「みかじめ料」店が暴力団組員に渡すと罰則

暴力団が飲食店などに不当に金銭を要求する「みかじめ料」を巡り、広島県が2020年度、暴力団と店側の双方に罰則を科す規定を新設する方針を決めたという。広島、福山、尾道3市の歓楽街の一部を適用対象地域とし、暴力団の有力な資金源とみられる歓楽街での金銭授受を厳しく取り締まり、資金の流れを断つのが狙い。12月5日開会の県議会定例会に県暴力団排除条例の改正案を提出する。

関係者によると、改正案では、いずれも指定暴力団の共政会傘下の組事務所が集まる広島市中区流川・薬研堀地区と、浅野組と俠道会傘下の組事務所がある福山、尾道両市の歓楽街の一部を「暴力団排除特別強化地域」に指定。指定エリア内で営業する風俗店や飲食店などが組員にみかじめ料を渡した場合、組員や店側に1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。

店側が組員にもめ事を解決してもらうなどの「役務の提供」を受けた場合も対象となる。自主的に申告した店には、罰則を減免する規定も設ける。

現行法でも組員がみかじめ料を脅し取る行為には刑法の恐喝罪(10年以下の懲役)が適用できる。暴力団対策法での立件も可能で、県公安委員会が中止命令を出しても組員が従わない場合などに3年以下の懲役または250万円以下の罰金を科す。ただ、店側は報復などを恐れて警察に被害を申告しないため、被害が表面化しにくい現状がある。

また、11年施行の同条例は暴力団へのあらゆる利益供与を禁止。違反した個人や事業者には県公安委員会が勧告し、従わない場合は名前や事業者名が公表されるが、罰則規定はない。

摘発が進まない現実を背景に、みかじめ料を授受する行為そのものに罰則を設け、歓楽街対策を強める動きは全国に広がる。愛知県や京都府に同様の規定があり、今年は兵庫県が2月、沖縄県が5月、東京都が10月に改正条例を施行した。20年の東京五輪・パラリンピックを控え、外国人観光客も安心して楽しめる環境づくりを進める狙いなどがある。中国地方では岡山市が同様の規定を設け、市中心部の歓楽街を対象地域に指定している。(中国)

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