「紙屋町・八丁堀」地域の都市再生緊急整備地域指定に逆行する広島県庁舎耐震化
広島市中心部の「紙屋町・八丁堀」地域が18年10月に「都市再生緊急整備地域」に指定され、いよいよ老朽化広島地方都市が本格的に開発されて再生していくのかと期待していたが、どうやら口先だけの掛け声で終わりそうな気配だ。思い切った改革が出来ない相変わらずの中途半端な広島だが、この狭い広島三角洲の発展を本気で考えているのだろうか。
県本庁舎は新築せず耐震化するだけ
広島県庁本庁舎(広島市中区)の耐震化工事が現実的となった。工事の入札で、県の公募に応じた業者がゼロだった問題で、県は12月27日、大手ゼネコン大成建設(東京)など3社でつくる共同事業体(JV)と仮契約を結んだという。県の再公募に応じたもので、施工費は57億3100万円。大成建設は、1956年完成の本庁舎の建設も手掛けている。県は2019年2月に開会を予定する県議会定例会に、このJVと正式契約を交わすための議案を提出し、議決を得られれば着工し、当初予定した21年度末までの完了を目指すという。総事業費は近隣オフィスへの仮移転なども含めて約75億円を見込んでいる。(中国)
みすぼらしい広島県庁舎は建て替えか耐震化か
県庁舎耐震化工事は「紙屋町・八丁堀」地域「都市再生緊急整備地域指定」に逆行
単なる耐震化工事というのは、無駄に広い敷地を占領している既存の低層県庁舎をそのまま温存させることになる。この狭い広島市三角洲を有効に活用するなら、県庁舎を1棟の高層ビルにしたほうが良い。そして、余った土地は活性化のために民間に売却すべきだ。
県庁の敷地が無駄に広い
広島三角洲は狭い

ここで、なぜ広島市中心部の「紙屋町・八丁堀」が「都市再生緊急整備地域」に指定(10月24日施行)されたのか確認しておきたい。この指定の理由は広島市のHPによると、少子高齢化による人口減少で、街が衰退してしまうという危機感から、県と市が連携して「ひろしま都心活性化プラン」というものを取り組んでいたのだ。
広島市都市再生緊急整備地域

いろいろな方針を細かく掲げているが、いったい何をどこまでやるのか見えてこない。たぶん、これから個々の事案を長い年月をかけて整備していくと思われる。そこで、その中から、特に気がかりなところを抜粋して考察してみたい。
【考察1】
整備の目標については、紙屋町・八丁堀は、広島広域都市圏の活性化を目指す「200万人広島都市圏構想」を推進するためのエンジンとなるようにするとともに、中四国地方の発展をリードする地域とする、としている。
200万人都市というからには、現在の広島市内だけで200万人が住めるような街づくりをするのかと思ったが、実は半径60キロ圏となっている。これでは範囲が広すぎるし、山間部を越えて市内中心部への良好なアクセスを確保しようとするのは、非常に難題だ。それなら思い切って山を崩して平地にしたらどうか。とても住みやすい市街地が形成されると思うが。実際には広島市中心部に高層マンションをどんどん建築して人を集めたほうが現実的だ。
範囲が広すぎる200万人構想
山を消してみる

【考察2】
更新時期を迎える建築物の建替えに合わせた敷地の共同化、土地の高度利用及び業務・商業・文化・宿泊など都市機能の充実・強化等により、国際平和文化都市の都心にふさわしいにぎわいと交流、さらに革新性が高いビジネス機会を生み出す都市空間を形成させる、としている。
広島市の三角洲は狭く、活用できる土地は限られているのだが、その割には官公庁の土地が贅沢にも幅を利かせている。例えば広島地方裁判所(中区)や広島県庁などは、敷地面積ばかりとって、高度利用がされていない。土地が少ない訳だから、建物を上に延ばして高層ビルにすべきだ。
特に広島地方裁判所の駐車場については、いつもガラガラ状態だから、もったいない。早く民間と共同でもいいから活用すべきだ。
「ひろしま都心活性化プラン」では、官公庁街の土地利用については、市と国・県が連携して、官公庁街の土地利用の在り方を検討し官民連携による公有地を活用した取組を検討しているようだから、思い切った改革をして見違えるような都市にすべきだ。
上八丁堀の活用されない土地

