広島少年院教官4人を公務員暴行陵虐の疑いで逮捕(2009年)

広島県東広島市の広島少年院(佐藤公昭院長)で、法務教官が収容少年に暴行していた問題で、広島地検は6月9日、特別公務員暴行陵虐容疑で田原克剛容疑者(43)ら教官4人を逮捕した。内部調査で、4人を含む教官数人の暴行が常態化していたことが既に判明。地検は「少年院の秩序を維持するために必要な有形力行使や矯正教育とは言えず、極めて悪質」として、動機や背景の解明を進める。同日、少年院を家宅捜索した。逮捕されたのは田原容疑者のほか松本大輔(29)、野畑勝也(32)、菅原陽(26)の3容疑者。地検によると、4人とも容疑を認めている。田原容疑者は1993年採用で、4人の中では最もベテランだった。4人の逮捕容疑は昨年3月から今年3月にかけ、少年院の寮などで当時16~17歳の収容少年4人に対し、胸ぐらをつかんで殴ったことに反論されて「じゃあ死ね」と馬乗りになって首を絞めたほか、トイレに行かせず失禁させたり、ズボンにシャワーの水を掛けて紙おむつを無理やり着けさせたりした疑い。4月に収容少年の一人が少年院側に申し出て発覚。地検は被害に遭った少年や関係者への事情聴取を進め、法務省広島矯正管区(広島市)が9日に同容疑で告発した。


6月24日 元教官の1審判決を破棄

広島少年院で18人の少年に暴行や陵辱を繰り返したとして、1審で懲役2年6か月の実刑判決を受けた元教官の控訴審判決で、広島高等裁判所は1審判決を破棄し懲役1年10か月を言い渡した。

野畑勝也被告は殴る蹴るの暴行のほか、肝炎感染の危険を示唆しながら針で体を刺したりするなど、18人の少年に24件の暴行や虐待行為をした特別公務員暴行陵虐の罪に問われ、1審で懲役2年6か月の実刑判決を受けた。

広島高裁の竹田隆裁判長は、1審判決後に野畑被告が各被害少年に5万円または10万円の弁償金を支払ったことや、すでに社会的制裁を受けていることなどを考えると1審の懲役2年6か月の量刑を維持するのは酷だとしました。 そのうえで、1審判決を取り消し懲役1年10か月を言い渡した。



事件後、元収容少年たちに話によると、この場所(浴室)をよく口にしたようだ。起訴された43件の事件のうち、31件の暴行現場がここだったと。

この浴室で行われていた事とは、単に殴るだけではなく、他の少年の前で裸にさせられ、大きな洗濯かごに入れられた。「生きとってもしょうがなかろう」と洗剤を飲ませようとしたり、「うそをつくんなら」と舌をハサミで挟んだりである。

事件は昨年4月、1人の収容少年が教官から暴行を受けていたことを、別の教官に訴えたことがきっかけで発覚。法務省の調査で、52人の収容少年に対して115件の暴行や虐待行為が行われたことが判明した。地検は教官4人と、処遇部門トップだった元首席専門官を特別公務員暴行陵虐罪で起訴。懲戒免職となった教官4人は事実関係を認め、1審・地裁で懲役9月~2年6月の判決を受け、いずれも控訴。元首席専門官(起訴休職中)は1審の審理中で、「暴行ではなく、教育だった」として、否認している。
                                     
野畑被告は少年院を「過酷な、閉ざされた世界」と表現した。「指示しても言うことをきかない」「反抗する」。少年たちの統制は容易ではなかったという。「暴行は犯罪だという認識はあったが、なめられたら、言うことを聞かないという思いもあった」と、当時の心情を語る。

「ほかの教官は少年をうまく処遇することができなかった。だから、少年たちを抑えられる野畑被告に頼りきってしまった。彼の暴走を誰も止められない雰囲気になっていた」と、打ち明けた。(2010年3月17日 読売新聞)


広島少年院
広島少年院入口

広島少年院
暴力部屋と化した浴室

広島少年院2

広島少年院1

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