岡山の暴力団組員射殺事件で広島警戒中

岡山市南区で指定暴力団神戸山口組系の組員が射殺された事件を受け、岡山県警に加え、中国地方の他の4県警も警戒を強めているという。指定暴力団山口組との対立抗争の可能性が指摘される中、岡山、広島の両県警は逃走中の男の足取りを捜査。県内に参加組織がある広島以外の4県警は山口組による報復に発展する恐れもあるとして、監視を強めている。

広島県警は事件後、男が県内に逃走した可能性もあると見て、JR広島駅などて捜査している。県内は傘下組織がない「空白県」。県警は県内に本拠を置く共政会などは、昨年8月の分裂以降も2つの団体と交流を続けているとみられる。(中国)

脅し取られた慰謝料を返せと風俗店経営者らが共政会会長を提訴

指定暴力団共政会の有木組と正木組が共謀し、広島市内の派遣型性風俗営業のデリバリーヘルス業者から、あいさつ料を脅し取ったなどとされる事件で、被害に遭った経営者たち3人と関係会社が3月9日、共政会会長の守屋受刑者(73)ら4人に使用者責任などがあるとして、脅し取られた現金や慰謝料など計2200万円の損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。広島市を拠点とする共政会のトップに使用者責任を問う訴訟は初めて。

2008年5月施行の改正暴力団対策法に基づき、組員にあいさつ料を脅し取られたとして、指定暴力団トップの使用者責任を問うのは全国でも異例。

関係者によると、有木組と正木組の組員らは共謀し12年12月ごろから13年7月ごろまでに、原告に電話であいさつ料の支払いを要求した。

支払いを拒むと、送迎用の車のフロントガラスをバットのようなもので叩き割られるなどした。原告の1人はあいさつ料として、月10万円を6回にわたり脅し取られたという。

原告側は、車の修理代や脅し取られたあいさつ料に加え、精神的な苦痛を受けたとして、1人につき500万円から800万円の慰謝料を支払うよう求めている。(中国)

浅野組中岡組の組員らを暴行・恐喝未遂で送検

知人の男性を殴ってケガをさせ、現金500万円を脅し取ろうとした疑いで福山市の指定暴力団組員2人が2月24日送検された。恐喝未遂などの疑いで逮捕・送検されたのは、福山市の指定暴力団・中岡組組員・山口兼嗣容疑者(39)と福山市の無職・本田晶規容疑者(24)。

警察は容疑を裏付けるため、2月24日午前、福山市昭和町にある指定暴力団浅野組中岡組の事務所を捜索した。警察によると2人は共謀し、今月19日、福山市内の知り合いの男性の顏を殴るなどけがをさせ、「やくざをなめとったらいけんぞ!500万円払え!」と脅迫した疑い。男性が警察に相談したため、事件が明らかになったという。調べに対し2人とも容疑を否認しているという。
(広島テレビ)



中岡組送検

中岡組2

共政会吉田組の男の飼い猫に足を噛まれた女

2月18日、広島東署は広島市中区昭和町、指定暴力団共政会吉田組組員・古田裕樹容疑者(32)を恐喝の疑いで逮捕した。調べでは、1月10日午後10時ごろ、古田容疑者の飼い猫に両足を噛まれてけがをしたとして治療費などを請求した知人女性(25)に対し、同区の駐車場で「わしは共政会の若いもんで。やくざを甘くみんな」などと脅した疑い。同署によると、容疑を否認しているという。(中国)

中電大崎発電所工事恐喝事件で組員に懲役4年の判決

中国電力大崎発電所(広島県大崎上島町)の発電施設建設をめぐる企業恐喝事件で、恐喝未遂罪に問われた広島市南区出汐3丁目、指定暴力団共政会高塚組組員・小原学被告(47)の判決公判が2月3日、広島地裁であり、伊藤寿裁判長は懲役4年(求刑懲役5年)を言い渡した。伊藤裁判長は、共謀して起訴され、公判が分離されている共政会有木組組長を判決前ではあるが「犯人である」と認定した。

伊藤裁判長は、公判で無罪を主張している有木組組長・山内純二被告(47)=同罪などで公判中=について、事件で使われた脅迫状と同じ文面が管理する倉庫で見つかったことなどを挙げて「犯人」と認定。同じく共謀したとして分離公判中の同組員2被告=同=は「組員の犯行に組員が当然に関与しているはずという経験則は存在せず、共謀は認められない」とした。

その上で、小原被告が事件前に山内被告と犯行に関する具体的な話をしたとして、伊藤裁判長は「犯人である山内被告と役割分担をして実行に及んだ」と判断。弁護側の無罪主張を退け、「車に拳銃の実弾を置くなど、暴力団の威力をことさらに示す犯行で非常に悪質」と述べた。

