長崎原爆の日にも政治デモ団体現れる

8月9日、長崎市に原爆が投下されて74年を迎え、市内は犠牲者への祈りに包まれた。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれた平和公園(同市松山町)の周辺では、慰霊とは無関係の政治的主張を繰り返すデモや集会も見られたという。しかし「自己満足に過ぎない」との批判を意識してか、少々静かになっているという。


「日米安保粉砕、ストライキで戦争を止めろ-!」と、午前10時50分ごろ、爆心地公園に、シュプレヒコールをしながら一団が入ってきた。隣接する平和公園では、10分前から式典が始まっていた。

「改憲阻止!安倍政権を倒そう!」などと書かれた横断幕には、「NAZEN」(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の文字も踊る。極左暴力集団の中核派がつくったと警察庁が認定する団体だ。

その直前も爆心地公園前では、別の集団がデモ行進していた。祈念式典の会場周辺で政治的主張を繰り返す集団に対して、「慰霊の場にふさわしくない」「厳粛な雰囲気を壊す」などと、批判が高まる。

「8・9長崎反戦闘争実行委員会」を名乗る団体は、午前10時ごろから爆心地公園で集会を始めた。実行委の代表としてあいさつした男性は、「最も伝えたいことは、一刻も早く戦争や改憲に突き進む安倍政権を倒すことだ」「広島や長崎(への原爆投下)は、侵略戦争の結果だ」などと訴えた。「教育現場では、被害者意識だけを教える。外国への憎しみを生むだけだ」と発言する男性もいた。

原爆が投下された午前11時2分。「長崎の鐘」が打ち鳴らされ、式典参列者が黙祷する中、この団体はシュプレヒコールを始めた。公園を出ると、デモ行進を始めた。足取りはゆっくりで、先導する乗用車が何度も道路上で停止した。その度に周囲にいた警察官が、早く進むよう促した。

メンバーは式典会場の平和公園に通じる坂道の前で、声を張り上げた。「安倍は帰れ」「安倍の言葉はいらない」「韓国や北朝鮮を差別するな」がなり声がマイクを通して、大きく響いた。団体が“牛歩”で行進したのは、式典で安倍晋三首相があいさつするタイミングに合わせる狙いのようだった。行進の横断幕を持ち、集団の先頭に立っていた福岡市議、荒木龍昇氏は「安倍首相は平和を願う集会にはふさわしくない」と語った。

同じ悩みを抱える広島市は、式典中のデモを条例で規制すべきか、昨年12月から1月に市民を対象にアンケートを行った。結果、69%が規制に賛成した。同市は8月6日の式典参列者にも同様の調査を実施しており、結果を取りまとめて、来年以降の対応を検討する。

長崎市は「今のところ、同様の調査を行う予定はない」(原爆被爆対策部の担当者)とする。それでも、広島市の問題提起は、長崎市のデモに影響を与えたようだ。デモ参加者の一人は「なるべく式典に重ならないよう、デモの時間を少し早めたと聞いている」と語った。(産経)



長崎原爆の日

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