河井夫妻選挙資金1億5千万円、それでも野党・森本真治氏に及ばなかった
19年の参院選広島で、選挙資金として自民党本部から河井夫妻両事務所に合計1億5千万円が振り込まれた件について、安倍首相の強い意向があったとされる。週刊文春が「河井夫妻『買収』原資は安倍マネー1億5千万円だった」という見出しで報じた。もともと自民党が2議席独占を狙った選挙戦だったが、県連が支持していた溝手氏が落選という結果になった。それよりも、野党統一候補だった森本真治氏がトップ当選したことのほうが不思議だった。
19年7月上旬 森本氏苦戦の報道
三原じゅん子「恥を知りなさい!」広島は影響ないどころか参院選自民2議席独占か?
19年7月終盤 三つどもえ
【参院選終盤情勢】河井氏、溝手氏、森本氏の三つどもえ
たぶん、13年参院選の佐藤公治氏の票の大半が森本氏に流れたと思われるが、一部の有権者は、自民党を応援したいが溝手氏はもう高齢だし、案里氏はどうもよくわからない、と考えていたと思う。つまり自民の2候補者に嫌気を示した一定数の有権者が野党統一候補の森本氏支持に回ったとも考えるべきだろう。
2013年参院選広島
溝手顕生 521,794票 46.28% 当選
森本真治 194,358票 17.24% 当選
※自民・溝手氏がダブルスコアで当選
2019年参院選広島
森本真治 329,792票 32.31% 当選
河井案里 295,871票 28.99% 当選
溝手顕生 270,183票 26.47%
※森本真治氏が得票数を大幅に伸ばしている
安倍事務所の秘書らが広島入り
安倍総理の地元事務所の筆頭秘書である配川博之氏をはじめ、畑村剛氏、鮎川建司氏、柿本康平氏と、少なくとも4人の安倍事務所秘書が5月~6月に度々広島に入り、案里氏の秘書らと一緒に広島市や福山市など県内の企業や団体を回っていた。溝手支持で決まっているところにも手を突っ込もうとして動いていた。「安倍晋三事務所」の名刺の効果は絶大だったという。
広島地検が新たな資料を押収
6月分・7月分給与額 Aさん50、Bさん50、Cさんは40、Dさんは5月分20、6月分20。(LINEデータ)
ここに出てくるAさんやBさんは、参院選直前に雇われている。元議員秘書で今は会社員のAさんは6月上旬から、参院選後、愛知県の市議になったBさんは6月中旬から投開票日まで選対に入っていた。
Aさんは個別訪問などを担当、Bさんは事務局長を務め創価学会との窓口にもなっていた。すでに2人ともこの件で複数回聴取を受けている。Aさんは受け取った報酬の違法性を認める供述をしている。
案里事務所ではA、B両氏以外にも、ビラを配ったり候補者とともに練り歩く選挙運動員に報酬を払っていたというさらなる疑惑もある。(電話がけやビラ配りに報酬を支払うのは公選法違反)
投開票日前後に支払いが行われた39人の名前が載ったリストもすでに押収済みで、そこにはウグイス嬢以外にも選挙運動員の名前が列挙されており、違法の疑いが濃い。
ある人物には7月21日に15万円を支払った、などと記述は詳細で、合計金額は380万円にのぼる。捜査陣はこれに目をつけ、ウグイス嬢以外にもすでに事情聴取を始めている。
LINE「あらいぐま」と「アンジー」
参院選にかかわった関係者十数人がやり取りする「参院選」というグループLINEがある。中心は「あらいぐま」。他の人に報告を求めたり、指示を出したり、叱責も。これは克行氏。あらいぐまに似ているからだという。
案里氏はハリウッド女優にあやかってか「アンジー」と名乗る。
選対関係者が「資料のまとめ方にまで口を挟む人で、選挙活動において克行氏の知らないことなどありません。お金の管理も克行氏でした。通帳も自らチェック。主要スタッフの採用も、月給の上げ下げも克行氏が決めていた」と明かす。
河井案里氏の生い立ち
宮崎県生まれで、父親は設計事務所を経営。「公共建築百選」にも選ばれた県立芸術劇場などの設計に携わる裕福な家庭に育った。幼稚園から中学までは宮崎大学附属に通い、県立宮崎大宮高校。高校の先輩には社民党の福島瑞穂氏がいる。
慶応義塾大学へ進学の後、海洋開発研究機構などの勤務を経て2001年、28歳で10歳年上の克行氏と結婚。
結婚後の一時期、広島文化短期大学の非常勤講師を務めた。元学生が講義の様子を振り返る。
「あの先生のことは忘れられません。ホワイトボードに一方的に色々なことを書き連ねていくのですが、意味がわからない。そこで、質問すると『分かんないっていうことが分かんない!』と言って、そのまま授業を進めていった。他の学生の質問にも『今書いたでしょ!』と大声で怒鳴るばかり。メイクも異様な濃さで、どこのお嬢さんがコネで教えに来たのか、と学生はみんな呆れていました」
その後、広島県議になると06年には藤田雄山知事(当時、故人)の知事選での買収疑惑などについて「説明責任は」「なぜ出納責任者に聞かないのか」などと責め立て「男らしくしなさいよ」と上から目線で辞職を求めたのが話題になった。
両親「案里がかわいそう」
公選法違反が疑われていることについて「これは文春が悪い。東京あたりだと(ウグイス嬢に)5万円以上払われている。なんで文春はしつこく書くのか。文春の会社に行って小便でもひっかけたいよ」
克行氏については「克行は(社会人経験がなく)いきなり政治の世界から始まっていて、世の中を見ていない。人に嫌われないためには包容力がいるが、それが足りていない」
案里さんに議員辞職を求める声も出ているが「辞めたらイカンですよ。色んな議員が、案里を指差しているが、本当に自分たちは(日当)1万5千円でやったのか。娘がかわいそうだ。辞めたら安倍さんに申し訳ない」

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三原じゅん子「恥を知りなさい!」広島は影響ないどころか参院選自民2議席独占か?
