外国人実習生・広島の雇用先7割が労働法違反、人権侵害も発覚

全国で2番目に外国人技能実習生が多い広島県内で、広島労働局が2017年に労働に関する法令違反を確認した事業場は261カ所と、立ち入り調査した対象の約70%に上ったという。賃金の不払いや長時間にわたる残業が多く、実習生が急増する一方で事業主の理解が乏しい実態が浮かぶ。

国会で外国人労働者の受け入れ拡大に向けて改正法案の審議が進む中、労組関係者は「数字は氷山の一角。現実を直視する必要がある」と警鐘を鳴らす。


広島労働局が、実習生から相談が寄せられたり過去に違反があったりした378カ所を立ち入り調査し、69.0%で違反があった。労働時間に関してが最も多く、104カ所で確認。ある食品製造業者では実習生13人の全員が、労使協定で定めた月100時間の上限を上回る月160時間を超える時間外労働をした。

実習生が使う機材の検査を怠るなど労働安全衛生法に触れる安全基準違反が87件、時間外や休日、深夜の割増賃金を支払っていない違反が54件と続く。

広島労働局監督課の大村誠・特別監督官は「最低賃金を大幅に下回る時給で残業させるケースもある。実習生に労働基準法などの労働法制が適用されることに理解が足りない事業主がいる」と指摘する。

法令違反は16年の289カ所がピークで、今回、3年ぶりに減少した。


厚生労働省によると、実習生は全国で17年10月末現在、愛知県が2万8335人と最も多い。次いで広島県が1万3602人で、6年前に比べて約1.8倍になった。

広島労働局によると、造船や自動車、縫製などの製造業への従事が約7割で、建設業が1割弱。特産のカキ養殖などの水産業への従事もあるという。

政府は在留資格を新設して外国人労働者の受け入れ拡大を目指すが、現在の技能実習制度は実習生の失踪が相次ぐなど問題は多い。失踪した2870人を対象にした法務省の調査では、67.2%が「低賃金」を動機に挙げている。

実習生の労働相談に応じる労組、スクラムユニオン・ひろしま(広島市東区)の土屋信三委員長は「法定賃金を支払っても、家賃や生活必需品の使用料として非常識な高額を天引きする脱法行為がある。スマートフォンを没収して過酷な実態を訴える通信手段を奪うなど、人権侵害も深刻だ」と強調。

「実習生の現実に向き合わずに外国人労働者の受け入れを拡大すると、現在の労働基準監督官の人数では違法行為のまん延を防げない」と話す。(中国)




広島県内の外国人技能実習生と法令違反事業場
※広島労働局調べ


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