大阪の画商が平山郁夫などの偽物の版画を流通させていた

日本画家、平山郁夫などの作品をもとにした偽物の版画が、数年前から百貨店などで流通していたという。画商でつくる組合の調査に対し、大阪の画商が販売したことを認めているということで、警視庁は著作権法違反の疑いで捜査している。

偽物の版画が流通していたのは、日本画家の平山郁夫や東山魁夷、それに片岡球子の作品。

版画を扱う画商でつくる「日本現代版画商協同組合」などによると、原画をもとに職人が制作する版画は通常、画家本人や遺族の許可を得た上で数を制限して販売しているが、20年の春ごろ、特定の版画が百貨店などで多く流通していることに組合員が気づいて調査したところ、色合いなどがわずかに異なる偽物が含まれていたことが分かったという。

さらに、流通ルートを調べた結果、大阪市で画廊を営む50代の画商が関わっていることが分かり、組合の調査に対し、数年前から販売していたことを認めたという。

偽物の版画は確認できただけで10作品あるということで、組合は20年12月、この画商を除名処分にした。

また、捜査関係者によると、偽物の版画は奈良県にある工房で制作していた疑いがあるという。

警視庁は20年12月に著作権法違反の疑いで関係先を捜索し、複数の版画を押収したということで、今後、鑑定を進めるとともに流通ルートなどを詳しく調べることにしている。(NHK広島)

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