未解決事件現場の今 ~ 開設10周年記念企画第2弾

2020年6月現在、広島県警のHP(ホームページ)によると、広島県内の未解決凶悪事件は7件となっている。未解決事件の現場は今、どうなっているのだろうか。さっそく現地を訪れてみたが、一度だけでは分からない現場もあったため、まさに総力取材となった。


広島県の未解決凶悪事件

【1999年】ゲートボール場殺人事件(広島市西区草津南)

1999年10月16日午前6時ごろ、広島市西区草津南1丁目の西部埋立第八公園東側のゲートボール場休憩室で寝泊まりしていた鈴木寿郎さん(当時56歳)が殴られて殺害された事件。

鈴木さんは、男性数人と一緒にゲートボール場で寝泊まりするようになっていた。鈴木さんは口から出血しており、鈍器で頭を殴られたという。

【2020年現在の現地の様子】

ゲートボール場休憩室とは、おそらくこの建物のことだろうか。このグランドでは、近所の子どもたちが何事もなかったように遊んでいる。


西区草津南 ゲートボール場殺人事件-


2011年のグーグルストリートビューで、当時の看板が表示されている。

広島市西区草津南 ゲートボール場殺人事件 


【2000年】城北地下道における少女刺殺事件(広島市中区西白島)

2000年1月20日午前3時50分ごろ、広島市中区西白島町の城北地下道で、近くに住む熊井梢さん(当時16歳)が、広島市中区からタクシーで家の近くまで帰り、コンビニエンスストアーで買い物をして帰宅途中、刃物で刺されるという事件。

熊井梢さんが、血を流して倒れているのを通りがかった女性が見つけ、近くの交番に知らせた。藤井さんは病院に運ばれたが、右胸など数カ所を刃物のようなもので刺されており、約50分後に死亡した。

現場は全長236メートルの地下道の中間付近。

【2020年現在の現地の様子】

地下道は思ったほど暗くはないが、深夜に歩くと、何か聞こえてきそうだ。


白島 地下道殺人現場


【2000年】灰ヶ峰の身元不明白骨死体(呉市・灰ヶ峰山中)

2000年2月28日,呉市の灰ケ峰の山中で2体の白骨死体が発見されたという事件。

発見された死体は、成人女性で年齢25~35歳、身長152~163cm、死後数ヶ月が経過していた。子供の死体は性別不明で年齢3~4歳、身長不明。

【2020年現在の現地の様子】

この場所を探すのに、かなり手間取った。ネットで調べると、現場近くに看板が設置されていたこと分かるが、登山道をいくら探しても、看板は見当たらなかった。すでに撤去したと思われる。この状態では場所の特定ができないので、さらにいろいろと調査を進めてみた。すると、いろいろな事が分かってきた。

ネットで表示される看板 2011年ごろ撮影か

灰ヶ峰 白骨遺体看板 01


発見された場所は、登山口から東へ3キロ入った登山道の斜面だった。看板のない場所を探して特定するのに、ヒントとなるのはネットで出ていた看板の下に写っているガードレールの錆びた模様だ。

かなり年月が経過していることから、ガードレールの錆びた模様も変化していると想像できるし、似たような模様の場所も数カ所あったが、おそらくこの場所ではないかと推測する。


呉市灰ヶ峰 死体遺棄2体

または、この場所か

灰ヶ峰 白骨遺体 看板02

この斜面が死体発見場所か

灰ヶ峰 白骨遺体 看板03


【2000年】スーパーマルショク五日市店強盗殺人事件(広島市佐伯区五日市)

2000年9月3日午後9時過ぎ頃、広島市佐伯区五日市中央4丁目スーパー「マルショク五日市店」で、従業員の新谷進さん(当時36歳)が、何者かに刃物で刺されて殺害され、店内から手提げ金庫等が奪われた事件。

商品搬入口で新谷さんが仰向けで血を流して死んでいるのを同スーパーマーケットの警備員が発見した。司法解剖の結果、被害者は首や顔など数か所を刃物の様なもので切られていた。被害者の左手には犯人に抵抗した際についた傷が残っていた。

