中国地方のインバウンドが関東、関西の1割以下、消費額は全国最下位

国が観光立国を掲げて、インバウンド(訪日外国人客)の誘致を目指す中、中国地方は十分な経済効果が出ていないという。外国人の宿泊客数は関東や関西の1割にも届かず、旅行者の消費額は全国最下位。従来の通過型から滞在型の観光エリアに変わるためには、夜のイベントや自然体験を楽しんでもらう工夫が欠かせないという。


昼下がりの平和記念公園(広島市中区)は世界中から観光客が集まり、真剣な表情で原爆ドームや原爆の子の像を見つめる。米在住のベン・ロドキンさん(32)は、午後1時ごろ着いた。「広島の観光スポットはここしか知らない。夕方には新幹線で大阪へ向かうので時間がない」と足早に原爆資料館へ向かった。

ポーランドから妻と訪れたアンジュイ・ジョン・ブロニツキさん(56)は、大阪のホテルを旅の拠点にする。「大阪に滞在すれば東京や京都にも行きやすい」と理由を語り、こう続けた。「夜に面白いイベントがあれば広島にも泊まってみたい」

政府は2017年に閣議決定した観光立国推進基本計画で、インバウンドの増加を掲げた。20年までに4千万人に増やし、東京や大阪、京都などを除く地方の延べ宿泊者数は7千万人を目指す。中国運輸局も中国地方で18年の210万人を20年に320万人に増やす方針。

ところが観光庁の調査では、中国地方の宿泊者数は前年より25.3%増えたが、関東(3312万人)や近畿(2409万人)の1割にも満たない。中国運輸局観光部は「知名度が高い平和記念公園と宮島(廿日市市)だけ訪れて関西に戻る客が多い」とみる。

宿泊が少ないため、旅行消費額も低調だ。観光やレジャーを目的とする18年の中国地方の消費額は、外国人1人当たり2万8260円と全国10地域で最低。トップの関東(10万354円)の3割弱にとどまり、隣の四国(5万1650円)も大きく下回った。(中国)



2018年外国人1人当たりの地域別旅行消費額

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