光市母子殺害事件で死刑が確定した元少年を擁護した弁護団の罪

2月20日、山口県光市の母子殺害事件発生から13年経過し、5回の判決を経て、当時18歳1ヵ月だった大月(旧姓福田)孝行被告(30)の死刑が確定した。会見で印象的だったのは、「死刑について考え、悩んだ13年間だった」という言葉だった。事件直後は、家族を守れなかった自分を責め、自殺も考えたという。自殺をすることにより、世論を動かしたい気持ちの表れなのだろう。

本村さんは、広島大学工学部卒業後、新日本製鉄に入社。山口県光市の工場に勤務することになる。事件後、「全国犯罪被害者の会」の幹事として被害者の権利拡充に奔走した。犯罪被害者等基本法の制定、被害者参加制度の導入などを実現した。

この事件で問題視されなければならないのは、人権活動を盾にして、政治運動もどきとも取れる主張をして被害者遺族をもて遊んだ21人の弁護団と広島弁護士会の体たらくさである。

以前、大阪のテレビ番組で現在の橋下徹大阪市長が視聴者に対して「あの弁護団に対して許せないと思うなら一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたい」と発言。その後、8000通もの懲戒請求が来た。これに対して4人の弁護団(全て広島の弁護士)は、業務妨害されたとして橋下氏を訴え、1審広島地裁は名誉毀損と不法行為の成立を認定し、橋下氏に対し、計800万円の賠償を命令。2審広島高裁は1審の判決を支持しながらも、不法行為だけを認定し、賠償額800万円を変更し360万円に減らして請求。後に(2011年7月15日)最高裁で賠償を命じた2審・広島高裁判決を破棄し、原告の請求を棄却、橋下氏の逆転勝訴が確定している。

橋下氏は、「弁護士ってこんなもんなのかな?」「21人の弁護団の中で、あの安田という弁護士は弁護士バッジを取らないといけないはず。光市の最高裁の弁論記述を日弁連の模擬裁判のリハーサルに出席しなかった。FAX1枚を最高裁に流して欠席した。それに関して広島担当の弁護士(広島弁護士会)は懲戒事由に当たらないと、棄却している」。さらに橋下氏は、「死体をよみがえらせるために姦淫したとか、子供に対してあやすために首にちょうちょ結びをやったとかを、堂々と21人の資格を持った大人が主張する、これは弁護士として許されるのか」と言及。

【被告】:大阪弁護士会に所属する弁護士でありタレントとしても活動(現大阪市長)

【原告】:いずれも広島弁護士会に所属する弁護士であり、いわゆる「光市母子殺害事件」の弁護人

本件刑事事件が係争中である平成19年5月27日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」と題する娯楽性の高いテレビトーク番組での発言が発端だった。

本番組が放送された日から平成20年1月21日までの間(約8ヵ月弱)に、広島弁護士会(弁護人4人分)に2501件の懲戒請求がされた。

広島弁護士会は懲戒請求があったことから、綱紀委員会に事案の調査をさせたが、懲戒委員会に事案の審査を求めないとする決議をし、原告である4人の弁護士を懲戒しない決定をした。

橋下氏の発言:「明らかに今回は、あの21人というか、あの安田っていう弁護士が中心となってそういう主張を組み立てたとしか考えられない」

判決文:本件発言は真実と認めることができる。

橋下氏の発言:「死体をよみがえらせるためにその姦淫したとかね、それから赤ちゃん、子ともに対してはあやすために首にちょうちょ結びをやったということを堂々と21人のその資格を持った大人が主張すること、これはねぇ、弁護士として許していいのか?」「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」「懲戒請求を1万2万とか10万とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分ださないわけにはいかないですよ」

判決文:意見論評の域を逸脱するものではなく、原告ら(弁護団)に対する名誉毀損を構成するものではないが、本件呼びかけ行為は、弁護士懲戒制度の趣旨目的を逸脱し、多数の者による理由のない懲戒請求を集中させることにより、弁護団の弁護方針対する批判的風潮を助長するもので、原告らに不当な心身の負担を伴う反論準備等の対応を余儀なくさせたため、名誉毀損とは別個の不法行為を構成すると判断したが、本件刑事事件の経過や本件否認の主張の内容を踏まえ、本件否認の主張をすることは、弁護士としての職責に反する旨を詳細に主張していることは記録上明らかである。本件発言が、この主張に沿ったものであることからすると、被告としては、原告らの本件弁護活動が本件被告人に不利益な弁護活動として懲戒事由に該当すると考えていたとみるのが相当であって、原告らに対する懲戒請求に理由がないことを知りながら本件呼び掛け行為をしたとの原審の事実認定は経験則に反する。

判決文:被告が弁護士であることを考慮すると、その本質を十分に説明をしないまま、多数の視聴者が懲戒請求をすれば懲戒の目的が達せられる旨の発言をしたことは慎重な配慮を欠いた軽率な行為である。原告らにそれぞれ600件を超える多数の懲戒請求がされたことは、懲戒請求に対する反論準備等の負担を強いられるなどして精神的苦痛を受けたことは否定することはできない。しかしながら、本件呼びかけ行為は、懲戒請求そのものではなく、視聴者による懲戒請求を勧奨するものであって、娯楽性の高いテレビトーク番組における出演者同士のやり取りの中でされた表現行為の一環といえる。報道されている本件弁護活動の内容は問題であるという自己の考えや懲戒請求は広く何人にも認められる。本件番組の視聴者においても同様に本件弁護活動が許せないと思うのであれば、懲戒請求をしてもらいたいとして、視聴者自身の判断に元づく行動を促すものである。その態様も、視聴者の主体的な判断を妨げて懲戒請求をさせ、強引に懲戒処分を勝ち取るという運動を唱導するようなものとはいえない。原告らは本件刑事事件の弁護活動が、重要性を有することからすると、社会的な注目を浴び、その当否につき国民に様々な批判を受けることはやむを得ないものといえる。原告らについてそれぞれ600件を超える多数の懲戒請求がされたについては、多くの視聴者等が被告の発言に共感したといえる。