手提げ金庫,凶器などは現場から直線で約5キロメートル離れた太田川放水路で発見された。

【2020年現在の現地の様子】

スーパーマルショクは、スーパー「デイ・リンク」に変わって営業していた。地元の人なら忘れられない事件だと思うが、食生活を維持するために、事件の事など気にしていられない、といったことなのか、頻繁に買い物客が出入りしていた。


デイ・リンク五日市店(旧スーパーマルショク五日市店)


【2000年】大朝特別養護老人ホーム施設長殺人事件(北広島町大朝)

2000年12月9日午前8時ごろ、広島県北広島町大朝の特別養護老人ホーム「やすらぎ」の施設長だった郷田和昭さん(当時49)が遺体で発見された事件。

郷田さんの遺体は老人ホーム近くの田で発見された。ホームを出た直後の12月8日夕に殺害されたとみられ、胸など数カ所に刺し傷があった。凶器は見つかっておらず、犯人に結びつく物的証拠もほとんど残されていなかった。

12月8日夕、現場付近で郷田さんと立ち話をしていた作業員風の男性2人が目撃されている。証言から1人は40~50代で身長165~175センチの丸顔、痩せ形、もう1人は40代で身長約170センチの面長、痩せ形。

【2020年現在の現地の様子】

周辺はのどかな田園地帯。老人ホームで働く介護士の車や、入所者の家族らが車で行き来する程度だ。

発見された田は、写真の左側になるが、おそらくこの広い道路上でトラブルになり、殺害後に、田に遺棄したと思われる。

写真右上に写る建物が老人ホーム

大朝老人ホーム殺害現場


【2001年】明王台主婦殺人事件(福山市明王台)

2001年2月6日午後0時45分頃、福山市明王台5丁目のパチンコ店経営の男性(当時37歳)の家で、主婦の大石朝美さん(当時35歳)が自宅の階段で左わき腹にナイフが刺さったまま、失血死しているのが見つかった事件。

口などには粘着テープが張られ、頭を陶器で殴られた跡もあった。朝美さんが玄関の引き戸を開けたとみられ、捜査本部は犯人は知り合いか、宅配業者を装って訪問した可能性があるとみている。1階居間に長女(9カ月)がいたがけがはなかった。

家の中から金品が奪われた形跡はなく、現場には、凶器の果物ナイフと犯人が履いていたとみられるテニスシューズの足跡などが残されていたという。

【2020年現在の現地の様子】

明王台は福山市の郊外にある新興住宅団地。日中でも人通りが少ない団地のためか、意外と犯罪事件が発生しやすいところだ。


福山市 明王台


事件当時、朝美さんを含め家族4人が住んでいたが、その後、空き家になり、建物は解体された。

2015年のグーグル・ストリートビューで「売地」看板が表示されているが、今でも売れずにそのままになっている。


明王台 主婦殺害現場 売地


2008年~天満川における新生児被害殺人・死体遺棄事件(広島市西区)

2008年5月22日午前5時30分ごろ、広島市西区天満町の天満小学校東側の天満川に、殺害された新生児の遺体が浮かんでいるのを発見されたという事件。

遺体は生後間もない女の赤ちゃんで、Tシャツでくるまれ、レジ袋に入れられていた。体重およそ3キロで生まれたばかりだったと見られる。へその緒は切られていて、目立った外傷はなかった。

【2020年現在の現地の様子】

遺体発見現場は当初、「西区の天満川」までしか分からなかった。これでは場所の特定が出来ないため、さらに調査を進めてみると、「天満町の天満小学校東側」まで特定することができた。

グーグルストリートビューでは2011年の風景が表示されるが、今は護岸工事が進められ、当時とはかなり様相が異なっている。


広島市西区 天満川 白骨遺体


スポンサーリンク

コメント 0件

コメントはまだありません

コメントをどうぞ