選挙カー車上運動員報酬 日当3万円出さないと人材集まらない?

自民党の河井案里氏(46)が7月の参院選広島選挙区(改選数2)で初当選した際の公選法違反疑惑が報じられた問題で、別の選挙で車上運動員をした経験がある広島県内の女性が、参院選前の今春に「案里さんの陣営関係者から『1日3万円でどうですか』と依頼された」と証言した。

女性によると関係者は、陣営に加わる案里氏の支援者とつながりがある。依頼を受けた時期は、自民党本部が広島選挙区での2議席独占を目指して案里氏を公認し、陣営が夏の選挙前に向けて組織づくりを進めていた頃にあたる。

女性は過去の選挙で、別の政党の陣営で車上運動員をした経験があり、公選法が定める報酬の上限が1日当たり1万5千円だと知っていた。「3万円は魅力的だったが、公選法違反のリスクを考えて断った。上限額以上が当たり前、という印象だった」と振り返る。


法定額では人材来ない

選挙運動中に選挙カーで支持を呼び掛ける「車上運動員」の報酬について、日当1万5千円では人材が集まらないという。各陣営の依頼で車上運動員を紹介する広島県内の会社社長が吐露した。

車上運動員は選挙戦で選挙カーに乗り込み、有権者に手を振ったり、マイクで候補者の名前を売り込んだりする。街頭演説では候補者とともに「1票」を呼び掛ける。選挙カーでの運動は午前8時から午後8時までの12時間。丸1日の勤務はハードなため、6時間勤務でシフトを組むのが一般的だという。

会社社長は「候補者の印象を良くするメッセージを考えながら、手を振り続け、声を出し続ける。大変な仕事」と説明する。候補者のイメージを左右しかねない存在でもある。それだけに複数回の選挙を戦った陣営幹部は「声の通りが良く、アドリブが利く優秀な人材はずっと囲い込んでいる」と、人材獲得を競い合う現状を語った。

統一地方選で選挙に初挑戦した女性は、車上運動員の経験のある知り合いに声を掛けたが、遠回しに「1万5千円では相場に合わない」と断られた。ある車上運動員の経験者は「行った先々で、みんなが『あの事務所はいくらだった』と話すから、安い日当では引き受けない」と明かす。

関係者によると、上限額と相場の差額を埋めるため、事務員の肩書きを付けて上乗せしたり、選挙とは別の費目で支出したりと、待遇を良くする工作もあるという。「上限1万5千円の日当だけでやってくれるケースなんてない。業界内での『正規料金』は2倍以上だ」。4月の統一地方選で広島市の候補者の参謀役だった男性は言う。

総務省によると、車上運動員に報酬を払えるようになったのは1978年で、公選法施工令に基づく日当の上限は4500円だった。83年に6千円に引き上げられた後、92年に現在の1万5千円になった。その後は27年間、金額は据え置かれたままだった。(中国)

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