Google社が日本で法人登記、発信者開示請求が簡素化されるか

YouTubeなどのネット上で誹謗中傷や「お前を殺す」などの殺害予告をされたとき、その発信者を特定しようとしてもGoogleは対応しない。YouTubeの回答は「弁護士などへ相談して下さい」といった内容程度だ。そこで弁護士に相談すると、費用は成功報酬を含めておよそ60万円。

この60万円が高いか安いかは人それぞれで、犯人である発信者が誰なのかを突き止めたいなら弁護士に依頼するのが手っ取り早い。ただ、必ず突き止められるという保証はない。

お金がもったいないと思うなら、自分で米国に本社があるGoogleに対して、発信者開示請求を行うことになるが、これが非常に面倒だ。

その方法は概ね以下の2点だ。

1、米Google社に対して発信者情報開示仮処分命令申立を行う。

2、IPアドレスが開示されたらプロバイダが判明する。そのプロバイダへ契約者の住所・氏名を開示せよと訴訟を起こす。

これらの手続きは、Google社は日本国内に拠点がないため、東京地裁が管轄で窓口になる。

そこで裁判所に対して発信者情報開示仮処分命令申立てを行うのだが、作成する書類は「申立書」「管轄上申書」「証拠説明書」「陳述書」などが必要でかなり面倒な作業だ。

さらに添付書類として、米Google社の登記簿謄本が必要となる。つまり海外に取り寄せを行わなければならない。

こうなると、もうお手上げ状態だが、少しだけ朗報があったようだ。Google社が日本で法人登記をしたという。


Google社が日本国内で法人登記

米国に本社を置くグーグル社とマイクロソフト社が、日本国内での登記を初めて完了した。登記により両社の国内での代表者が明確になり、今後、国内のトラブル処理の迅速・円滑化が期待される。

会社法上、国内に事業実態のある外国企業は国内に法人登記をすることが義務付けられている。登記を怠ると100万円以下の過料が科されるほか、未登記のまま国内での取引を継続した場合は6万~9万円の過料が別に科される。法務省は今後、裁判所に過料を科すべきだと通知することも含めて対策を検討している。

海外IT企業を巡っては、運営する交流サイト(SNS)での誹謗中傷による被害や通信販売サイトでのトラブルなどが絶えない一方、未登記のためにSNSの発信者の情報開示手続きや訴訟手続きを海外の本社に対し外国語で行う必要があるなど、トラブルの解決に支障が生じていた。

外国企業が国内で登記すれば、日本での代表者とその住所が定められるため、国内の代表者に対し、発信者情報の開示請求などを起こせるようになる。

未登記の海外IT企業について法務省は3月、電気通信事業者としての届け出がありながら登記をしていないとして、ツイッターなど48社に登記の検討を要請。申請の意思を示さなかった7社については6月30日、裁判所に過料を科すべきだと通知していた。(産経)

これによって、ネット上での誹謗中傷や殺害予告をされたときの発信者情報の開示請求がどの程度、簡素化されるのかはこれからになるが、Google社、YouTubeなどは、細かいポリシーを掲げているわけだから、もっと迅速に開示すべきだと思う。

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