19年7月終盤 三つどもえ
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たぶん、13年参院選の佐藤公治氏の票の大半が森本氏に流れたと思われるが、一部の有権者は、自民党を応援したいが溝手氏はもう高齢だし、案里氏はどうもよくわからない、と考えていたと思う。つまり自民の2候補者に嫌気を示した一定数の有権者が野党統一候補の森本氏支持に回ったとも考えるべきだろう。
2013年参院選広島
溝手顕生 521,794票 46.28% 当選
森本真治 194,358票 17.24% 当選
※自民・溝手氏がダブルスコアで当選
2019年参院選広島
森本真治 329,792票 32.31% 当選
河井案里 295,871票 28.99% 当選
溝手顕生 270,183票 26.47%
※森本真治氏が得票数を大幅に伸ばしている
安倍事務所の秘書らが広島入り
安倍総理の地元事務所の筆頭秘書である配川博之氏をはじめ、畑村剛氏、鮎川建司氏、柿本康平氏と、少なくとも4人の安倍事務所秘書が5月~6月に度々広島に入り、案里氏の秘書らと一緒に広島市や福山市など県内の企業や団体を回っていた。溝手支持で決まっているところにも手を突っ込もうとして動いていた。「安倍晋三事務所」の名刺の効果は絶大だったという。
広島地検が新たな資料を押収
6月分・7月分給与額 Aさん50、Bさん50、Cさんは40、Dさんは5月分20、6月分20。(LINEデータ)
ここに出てくるAさんやBさんは、参院選直前に雇われている。元議員秘書で今は会社員のAさんは6月上旬から、参院選後、愛知県の市議になったBさんは6月中旬から投開票日まで選対に入っていた。
Aさんは個別訪問などを担当、Bさんは事務局長を務め創価学会との窓口にもなっていた。すでに2人ともこの件で複数回聴取を受けている。Aさんは受け取った報酬の違法性を認める供述をしている。
案里事務所ではA、B両氏以外にも、ビラを配ったり候補者とともに練り歩く選挙運動員に報酬を払っていたというさらなる疑惑もある。(電話がけやビラ配りに報酬を支払うのは公選法違反)
投開票日前後に支払いが行われた39人の名前が載ったリストもすでに押収済みで、そこにはウグイス嬢以外にも選挙運動員の名前が列挙されており、違法の疑いが濃い。
ある人物には7月21日に15万円を支払った、などと記述は詳細で、合計金額は380万円にのぼる。捜査陣はこれに目をつけ、ウグイス嬢以外にもすでに事情聴取を始めている。
LINE「あらいぐま」と「アンジー」
参院選にかかわった関係者十数人がやり取りする「参院選」というグループLINEがある。中心は「あらいぐま」。他の人に報告を求めたり、指示を出したり、叱責も。これは克行氏。あらいぐまに似ているからだという。
案里氏はハリウッド女優にあやかってか「アンジー」と名乗る。
選対関係者が「資料のまとめ方にまで口を挟む人で、選挙活動において克行氏の知らないことなどありません。お金の管理も克行氏でした。通帳も自らチェック。主要スタッフの採用も、月給の上げ下げも克行氏が決めていた」と明かす。
河井案里氏の生い立ち
宮崎県生まれで、父親は設計事務所を経営。「公共建築百選」にも選ばれた県立芸術劇場などの設計に携わる裕福な家庭に育った。幼稚園から中学までは宮崎大学附属に通い、県立宮崎大宮高校。高校の先輩には社民党の福島瑞穂氏がいる。
慶応義塾大学へ進学の後、海洋開発研究機構などの勤務を経て2001年、28歳で10歳年上の克行氏と結婚。
結婚後の一時期、広島文化短期大学の非常勤講師を務めた。元学生が講義の様子を振り返る。
「あの先生のことは忘れられません。ホワイトボードに一方的に色々なことを書き連ねていくのですが、意味がわからない。そこで、質問すると『分かんないっていうことが分かんない!』と言って、そのまま授業を進めていった。他の学生の質問にも『今書いたでしょ!』と大声で怒鳴るばかり。メイクも異様な濃さで、どこのお嬢さんがコネで教えに来たのか、と学生はみんな呆れていました」
その後、広島県議になると06年には藤田雄山知事(当時、故人)の知事選での買収疑惑などについて「説明責任は」「なぜ出納責任者に聞かないのか」などと責め立て「男らしくしなさいよ」と上から目線で辞職を求めたのが話題になった。
両親「案里がかわいそう」
公選法違反が疑われていることについて「これは文春が悪い。東京あたりだと(ウグイス嬢に)5万円以上払われている。なんで文春はしつこく書くのか。文春の会社に行って小便でもひっかけたいよ」
克行氏については「克行は(社会人経験がなく)いきなり政治の世界から始まっていて、世の中を見ていない。人に嫌われないためには包容力がいるが、それが足りていない」
案里さんに議員辞職を求める声も出ているが「辞めたらイカンですよ。色んな議員が、案里を指差しているが、本当に自分たちは(日当)1万5千円でやったのか。娘がかわいそうだ。辞めたら安倍さんに申し訳ない」

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