広島市には高層タワーがない
県本庁舎は新築せず耐震化するだけ
広島県庁本庁舎(広島市中区)の耐震化工事が現実的となった。工事の入札で、県の公募に応じた業者がゼロだった問題で、県は12月27日、大手ゼネコン大成建設(東京)など3社でつくる共同事業体(JV)と仮契約を結んだという。県の再公募に応じたもので、施工費は57億3100万円。大成建設は、1956年完成の本庁舎の建設も手掛けている。県は2019年2月に開会を予定する県議会定例会に、このJVと正式契約を交わすための議案を提出し、議決を得られれば着工し、当初予定した21年度末までの完了を目指すという。総事業費は近隣オフィスへの仮移転なども含めて約75億円を見込んでいる。(中国)
みすぼらしい広島県庁舎は建て替えか耐震化か
県庁舎耐震化工事は「紙屋町・八丁堀」地域「都市再生緊急整備地域指定」に逆行
単なる耐震化工事というのは、無駄に広い敷地を占領している既存の低層県庁舎をそのまま温存させることになる。この狭い広島市三角洲を有効に活用するなら、県庁舎を1棟の高層ビルにしたほうが良い。そして、余った土地は活性化のために民間に売却すべきだ。
県庁の敷地が無駄に広い

広島三角洲は狭い

ここで、なぜ広島市中心部の「紙屋町・八丁堀」が「都市再生緊急整備地域」に指定(10月24日施行)されたのか確認しておきたい。この指定の理由は広島市のHPによると、少子高齢化による人口減少で、街が衰退してしまうという危機感から、県と市が連携して「ひろしま都心活性化プラン」というものを取り組んでいたのだ。
広島市都市再生緊急整備地域

いろいろな方針を細かく掲げているが、いったい何をどこまでやるのか見えてこない。たぶん、これから個々の事案を長い年月をかけて整備していくと思われる。そこで、その中から、特に気がかりなところを抜粋して考察してみたい。
【考察1】
整備の目標については、紙屋町・八丁堀は、広島広域都市圏の活性化を目指す「200万人広島都市圏構想」を推進するためのエンジンとなるようにするとともに、中四国地方の発展をリードする地域とする、としている。
200万人都市というからには、現在の広島市内だけで200万人が住めるような街づくりをするのかと思ったが、実は半径60キロ圏となっている。これでは範囲が広すぎるし、山間部を越えて市内中心部への良好なアクセスを確保しようとするのは、非常に難題だ。それなら思い切って山を崩して平地にしたらどうか。とても住みやすい市街地が形成されると思うが。実際には広島市中心部に高層マンションをどんどん建築して人を集めたほうが現実的だ。
範囲が広すぎる200万人構想

山を消してみる

【考察2】
更新時期を迎える建築物の建替えに合わせた敷地の共同化、土地の高度利用及び業務・商業・文化・宿泊など都市機能の充実・強化等により、国際平和文化都市の都心にふさわしいにぎわいと交流、さらに革新性が高いビジネス機会を生み出す都市空間を形成させる、としている。
広島市の三角洲は狭く、活用できる土地は限られているのだが、その割には官公庁の土地が贅沢にも幅を利かせている。例えば広島地方裁判所(中区)や広島県庁などは、敷地面積ばかりとって、高度利用がされていない。土地が少ない訳だから、建物を上に延ばして高層ビルにすべきだ。
特に広島地方裁判所の駐車場については、いつもガラガラ状態だから、もったいない。早く民間と共同でもいいから活用すべきだ。
「ひろしま都心活性化プラン」では、官公庁街の土地利用については、市と国・県が連携して、官公庁街の土地利用の在り方を検討し官民連携による公有地を活用した取組を検討しているようだから、思い切った改革をして見違えるような都市にすべきだ。
上八丁堀の活用されない土地

広島市には高層タワーがない
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【考察3】
「増進すべき都市機能」として、国際的なビジネス環境の形成に資する高規格オフィスの実現など業務機能の高度化や官民連携による公共空間を活用したにぎわいと交流機能の強化。多様なライフスタイルに応じた都心居住を推進、としている。
広島市にはタワーがない。高層タワーというのは街のシンボル的な存在価値がある。誰でも利用できる展望室を設ける意義は、観光客の誘致というイベント的な側面もあるが、生活する人々の価値観の共有がなされ、さらに発展させようとする気持ちに繋がるからだ。これは市の景観条例以前の問題で、是非やるべき価値のある事案だ。このタワーは旧広島市民球場跡地に建設するのが適していると思う。
参考までに、全国の主要都市にあるタワーだ。
「東京スカイツリー」高さ634メートル、展望台450メートル
「東京タワー」高さ333メートル、展望室 250メートル
「横浜ランドマークタワー」高さ296メートル、展望室273メートル
「名古屋テレビ塔」高さ180メートル、展望室100メートル
「あべのハルカス」高さ300メートル、展望台300メートル
「福岡タワー」高さ234メートル、展望室123メートル
現在、広島市内で最も高い建物は、シティタワー広島(広島市南区)で、高さ193メートルとなっている。つまり、200メートルくらいからの眺望は、すでに特定の人だけが毎日享受している。もし、広島市内でタワーを建設するなら、タワーの高さと展望室は最低でも300メートルはほしい。
(例)高さ約140メートルからの眺望
【考察4】
「緊急かつ重点的な市街地の整備の推進」として、都心へアクセスしやすく、容易に移動できる交通環境の整備を推進し、サッカースタジアムの整備場所を踏まえた旧市民球場跡地の活用による地域の活性化、オープンカフェの設置やイベントの開催などによる平和大通りを活用したにぎわいの創出、としている。
広島は車社会だが、市内の会社では車通勤ができないところは多い。バスは交通渋滞にハマると時間が読めないし、アストラムラインのルートは限られている。そこで必要となってくるのが「地下鉄」だ。市内の団地から直通の電車を走らせ、市内中心部に入るときには地下を走らせる方法だ。例えば西区で言えば、高須団地や己斐団地、古田台団地、井口団地に駅をつくって走らせる。
串だんご状態の朝のバス

