宏池会・寺田稔総務相が関係政治団体の会計責任者を故人にしていた
10月25日、寺田稔総務相(64)の政治団体「寺田稔竹原後援会」が、故人を会計責任者とし、収支報告を行ってきたことが、「 週刊文春 」の取材で分かったという。有印私文書偽造の疑いがあるという。
寺田氏は元財務官僚で、岸田文雄首相率いる宏池会の創設者・池田勇人元首相の孫娘・慶子氏と結婚。22年8月の内閣改造では、首相の右腕として重要閣僚の総務相に起用された。
問題の政治団体は、「寺田稔竹原後援会」。
「竹原市は、池田勇人元首相の出身地で、呉市に次ぐ票田。寺田稔竹原後援会は毎年、新年互礼会を開いています」(支援者)
同団体は、広島県選挙管理委員会にも寺田氏の国会議員関係政治団体として届け出がなされている。収支報告書によれば、2012年以降の収入は毎年600万~900万円台で、大半は、寺田氏が代表を務める「自由民主党広島県第五選挙区支部」からの寄附。
「寺田稔竹原後援会」の代表は池田勇人氏の娘婿・池田行彦元外相の元秘書で、2人の事務担当者のうち1人は「以正会」から人件費を受け取る女性事務員、もう1人は昨年の衆院選で、寺田氏の「選挙運動費用収支報告書」の事務担当者を務めていた。
この「寺田稔竹原後援会」で会計責任者として登録されているのが、X氏である。
「X氏もまた、池田行彦元外相の秘書だった人物で、2008年から『寺田稔竹原後援会』の会計責任者を務めています」(同前)
政治資金規正法では、収支報告書の提出義務を負うのは会計責任者と定められている。実際、2019年と2020年分の収支報告書にはX氏の実名が記され、捺印もされた「宣誓書」が添付されていた。X氏は〈政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません〉と宣誓しており、日付は2020年5月29日(2019年分)と2021年5月25日(2020年分)となっている。
だが、X氏の妻はこう証言する。
「夫は2019年10月19日に78歳で亡くなりました。池田先生の秘書を8年間務めた後、石材を扱う会社を経営していた。その後も支援者として長年、寺田先生の選挙を手伝ってきました。亡くなったことは寺田先生もご存じです」
「故人の名を騙るのは聞いたことがない。極めて悪質」
すなわち寺田氏の政治団体では、故人が2年続けて会計責任者として収支報告書を提出し、捺印した上で「真実に相違ない」と宣誓していることになる。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が指摘する。
「有印私文書偽造に当たる可能性が極めて高い。実際には収支報告を行っていない人を会計責任者に据える『名義借り』はしばしば耳にします。ただ、故人の名を騙るのは聞いたことがない。極めて悪質です」
寺田氏に事実関係の確認を求めたところ、次のように回答した。
「寺田稔竹原後援会は、私を代表者とする政治団体ではなく、その事務処理の内容も承知していないため、お答えする立場にありません」
政治資金問題を所管する総務省のトップにもかかわらず、自らの政治資金問題について国会の場で虚偽の疑いがある答弁を重ねてきた寺田氏。新たに発覚したのは、政治資金規正法の趣旨を蔑ろにしている上、有印私文書偽造にも当たりかねない疑惑だ。寺田氏が国会の場でどのように説明するのか、岸田首相がどのように対応するのか、注目される。
寺田氏は元財務官僚で、岸田文雄首相率いる宏池会の創設者・池田勇人元首相の孫娘・慶子氏と結婚。22年8月の内閣改造では、首相の右腕として重要閣僚の総務相に起用された。
問題の政治団体は、「寺田稔竹原後援会」。
「竹原市は、池田勇人元首相の出身地で、呉市に次ぐ票田。寺田稔竹原後援会は毎年、新年互礼会を開いています」(支援者)
同団体は、広島県選挙管理委員会にも寺田氏の国会議員関係政治団体として届け出がなされている。収支報告書によれば、2012年以降の収入は毎年600万~900万円台で、大半は、寺田氏が代表を務める「自由民主党広島県第五選挙区支部」からの寄附。
「寺田稔竹原後援会」の代表は池田勇人氏の娘婿・池田行彦元外相の元秘書で、2人の事務担当者のうち1人は「以正会」から人件費を受け取る女性事務員、もう1人は昨年の衆院選で、寺田氏の「選挙運動費用収支報告書」の事務担当者を務めていた。
この「寺田稔竹原後援会」で会計責任者として登録されているのが、X氏である。
「X氏もまた、池田行彦元外相の秘書だった人物で、2008年から『寺田稔竹原後援会』の会計責任者を務めています」(同前)
政治資金規正法では、収支報告書の提出義務を負うのは会計責任者と定められている。実際、2019年と2020年分の収支報告書にはX氏の実名が記され、捺印もされた「宣誓書」が添付されていた。X氏は〈政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません〉と宣誓しており、日付は2020年5月29日(2019年分)と2021年5月25日(2020年分)となっている。
だが、X氏の妻はこう証言する。
「夫は2019年10月19日に78歳で亡くなりました。池田先生の秘書を8年間務めた後、石材を扱う会社を経営していた。その後も支援者として長年、寺田先生の選挙を手伝ってきました。亡くなったことは寺田先生もご存じです」
「故人の名を騙るのは聞いたことがない。極めて悪質」
すなわち寺田氏の政治団体では、故人が2年続けて会計責任者として収支報告書を提出し、捺印した上で「真実に相違ない」と宣誓していることになる。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が指摘する。
「有印私文書偽造に当たる可能性が極めて高い。実際には収支報告を行っていない人を会計責任者に据える『名義借り』はしばしば耳にします。ただ、故人の名を騙るのは聞いたことがない。極めて悪質です」
寺田氏に事実関係の確認を求めたところ、次のように回答した。
「寺田稔竹原後援会は、私を代表者とする政治団体ではなく、その事務処理の内容も承知していないため、お答えする立場にありません」
政治資金問題を所管する総務省のトップにもかかわらず、自らの政治資金問題について国会の場で虚偽の疑いがある答弁を重ねてきた寺田氏。新たに発覚したのは、政治資金規正法の趣旨を蔑ろにしている上、有印私文書偽造にも当たりかねない疑惑だ。寺田氏が国会の場でどのように説明するのか、岸田首相がどのように対応するのか、注目される。
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