火山噴火予知裁判の伊方原発はコロコロ変わる広島高裁が運転を認める

愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、広島高等裁判所は「巨大な噴火の可能性が根拠をもって示されているとは認められない」などとして運転停止を命じた去年の仮処分の決定を取り消し、運転を認めた。これを受けて、四国電力は伊方原発3号機を10月27日に再稼働させるという計画を明らかにした。

愛媛県にある伊方原発3号機について、広島高等裁判所は17年12月、熊本県にある阿蘇山の巨大噴火の危険性を指摘し、9月30日までという期限つきで運転の停止を命じる仮処分の決定を出した。

これに対し、四国電力は決定の取り消しを求めて異議を申し立て、広島高裁の別の裁判長のもとで審理が行われてきた。25日の決定で広島高裁の三木昌之裁判長は運転停止を命じた17年12月の決定を取り消し、運転を認めた。

この中で、破局的な巨大噴火については「相応の根拠をもって危険性が示されない限り、原発の安全性に問題はないとするのが我が国の社会通念と認められる」と指摘した。そのうえで「伊方原発が運用されている期間中に阿蘇山で破局的な噴火が発生する可能性が根拠をもって示されているとは認められない」という判断を示した。

また、破局的なものを除く火山の噴火については「火砕流が伊方原発に到達する可能性は十分に小さい」と指摘した。さらに、原発の運転に影響を与える火山灰の量についても「四国電力の想定には合理性があり、非常用発電機の機能が喪失しないよう対策も講じられ、具体的な危険性はない」と指摘した。

25日の決定を受けて、四国電力は今後の作業が順調に進んだ場合、伊方原発3号機を10月27日に再稼働させるという計画を明らかにした。

一方、同じ伊方原発3号機をめぐり別の住民が申し立てた仮処分については、9月28日に大分地方裁判所が判断を示すことになっている。

広島高等裁判所の決定について、仮処分を申し立てた住民と弁護士が広島市内で記者会見した。

この中で河合弘之弁護士は「広島高裁は伊方原発3号機の運転を認める『不当決定』を出した。原発に求められる安全性を全く理解していない」などとする声明を読み上げた。

そのうえで「決定は火山の破局的な噴火が予知できないことが前提となっているにもかかわらず、住民側に噴火の可能性を根拠をもって示すことを求めていて矛盾している」と述べた。

さらに、河合弁護士は「最高裁判所を信頼していない。判例ができると、今後のほかの裁判所の判断にも影響する」と述べ、抗告しない考えを明らかにした。

また、仮処分を申し立てた住民の1人で広島市中区に住む綱崎健太さんは「福島県の原発事故を司法は忘れてしまったのか。あまりにも原発の“安全神話”に逆戻りした危機を感じる決定だと心底思う」と話していた。

一方、四国電力は9月25日午後、小林功常務ら幹部が高松市の本店で記者会見した。

この中で小林常務は「当社の主張が認められて正直、安どしている。運転停止による損失はおよそ330億円で1年間の経常利益が吹っ飛ぶほどのインパクトがあった。原発の再稼働で電源の分散化が進むことで大規模な停電、ブラックアウトの対策に大きな効果がある。安全を最優先に再稼働に向けた準備を進めたい」と述べた。(NHK広島)

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