザム竹原」に「レンタカー代」として51万7640円を支出していたことになっていた。
つまり、寺田氏は広島県選挙管理委員会に対し、実際には「寺田稔竹原後援会」が支出していた選挙費用106万842円を、候補者である寺田氏自身が支出していたとする“虚偽報告”を行っていたのだ。
公職選挙法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「公職選挙法違反の虚偽記載罪に当たり、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金が科せられる。しかも報告書上は、約106万円を寺田氏が支出した形になっていますが、実際には支出していません。後援会が“肩代わり”している以上、その約106万円は寺田氏に残っていることになる。つまり、裏金になっているのです。こうした処理が許されれば、幾らでも“別の財布”から選挙費用を出すことができる上、“自分の財布”に裏金を溜めておくことも可能になってしまいます」。
寺田氏は元財務官僚で、岸田文雄首相率いる宏池会の創設者・池田勇人元首相の孫娘・慶子氏と結婚。今年8月の内閣改造では、首相の右腕として重要閣僚である総務相に起用された。
寺田総務相は、慶子氏が代表の政治団体「以正会」の人件費を巡る“脱税疑惑”があり、関係政治団体の「寺田稔竹原後援会」が故人を会計責任者とし、収支報告を行っていた。
そして今回、新たに発覚したのは、寺田氏の選挙費用に関する疑惑。
「寺田氏の地元は首相と同じ広島。池田行彦氏の死去に伴う2004年の補選で、広島5区から出馬し、初当選しました。ところが、2009年の衆院選では選挙区で落選し、比例での復活もならなかった。2012年の衆院選で国政に復帰し、6回の当選を重ねていますが、盤石の強さを誇っているわけではありません」(政治部デスク)
昨年の衆院選について、寺田氏は当選後、広島県選挙管理委員会に選挙運動費用収支報告書を提出している。選挙運動費用収支報告書とは、候補者本人が集めた収入とそこから使った支出を記載するものだ。収入については、自己資金のほか、政党支部や後援会など第三者からの寄附などがあれば、その旨を記載することになる。
寺田氏の選挙運動費用収支報告書によれば、「収入の部」欄には、自己資金300万円と、寺田氏が代表の政治団体「自由民主党広島県第五選挙区支部」による1200万円の寄附が記載されている。今回の場合、選挙費用はこの1500万円のうちから支出しなければならない。一方で、「支出の部」欄には、寺田氏が支出したとする会場使用代や有料道路代、弁当代など様々な選挙費用が記載されていた。
「週刊文春」は広島県選挙管理委員会に情報公開請求を行い、選挙運動費用収支報告書に添付された領収書や振込明細の写しなどを入手。それらを精査したところ、候補者である寺田氏本人ではなく、「テラダミノルタケハラコウエンカイ」を依頼人とする振込明細が全9枚あることが分かった。振込明細では口座番号が伏せられているが、「お取引店番」などから「寺田稔竹原後援会」の口座である可能性が極めて高い。
選挙費用として「寺田稔竹原後援会」から関係先に振り込まれた金額は総額106万842円に及んでいた。
「寺田稔竹原後援会」については、故人が会計責任者を務めていたことが判明した団体。ただ、寺田氏は「私が代表の政治団体でない別団体」と説明してきた。
候補者本人ではなく、後援会が選挙費用を支出する行為について、広島県選挙管理委員会の担当者はこう語る。
「後援会による支出が、候補者個人の支出として記載されることなど想像もつきません。基本的に、選挙運動費用収支報告書は候補者個人の収入と支出を全て記載して提出してもらうもの。後援会などの政治活動にかかった費用とは全くの別物です」
ただ、後援会が選挙のために支出することは法的に不可能ではないという。
「一般的には、後援会から候補者個人に寄附をした上で、候補者がその寄附を原資として支出をすることはあり得ます。また、後援会から事務所などを無償提供された場合は、同報告書の収入欄に『無償提供』として記載する必要があります」(同前)
しかし、寺田氏が集めた選挙費用は、自己資金と「自由民主党広島県第五選挙区支部」からの計1500万円で、「寺田稔竹原後援会」からの寄附は存在せず、「無償提供」とも記されていない。
しかも、この106万842円について、選挙運動費用収支報告書の「支出の部」欄では、いずれも寺田氏が支出した選挙運動費用として記載されていた。
振込明細が“虚偽記載”の証拠に
例えば、振込明細からは、「テラダミノルタケハラコウエンカイ」が11月5日付で「マツダオートザム竹原」に51万7640円を振り込んでいたことが確認できる。ところが、選挙運動費用収支報告書の「支出の部」欄では、同じく11月5日付で「マツダオートザム竹原」に「レンタカー代」として51万7640円を支出していたことになっていた。
つまり、寺田氏は広島県選挙管理委員会に対し、実際には「寺田稔竹原後援会」が支出していた選挙費用106万842円を、候補者である寺田氏自身が支出していたとする“虚偽報告”を行っていたのだ。
公職選挙法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「公職選挙法違反の虚偽記載罪に当たり、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金が科せられる。しかも報告書上は、約106万円を寺田氏が支出した形になっていますが、実際には支出していません。後援会が“肩代わり”している以上、その約106万円は寺田氏に残っていることになる。つまり、裏金になっているのです。こうした処理が許されれば、幾らでも“別の財布”から選挙費用を出すことができる上、“自分の財布”に裏金を溜めておくことも可能になってしまいます」。
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