判決によると、小原被告は山内被告と共謀し、2013年3月~5月、発電施設の工事を請け負うゼネコンや取引業者など5社対し、脅迫状を送り、社用車内に実弾5個を置くなどして金銭を脅し取ろうとした。(中国)

義理と人情がなくなった今の広島暴力団

地方の暴力団も格差社会待っただ中のようだ。共政会会長の守屋受刑者が2017年に刑期を終えて出所するが、トップが戻った組織がどう変わるのか。跡目争いも懸念されるが、広島の暴力団組織である共政会はこれからどうなるのか。


広島県警が共政会会長の守屋輯受刑者(72)を、解体業者に対する恐喝容疑で逮捕したのは2004年6月のこと。この事件摘発で解体業者からの上納システムがあぶり出された。03年に始まり、不当介入を受けた建設業者に行政や警察への届け出を義務付ける「広島方式」も浸透した。そして市営住宅からの締め出しも進んだ。

共政会トップを逮捕する「頂上作戦」から11年半、警察庁のまとめでは、2004年末時点で約310人だった共政会の組員は10年後の昨年末、4割減となる約190人になった。

全国的にも暴力団組員は11年連続で減少し、広島で暮らす60歳代の関西の元組員は「シノギ(仕事)ができず、もう暴力団で食っていける時代じゃない」と話す。

関係者によると、広島では家賃を滞納し、賃貸住宅を追われる組員もいるという。


共政会の2次団体は41あるが、広島県警は昨年、229人の組員や関係者を摘発した。県警は「まとめ役の不在で一枚岩になれず、組織全体で大きな犯罪ができる状況にない。弱体化している」とし、さらに組員は減るとみる。

一方で締め付けが増す中、暴力団の資金源は多様化し、覚せい剤の売買、組員との関係を隠した性風俗店の営業、行政の助成金の不正受給など、関与する犯罪は多岐にわたる。

暴力団体の関係者は「義理と人情などなく、金のための犯罪集団になっている」と懸念する。
(中国)

広島で就活していた山口組系元組員

広島県警や暴力追放県民会議などでつくる県暴力団離脱者社会復帰対策協議会には、離脱や就職を望む組員を保護し、企業を紹介する制度がある。県対策協が企業紹介を強化する背景には、近年、組員の離脱者が目立っていることや、離脱後に職に就けず、犯罪に走りがちな実情もあるという。


広島市内の住宅解体現場で、かつて指定暴力団山口組系の組織に属していた男性(33)がヘルメット姿で作業に汗を流す。週4~6日の勤務を始めて約1年。「先輩から怒られると、最初はむっとした表情が出ていたけど、最近はなくなってきた。人間が丸くなってきたんですかね」と笑う。

男性は静岡県出身。中学2年の時に児童養護施設に入ったのをきっかけに「親に捨てられた」と非行に走り、20歳から県内の暴力団事務所に出入りするようになった。恐喝などの事件を起こして刑務所にも入った。

出所後に別の暴力団に入ったが、母親が体調を崩し、兄貴分との折り合いも悪くなって嫌気が差し、27歳の時に組を抜けた。ただ、仕事を確保するのは大変だった。正社員の採用が決まりかけた工場では、健康診断時に全身の入れ墨がばれて不採用となった。別の飲食店のアルバイトでも、組を抜ける際に傷をつけた手を見られると、「もう来なくていいよ」と言われた。

生活は荒れ、覚せい剤を使うようになり、売人まがいのことをして日銭を稼いだ。覚せい剤取締法違反罪で実刑判決を受け、広島刑務所に収監された。(中国)

指定暴力団・山口組分裂で広島県警は注視・静観

国内最大の指定暴力団・山口組(総本部・神戸市)で、分裂の動きが出ていることを受け、中国地方の5県警も対応を迫られているようだ。各県警とも、暴力団同士の抗争事件が起きた場合に地元に波及するのを懸念している。傘下組織の事務所の警戒や情報収集を進めているという。


分裂は8月下旬に表面化し、有力組織の山健組(神戸市)など、関西を中心に13の2次団体が離脱し、新組織を立ち上げる動きが出ている。

組の中枢を担う弘道会(名古屋市)を中心とする勢力との抗争事件に発展する可能性があるとして、警視庁は9月2日に全国の警察本部の担当課長を集めた会議を開催。取り締まりの強化などを指示した。

広島は、沖縄、山県と並んで山口組傘下組織の事務所がない「空白県」。県警捜査4課は「すぐに影響があるとは考えにくいが、情報収集に努める」とし、県内で活動している指定暴力団3団体、共政会(広島市南区)侠道会(尾道市)浅野組(笠岡市)の動きを注視する。