判決文:本件懲戒請求は、本件書式にあらかじめ記載されたほぼ同一の事実を懲戒事由とするもので、広島弁護士会綱紀委員会による事案の調査も一括して行われたというのであって、原告らも、これに一括して反論をすることが可能であったことや、本件懲戒請求については、広島弁護士会懲戒委員会における事案の審査は行われなかったことからすると、本件懲戒請求がされたことにより、原告らに反論準備等のために一定の負担が生じたことは否定することができないとしても、その弁護士業務に多大な支障が生じたとまでいうことはできない。

判決文:本件呼び掛け行為は、弁護士としての品位を失うべき非行に当たるとして、弁護士会における自律的処理の対象として検討されるのは格別、その態様、発言の趣旨、原告らの被った精神的苦痛が社会通念上受忍すべき限度を超えるとまではいい難く、これを不法行為法上、違法なものであるということはできない。

【本件判決の裁判官の補足意見ポイント】

・呼び掛け行為は表現の自由の範ちゅうであり、意見論評の自由の範囲内でもあり、懲戒請求そのものではない
・あくまで視聴者自身の判断に基づく行動を促すもの
・懲戒請求が広く何人にも認められるとされることを踏まえた発言
・多くの視聴者が被告の発言に共感した
・弁護士懲戒制度が地方自治制度として機能するためには、甘受することがやむを得ない
・個々の刑事事件についての弁護活動の当否に関しては、いかなる人がいかように批判しようとも自由である
・呼び掛けによって批判的風潮が助長されたとしても、弁護人としては耐えなければならない面もある
・弁護活動は本来批判にさらされることは避けられないもの
・本件は弁護士同士の論争としての性格も否めず、弁護士会の自治、自律の下での内部処理に委ねる側面もある
・本件呼び掛け行為の意味については、本件弁護活動について、被告人の母胎回帰等という弁解は、最高裁が退けたはずの殺意の否認に当たり、内容としても不自然なもので、情状に関する事実でもないのに、これをそのまま安易に弁解として採用して主張を組み立てるものであって、弁護士としての職責・使命に反する行為であり、懲戒事由に該当すると考える。


【元少年が知人に出した手紙の一部 】
無期はほぼキマリ、7年そこそこに地上に芽を出す。
犬がかわいい犬と出合った。そのまま「やっちゃった」罪でしょうか。
もう勝った。終始笑うは悪なのが今の世だ。私は環境のせいにして逃げるのだよ、アケチ君。
オレ自身、刑務所のげんじょーにきょうみあるし、速く出たくもない。キタナイ外へ出る時は、完全究極体で出たい。じゃないと二度目のぎせい者が出るかも。
(妻子を殺され陵辱され、死刑求める夫に対して)、ま、しゃーないですね今更。ありゃー調子付いてると僕もね、思うとりました。

【元少年の質問回答 】
赤ちゃんの遺体を押し入れの天袋に隠したのは、ドラえもんが何とかしてくれると思った。
赤ちゃんをあやそうと抱いたら、手が滑って頭から落ちた。
死んだあとで服を脱がしたのは、女性だったら恥ずかしくて反応するかと思って。
精子を女性の体内に入れたら、生き返ると本で読んだ。

【安田弁護士(死刑廃止派)らの意見、弁護団は21人で構成 】
遺体を強姦したのは、生き返らせるための魔術的儀式 。
強姦目的じゃなく、優しくしてもらいたいという甘えの気持ちで抱きついた。
(夕夏ちゃんを殺そうとしたのではなく)泣き止ますために首に蝶々結びしただけ。

【21人の弁護団】
安田好弘:第二東京港合同法律事務所
足立修一:(広島) 足立修一法律事務所
今枝仁:(広島 今枝仁法律事務所
新川登茂宣:(広島)新川法律事務所
本田兆司:(広島)桂・本田法律事務所
山田延廣:(広島)法律事務所八丁堀法律センター
田上剛:(広島)たのうえ法律事務所
井上明彦:(広島 )広島法律事務所
河井匡秀:(東京)河井匡秀法律事務所
湯山孝弘:(第一東京) 湯山法律事務所
新谷桂:(第二東京)リベルテ法律事務所
松井武:(第二東京) 港合同法律事務所
岩井信:(第二東京) 優理総合法律事務所
村上満宏:(愛知県)名古屋法律事務所
大濠総合法律事務所天神オフィス
大河内秀明:(横浜)横浜シルク法律事務所
小林修:(愛知県)小林修法律事務所
北潟谷仁:(札幌) 北潟谷法律事務所(北潟谷綜の父親)
舟木友比古:(仙台) 舟木法律事務所
中道武美:(大阪) 中道法律事務所
岡田基志:(福岡県) 岡田基志法律事務所

安田弁護士

今枝弁護士

光市母子殺害事件犯人弁護団


関連記事

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL