広島県警警察官が職務質問や取り調べ中に暴行されて10人負傷していた

広島県内では今年(18年)、公務中に暴行などを受けて負傷した警察官が10人に上り、例年の3、4人から大幅に増加したという。全国では交番勤務の警察官が襲われて死亡する事件も続き、警察官の安全をどう守るかが課題となっているという。


不測の事態だった

「まさに不測の事態。内偵では重装備の必要性は感じなかったが、結果的に署員にけがを負わせたことに責任を感じている」。広島南署の以南裕之副署長は唇をかむ。11月27日、家宅捜索を受けた女が自室にあった書類などを燃やそうとしたため、捜査員が取り押さえようとすると、女は刺し身包丁を持ち出し抵抗。38歳と47歳の警部補2人を相次いで刺した。

家宅捜索では通常、現場の広さや差し押さえ品の量などを想定して態勢を決める。さらに捜査対象者の罪状、性別、犯罪歴などを踏まえ、必要に応じて耐刃防護服や防弾チョッキなどの資機材を装備して捜索現場に入る。暴力団関係の事件では警戒度は増す。

今回は対象者が女性で、暴力団関係者でもなく、詐欺という知能犯が疑われる事件だったため、7人の捜査員全員が凶器から身を守る装備をしていなかった。


家宅捜査時のリスク認識高まる

以南副署長によると、今回の刺傷事件後、家宅捜索時のリスクに対する捜査員の認識はより高まったという。県警は県内全26署に対し、捜査幹部の指揮の下で捜査対象者の動静監視を徹底し、身を守る資機材を活用するよう通達を出した。

県内では今年、公務を妨害されて負傷する警察官が増えている。県警警務課によると、職務質問や取り調べ中に殴られたり、カッターで切り付けられたりしたのは11月末時点で10人。10月には職務質問中に急発進した車に2人が引きずられてけがをした。


全国の例

全国では、地域の安全の拠点であるはずの交番が襲撃される事件が続いた。富山市では6月、交番を訪ねてきた男が警察官を刺殺して拳銃を奪い、逃走後に警備員を射殺。仙台市では9月、交番の警察官が大学生の男に包丁で刺殺された。県内でも7月、広島南署本浦交番で50代の男がカウンターに1人でいた男性巡査(31)に「1発で死にたい。拳銃を貸せ」と腰の拳銃ホルダーに手を掛け、銃を奪おうとしたとして強盗未遂容疑などで現行犯逮捕された。


交番の防犯カメラ設置を加速

県警はこうした事態を受け、県内の交番で防犯カメラの設置を加速させる方針を決定。現在は155カ所のうち半数程度にしか設置されていないため、他の物品よりも優先させて調達することを検討している。交番での刺股、盾、カウンターなどの配置が適切かどうかも全署で点検している。(中国)


広島県警の警察官が18年、公務を妨害されてけがを負ったケース

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3月4日
海田署地域課の男性警部補が(55)が、タクシーで寝込んだ客に職務質問した際、腹や顔に殴る蹴るの暴行。

9月23日
安佐南署地域課の男性巡査(24)が、職務質問した男(65)にカッターナイフを振り回され、右手に切り傷。

10月7日
職務質問した男(32)が車を急発進させ、自動車警ら隊の女性巡査部長(34)が20メートル、男性巡査部長(41)が300メートル引きずられ、頭などにけが。

11月1日
福山東署刑事1課の男性巡査部長(39)が取り調べ中の容疑者の男(52)に顏を数回殴られ、顔面打撲。

11月16日
尾道署地域課の男性巡査部長(34)が、職務質問した男(74)から、首を締め付けられるなどの暴行。

11月27日
家宅捜索中に広島南署刑事2課の47歳と38歳の警部補が女に包丁で刺され、1人は腹や尻を刺され重傷。

11月27日
車で暴走を繰り返した男(20)に職務質問する際、急発進され、自動車警ら隊の41歳と33歳の男性巡査部長が胸や腕を負傷。

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