3団体のトップは弘道会系の主流派と結び付きがあるが、古くからの組員には今回の離脱勢力と近い者も多いとされる。ただ、現時点で目立った動きはないと言い、捜査幹部は「しばらくは静観だろう」と話す。

一方、岡山県内には山口組傘下にある31の暴力団が事務所を置く。このうち、山口組の直系組織である2次団体は3組織ある。県警組織犯罪対策2課などは、このうち池田組(岡山市北区)が離脱勢力とみる。

残る大石組(岡山市北区)熊本組(玉野市)は弘道会系とみられ、「末端の現場で縄張り争いが始まるのを懸念している」と同課。県警は神戸市に捜査員を送るなどして情報収集に当たる。3日には、県内22署の担当者を集めた緊急会議を開催。「抗争の兆しを見極める必要がある」として、聞き込みの強化や構成員らの積極的な摘発を指示した。

山口県警は岩国、周南市にある山口組系3団体の事務所周辺のパトロールを強化している。ただいずれも末端組織で、活発な活動はないと見ており、「抗争が波及するとは考えにくい」とする。

下関市に本拠がある指定暴力団合田一家については「現時点では静観している」との見方だ。

山口組系の3団体が事務所を置く島根、同8団体がある鳥取の両県も情報収集と警戒を強めたいとしている。(中国)



山口組傘下の暴力団組織数と警察の対応

岡山県

31

縄張り争いを懸念

聞き込み強化

積極的な摘発

広島県

0

注視・静観

山口県

3

パトロールを強化・静観

鳥取県

8

警戒を強化

島根県

3

警戒を強化




広島駅前ピストル乱射事件(1952年)

1952年(昭和27年)11月、広島駅前で、ヤクザによるピストル乱射事件があった。1950年代は、第一次広島抗争と呼ばれているが、東映の「仁義なき戦い」が公開されたのが1973年(昭和48年)だから、広島ヤクザ抗争を映画でしか知らない人にとっては生々しいかもしれない。当時の現場では、どのような報道だったのか、抗争の経緯なども交えて紹介してみたい。以下、朝日から引用。


広島駅ピストル乱射
当時の広島駅前の様子


原爆で二十余万の生命を一瞬に奪い、平和都市として再出発した広島が、いま「暴力の恐怖」におののく不安な街と化している。市の中心部に勢力を張る村上組と岡組、二つの土建、テキヤの集団が対立して、凶器をふるい、ピストルを撃ちあっている。このケンカは数年前に始まり、殺したり殺されたり、仕返しに仕返しが続き、血なまぐさい事件を繰り返している。

通行人がピストルの流れ弾で負傷したり、その他の被害も多いが、あとのたたりを恐れて市民は口をつぐんでいる。広島市警特捜本部では、検挙をはじめ、幹部を逮捕したり、逃走中の者を手配したりしているが、まだまだ暴力の根絶には遠いようだ。衆議院法務委員会でも下調査を始め、休会明けには正式にとりあげて「暴力のヒロシマ」を究明する方針だというが、市街戦さながらのピストルの射ち合いにまで発展した暴力団ののさばり方は、いったいどうして生まれたのか。

広島駅付近から広島市東部地区「赤線区域」弥生町一帯にかけて根を張る二つのグループの紛争は、すでに数年、いつ果てるとも知れぬ状態にまで悪化している。紛争は広島市下柳町(現在の薬研掘・銀山町・橋本町)の土建業・岡敏夫と、松原町のテキヤ・村上正明の両者の配下の対立によるもので、終戦以来約30件の傷害事件が発生、昭和27年11月6日、広島駅前のピストル乱射事件を引き起こして以来、ことに激しくなり、この1ヵ月間に16件の刃物、ピストルなどによる殺傷事件を繰り返している。

事件の主なものは、昭和21年12月、村上組の者が岡組の事務所を襲ってピストルを乱射、昭和22年9月、村上組の一人を岡組の者が刺殺、死体を郊外の麦畑に埋めた。昭和23年1月、岡組の者が刺傷され、昭和24年春、岡組は団体等規正令で解散、一時殺し合いは影をひそめた。しかし昭和27年9月、規正令が失効して両組は公然と復活、同月28日夜、岡組の一人が村上組の者に袋だたきにあい、10月、岡組と自称する男が村上組に刺され、つづいて村上組の頭株の者が岡組に射たれて重傷、その2日後、岡組の部下がリンチを受け、10日には岡組の頭株が射たれ、12日、今度は村上組の者が広島駅前でピストルの襲撃を受けた。11月、岡組事務所に村上組の6人が乱入してピストルを乱射、続いて岡組の頭株の入院先で両組が射ち合いを演じ、12月のクリスマスの夜、広島駅前で両組の射ち合いのため、通行人が流れ弾に当って重傷となった。昭和28年1月、両組の者が街頭で遭遇、オート三輪をはさんでピストルの射ち合いをやった。


