河井克行被告に懲役4年、追徴金150万円を求刑(検察側)

2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、地方議員や後援会員ら100人に現金を渡したとして公選法違反罪に問われた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)の論告求刑公判が4月30日、東京地裁であった。検察側は懲役4年、追徴金150万円を求刑した。弁護側の最終弁論がある5月18日の公判で結審する見込み。

検察側は論告で「前代未聞の大規模買収事件で様態が悪質」と強調。「厳正な処罰が必要。動機が身勝手で酌むべき事情が一切ない」などと指弾した。

起訴状によると、克行被告は19年3~8月に広島県内の政治家や後援会員ら100人に2901万円を渡し、票の取りまとめなどを依頼したとされる。同罪に問われた妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=とともに昨年7月に起訴された。

翌8月の初公判では、全面無罪を主張したが、今年3月の被告人質問で主張を転換。「案里の当選を得たい気持ちが全くなかったとはいえない。全般的に選挙買収罪の事実であることは争わない」と述べ、うち90人に渡した現金について買収の意図を認めた。一方、案里氏との共謀は引き続き否定した。

これまでの公判で、この100人は検察側の証人として証言するなどし、うち94人が克行被告らの買収の意図を感じたと認め、6人が買収の意図を感じなかったなどと説明している。

克行被告は、参院選前に自民党本部から案里氏の陣営に提供された1億5千万円は「1円たりとも買収資金に使っていない」とし、買収資金は歳費などの手持ち資金だったと説明。4月1日には衆院議員を辞職。「生涯にわたって選挙に立候補することは一切しない」と政界引退も表明した。

案里氏は1月21日の東京地裁判決で、克行被告と共謀して広島県議4人に計160万円を配ったと認定され、懲役1年4月、執行猶予5年が言い渡された。案里氏は2月3日に議員辞職し、同5日に地裁判決が確定した。(中国)

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