広島三角洲は、幸か不幸か、市内を流れる川が多すぎる。これは他の大都市圏と比較すると分かりやすいが、土地面積に対して川が無駄に多すぎる。多すぎる川は何の生産性も無い。できれば埋め立てて活用すべきだ。
この無駄な川が原因で、広島市内への商業投資を躊躇する法人も多い。その場所とは、JR広島駅南口から駅前大橋が架かる「猿猴川」だ。他の大都市圏では主要な駅前通りは、商業・オフィスビルが立ち並び、活気があるが、この猿猴川が邪魔をしているため、これを乗り越える人の足が分散するため、的場町や京橋町が閑散としている。広島駅南側の猿猴川は埋め立てて、商業施設をつくるべきだ。

「増進すべき都市機能」として、国際的なビジネス環境の形成に資する高規格オフィスの実現など業務機能の高度化や官民連携による公共空間を活用したにぎわいと交流機能の強化。多様なライフスタイルに応じた都心居住を推進、としている。
広島市にはタワーがない。高層タワーというのは街のシンボル的な存在価値がある。誰でも利用できる展望室を設ける意義は、観光客の誘致というイベント的な側面もあるが、生活する人々の価値観の共有がなされ、さらに発展させようとする気持ちに繋がるからだ。これは市の景観条例以前の問題で、是非やるべき価値のある事案だ。このタワーは旧広島市民球場跡地に建設するのが適していると思う。
参考までに、全国の主要都市にあるタワーだ。
「東京スカイツリー」高さ634メートル、展望台450メートル
「東京タワー」高さ333メートル、展望室 250メートル
「横浜ランドマークタワー」高さ296メートル、展望室273メートル
「名古屋テレビ塔」高さ180メートル、展望室100メートル
「あべのハルカス」高さ300メートル、展望台300メートル
「福岡タワー」高さ234メートル、展望室123メートル
現在、広島市内で最も高い建物は、シティタワー広島(広島市南区)で、高さ193メートルとなっている。つまり、200メートルくらいからの眺望は、すでに特定の人だけが毎日享受している。もし、広島市内でタワーを建設するなら、タワーの高さと展望室は最低でも300メートルはほしい。
(例)高さ約140メートルからの眺望

【考察4】
「緊急かつ重点的な市街地の整備の推進」として、都心へアクセスしやすく、容易に移動できる交通環境の整備を推進し、サッカースタジアムの整備場所を踏まえた旧市民球場跡地の活用による地域の活性化、オープンカフェの設置やイベントの開催などによる平和大通りを活用したにぎわいの創出、としている。
広島は車社会だが、市内の会社では車通勤ができないところは多い。バスは交通渋滞にハマると時間が読めないし、アストラムラインのルートは限られている。そこで必要となってくるのが「地下鉄」だ。市内の団地から直通の電車を走らせ、市内中心部に入るときには地下を走らせる方法だ。例えば西区で言えば、高須団地や己斐団地、古田台団地、井口団地に駅をつくって走らせる。
串だんご状態の朝のバス

広島三角洲は、幸か不幸か、市内を流れる川が多すぎる。これは他の大都市圏と比較すると分かりやすいが、土地面積に対して川が無駄に多すぎる。多すぎる川は何の生産性も無い。できれば埋め立てて活用すべきだ。
この無駄な川が原因で、広島市内への商業投資を躊躇する法人も多い。その場所とは、JR広島駅南口から駅前大橋が架かる「猿猴川」だ。他の大都市圏では主要な駅前通りは、商業・オフィスビルが立ち並び、活気があるが、この猿猴川が邪魔をしているため、これを乗り越える人の足が分散するため、的場町や京橋町が閑散としている。広島駅南側の猿猴川は埋め立てて、商業施設をつくるべきだ。

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