広島市は呉、岩国両市の駐留軍基地にはさまれ、約五千といわれる「夜の女」の群が呉、広島、岩国の三市に散在している。凶器は彼女たちを通じて朝鮮帰りの兵士から入手するものとみられ、弾丸20発から50発をつけたピストル一丁が新型で八千円から一万円、レンコン型で四千円から五千円で密かに取引されていると当局はみている。

治安当局が最も警戒し、市民が恐れているのは、流れ弾による第三者の被害で、前記クリスマスの夜の犠牲者は弾を背中に受けて2ヵ月の重傷を負った。広島東署は取締りの重点を凶器の押収においているが、押収したのはピストル二丁程度だった。

暴力の背後に市政ボスの介在が一時ウワサされ、昭和27年末、市内に出来た競輪場の警備や利権をめぐって、両組をあやつる利権屋の暗躍がとりざたされたが、事件の本流はやはり暴徒仲間の勢力争いとみる方が強い。

ただし、両組の一味には、警察の厳戒をくぐって相手に脅威を与えるという意味から、ともかく一発、市内でブッ放せば三千円から五千円の賞金がかけられているものともいわれ、その資金の出所に疑惑がもたれているという。

岡組の頭領・岡敏夫は事件の直接触れることを避けて、部下を身辺におかず、単身自宅の二階に昨冬以来、病気療養中だが、相手方の襲撃に備えて巧みに階段の構造を変えているといわれている。

村上組の頭株の一人、二代目・村上三次こと高木達夫は、山口県下の妻の実家で潜伏中との情報で市警特捜班が逮捕した。

もう一人の頭領・村上正明は、神戸を経て四国に逃走中と伝えられる。昨冬以来、一人の死者、五人の負傷者を出し、殺傷容疑者岡組11人、村上組9人となっている。ピストルや刃物を振りまわす両組の青年は30歳以上が大部分で「デイリで他人の世話にならぬ。どこまでも自分たちの手でケリをつける」と豪語、いわゆる「ヤクザ仲間の顔」が抜き差しならぬ状態に追い詰めたものとみられる。


広島市内には連夜、非常警戒が続き、盛り場もさびれ気味。市民の治安当局に対する非難がようやく高まりつつあるが、市公安委員長角氏は、東京で開かれた全国自公連会議に「直接の容疑がない限り、紛争当事者を取締ることが出来ない法の盲点」を問題として提出、市警は市内三署から刑事90人を動員して特捜本部を東署に設け、徹底的検挙に乗り出した。

また、広島県本部も管内の刑事係長会議を招集して協力策を練り、この種事件としては珍しい応援隊20人を市の要請で派遣している。市民の間には「原爆という人命尊厳に対する最大の侮辱を経験した市民が、人命軽視の感覚に慣れて、この事件発生の際、いち早く治安当局を励ますべき世論を沸かせなかった」という反省の声も聞かれる。さらに外国製武器の取締りは、日本側の単独の力では及ばぬ点があり、駐留軍への呉市警の申入れに対する協力を待つほかない困難さがある。

また、昔流の「親分」による完全な統率と組織が、戦後の暴徒仲間に欠けていることも、事件解決を難しくする一因とみられる。

凶器所持を取締る法令が「体刑三年以下罰金五万円以下」という軽さも、法の不備として批判され、団体等規正令にかわるものがないという法の盲点も、市公安委員会は指摘している。

銃砲刀剣類所持等取締法

両組はもともと兄弟分だったが、終戦後の輸送混乱時代に国鉄当局が広島駅付近の警備を岡組に依頼、村上組は当時猛威をふるった第三国人に利用されて岡組にタテをつき、これが宿縁となったといわれ、この種の「町の顔役」に頼らざるを得なかった終戦直後の政治力のブランクが改めて批判されている。

全国初、暴力団事務所使用差し止め住民代表訴訟和解成立

暴力団の追放を目指す団体が、住民に代わって暴力団事務所の使用差し止めを求めていた裁判で、今後、暴力団が事務所を使用しないことで和解が成立した。広島市中区にあるマンションは、9年前から指定暴力団共政会・有木組が使用するようになったため、地元の町内会が過去2回にわたって使用差し止めを求めていた。しかし、有木組は、そのたびに退去と再使用を繰り返してきた。このため、「暴力追放広島県民会議」は、一昨年導入された、住民に代わって使用差し止めを求めることができる「代理訴訟制度」を利用して、去年2月に全国で初めて提訴していた。その後、有木組が退去したことが確認され、今後、この建物を事務所として使用しないという約束を和解条項に盛り込み、広島地裁で、和解が成立した。広島県民会議は和解について「同じ問題を抱えている地域の先例になってほしい」と話している。(TSS)