資金難の広島の指定暴力団・共政会

11月11日、飲食店経営者から「みかじめ料」を脅し取ったとして、県警捜査4課などは指定暴力団五代目共政会系正木組組長、正木隆裕容疑者(45)=西区中広町2=ら6人を恐喝容疑で逮捕した。逮捕容疑は、同会直系の有木組組長(同容疑で指名手配中)らと共謀し、広島市の飲食店経営者に「みかじめ料払っとるか!」などと脅迫。さらに飲食店が支払いに応じないと従業員を車で追い回すなどし、2013年1月に現金10万円を脅し取ったとされる。容疑者6人は「身に覚えがない」と否認、または黙秘しているという。同課によると、正木容疑者らは1店舗あたり5万円のみかじめ料を要求し、1〜7月までにバールやバットで飲食店事務所や乗用車を襲うなど8件の違法行為をしていたという。(毎日)


広島市内で資金源に窮した暴力団による威嚇や見せしめとみて風俗店関係者などを狙った襲撃事件が相次いでいる。風俗営業をめぐる暴力団への「あいさつ料」の支払いを拒む店が増えており、資金源に窮した暴力団側の苛立ちが見えてくる。

5月に複数の事件が起こった。風俗店の無料案内所の中で消火器を吹き付け営業を妨害して、指定暴力団共政会流川組の組員・槇川伸勝容疑者(31)が逮捕された。東区愛宕町の路上では、覆面姿の男3人組が金属バットや角材で風俗店関係者を殴り、車も壊した。中区国泰寺町で白昼、ビルにある会社事務所に、サングラスにマスク姿の男2人が突然乱入し、無言のままテレビや書棚をバットでたたき割り、待機していた別の男の車で逃げた。わずか1分ほどの犯行だった。また、呉市の建設会社事務所の駐車場では、駐車していた複数の車の窓ガラスが割られ、うち1台の車内から実弾5個と脅迫状とみられる文書が見つかっていた。

風俗業界は暴力団の縄張りとされてきており、案内所1店のあいさつ料の相場は月3万円だが、近年の売上減少に伴い、支払いを断る案内書も増えている。2013年6月に「改正風俗案内所規制条例」が施行。案内書事業者から暴力団関係者の排除を規定した。組員への利益供与などを禁じた2011年4月施行の「県暴力団排除条例」もあり、今後も資金に窮した暴力団員が広島市内で頻繁に事件を起こすことになるだろう。


中国地方に拠点を置く指定暴力団4団体の構成員数(かっこ内は準構成員数)
※警視庁・広島県警調べ

2010年
共政会(本拠;広島市)約280人(約420人)
侠道会(本拠:尾道市)約170人(約160人)
浅野組(本拠:笠岡市)約130人(約130人)
合田一家(本拠:下関市 約160人(約270人)

2012年
共政会(本拠;広島市)約230人(約210人)
侠道会(本拠:尾道市)約140人(約90人)
浅野組(本拠:笠岡市)約110人(約70人)
合田一家(本拠:下関市 約150人(約260人)


【広島県内の戦後の暴力団事件と暴追の歩み】

1946年8月~1959年10月 第一次広島抗争事件 60回にわたり22人が死亡、34人が負傷

1960年4月 浅野組が福山市に進出

1963年4月~1964年10月 第二次広島抗争事件 22回にわたり11人が死亡、14人が負傷

1964年5月 山村組・村上組など広島・山口両県の7団体が結集し「共政会」を結成

1969年10月~1971年9月 第三次広島抗争事件 10回にわたり4人が死亡、18人は負傷

1972年11月 広島県暴力監視追放防犯連合会設立

1978年12月 広島県企業防衛協議会設立

1981年10月 共政会の山田久会長が広島市中区の事務所ビル建設断念を広島東署に表明

1985年1月 中国新聞社報道部長宅にペンキがかけられる

1985年1月 中国新聞社社長宅に散弾銃が撃ち込まれる

1985年11月 共政会組員らが岩本組組長ら2人を射殺

1986年9月 広島県建設業暴力追放対策協議会設立

1987年6月 暴力追放広島県民会議設立

1988年7月 JR広島駅で共政会と新井組が銃撃戦をし、乗客3人が重軽傷

1990年2月 山口組系組長が島上組事務所のあったビルに拳銃発砲

1991年4月 波谷組系組長ら3人が侠道会系組事務所に拳銃発砲

1992年3月 暴対法施行

1999年9月 中国管区内暴力追放推進センター連絡協議会発足

2001年6月 警察・弁護士・暴力追放広島県民会議による民暴研究会発足

2003年7月 公共工事に対する不当介入の通報を義務付ける「広島方式」を広島県と広島県警が運用開始

2003年7月 県の公共工事に絡む恐喝事件で県警が浅野組中岡組の中岡豊組長を逮捕

2004年6月 県と広島、福山、呉市が公営住宅から暴力団を排除するため条例を改正

2004年6月 解体業界をめぐる恐喝事件で県警が共政会の守屋 会長を逮捕

2006年6月 県警と県、県内の各市町が生活保護から組員を排除するシステムを全国で初めて導入

2007年2月 共政会会長による恐喝事件で建設会社元社長があいさつ料(上納金)の返還を求め広島地裁に提訴

2007年4月 広島市が市営住宅に居座る組員に住宅の明け渡しを求め提訴

2009年10月 広島市営住宅の明け渡し請求訴訟で、最高裁が組員側の上告を棄却、立ち退きを命じた一、二審判決が確定

2010年2月 広島県警と広島弁護士会、暴力追放広島県民会議が民暴協定を締結

2010年3月 共政会会長に対する上納金返還請求訴訟で、広島地裁は守屋被告側に全額の支払いを命じる

2011年4月 県暴力団排除条例施行

(中国)
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