福山市でため池700カ所管理者不明

災害リスクが指摘される農業用ため池を巡り、福山市の約2200カ所の3割超に上る約700カ所で管理者が不明だという。福山市は適正管理ができていないという実態が浮き彫りになった。同市では、18年7月の西日本豪雨で決壊などが相次ぎ、早急な補強や廃止工事などが求められている。

福山市には広島県内で3番目に多い2198カ所のため池があり、西日本豪雨では駅家町向永谷で決壊するなどし、土石流にのまれた下流の女児(当時3歳)が犠牲になった。市全域では決壊7カ所、堤のひび割れなど損壊は42カ所に上った。

市は豪雨直後、ため池台帳や地域の土木常設員、農家への聞き取りなど管理者の調査を始めた。市によると、現時点で約1500カ所について確認できた一方、残る約700カ所は不明。市はうち200カ所程度は団地造成時に埋め立てられたり、山に戻したりしたとみているが、実態把握は難航している。

災害時に決壊した場合、人的被害が出る可能性が高いため池は「防災重点ため池」とされる。国は基準を見直し、同市では175カ所から1110カ所へと約6.3倍に増加。記録的豪雨が全国的に多発する中、県は補強対策の加速と合わせ、下流に民家や公共施設があるのに使われていないため池の廃止方針を打ち出している。

農林水産省によると、全国で江戸期以前に造られたため池が全体の3分の2を占める。管理する農家が亡くなるなどして手入れが行き届かないケースが増え、管理者不明の池の防災上の対策が課題となっている。(中国)

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