広島市中区の歓楽街「えびす通り」の夜 2018年6月と2020年12月の比較

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、広島市内の歓楽街では客足が遠のき、飲食店が軒並み休業、もしくは閉店が目立ってきている。その兆候は、感染の第一波のときから見られていたが、年末に来て、さらに店舗を廃業しようという動きもあるという。


スタンドやバー廃業届231店 昨年の4.6倍

広島市中区の歓楽街、流川・薬研堀地区を抱える広島中央署管内で2020年、スタンドやスナックなど「深夜酒類提供飲食店」が出した廃業届が11月末で既に昨年の約4.6倍の231店に上っているという。新型コロナウイルスの影響で歓楽街の苦境が続く中、営業を届け出ている店の約1割に当たる。廃業を届けていない店もあるとみられ、県警は数字以上に実態は深刻とみている。

同署が管轄する中区の廃業の届け出は2017年31店、18年25店、19年50店だったが、20年は11月末で既に19年の約4.6倍の231店に上った。

一方、今年の開業は廃業の約半数の122店にとどまり、19年12月末で2671店あった営業店舗は2562店に減った。

接待を伴うキャバクラやキャバレーなど「社交飲食店」も同じく廃業届が例年より増加。11月末で138店に上り、17年の69店、18年の100店、19年の93店を既に超えた。

新型コロナを巡っては、県が20年4~5月に外出自粛や飲食店への休業を要請した。その結果、歓楽街を中心に人通りが激減し、飲食店は大打撃を受けた。さらに師走に入り、広島市を中心に感染者が急増。県は酒類提供時間の短縮を要請している。

複数の飲食店関係者は「『もう限界』との声をよく聞く。年末で区切りをつける店は多いはずだ」と話す。(中国)


酒類提供店舗に時短要請

12月29日、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないとして、広島県の湯崎英彦知事は、広島市中心部で酒類を提供する飲食店に対する営業時間の短縮要請を、2021年1月17日まで延長すると発表した。延長要請に応じると1店舗当たり44万円、休業を選んだ場合は54万円の協力金を追加で支給する。

要請は12月17日に始まり、対象地域は歓楽街の流川・薬研堀地区やJR広島駅南口周辺などを含む一帯。営業は午後8時まで(酒類提供は午後7時まで)とし、期間を通して応じると協力金72万円(休業には82万円)を店側に支払う。店舗の規模は問わない。(毎日)


歓楽街は閑散

12月の夜、広島市中区の夜の歓楽街を歩いてみた。夜の7時、8時、9時になっても人はまばらで閑散としていた。時折、道端で5~6人の男女のグループが大声で騒いでいたのを見かけた。薄暗い店舗のドアなどに張られた「貼り紙」が異様で目についた。歩いていて、いつもより暗いと思ったら、ビルに付けてある電飾看板が消えているところが多かった。

せっかくなので、少しだけ居酒屋に行ってみることにした。

店内には、2~3人のグループで5、6組ほどの客が来ていた。大声で騒いでいる若い客や、しんみりと飲んでいる客もいた。誰もマスクはしていない。そもそも飲み食いするときにマスクはしない。じゃあ、口の中に食べ物や飲み物を入れた瞬間、マスクをするのか。そんなことを繰り返すのか。無理だし、非現実的だと思った。

いろいろ考えながら、つまみを食べたり酒を数杯飲んでいるうちに、夜8時になった。お酒がオーダーストップになった。


「えびす通り」 2018年6月と2020年12月の比較写真

たまたま、2018年6月に撮影した「えびす通り」の夜を写した写真があったので、ほぼ同じ位置から撮影した2020年12月と比較してみたい。2018年6月の写真は、夜の10時から11時ごろだったと思う。写真には、店から帰宅しようとする客を待つ多くのタクシーが目に付く。

2020年12月に撮影した「えびす通り」は、夜の10時ごろ。

※「えびす通り」は、広島市中区の胡町と堀川町にある”道”のこと。

広島市中区「えびす通り」の夜 2018年6月と2020年12月の比較

広島市中区 歓楽街 夜景

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