【広島中央署盗難事件】管理・捜査に関わった署員ら退職相次ぐ

広島中央署の会計課の金庫から8572万円が盗まれた事件は11月8日で発覚から1年半になるが、捜査は難航し、ずさんな証拠品管理の実態が次々と明らかになる中、内部処分もしていない。一方で、管理に関わった署員らの退職が相次いでいるという。

盗難が発覚したのが17年5月8日、箱に入った現金が最期に確認されたのが17年3月15日。その後、捜査担当課の課長が3月21日の異動に伴い、後任に引き継いだが、箱の中を十分に確認せずに引き継ぎを終えていた。

今春の定期異動では、署長と会計課長は留任した一方で、現金押収時の捜査担当課の課長は定年で退職。

証拠品管理に携わった署員の1人もその後、退職した。

当時の県警本部長は18年1月、ドップとしての責任に言及しないまま離任した。

ある県警関係者は「盗難を招いた責任があるのは明らか。関係者を先に処分した上で、捜査を継続すべきではないか」と話す。

退職すると、処分はできなくなるが、県警監察官室は「まだ盗まれた原因が分からない。捜査は続いており、責任の所在が明らかになっていない段階では処分できない」とする。

このまま捜査難航が続けば、証拠品管理に携わった警察官が処分を受けないまま退職していく事態が続く恐れをはらんでいる。

税金投入に反対の声

広島県警が容疑者を特定し、現金を取り戻さない限り、補填という課題は解消されない。広域詐欺事件で公判中の被告の男の判決が出るまでに回収できなければ、いったん県費で補うことが想定されるが、県費で穴埋めすることには県民の間で反対や不安の声が多い。県警は税金を使わない方法を検討しているとみられるという。

8572万円は、広域詐欺事件で被告の男の関係先から17年2月に押収された。この金の扱いは2つのパターンが想定される。

一つは、裁判所が犯罪被害財産と認め、追徴などを命じるケース。この場合、8572万円を含む現金は被害回復給付金支給制度に基づき、詐欺事件の被害者への返還に充てられる。

もう一つは裁判所が犯罪被害財産と認めないケースで、県警は被告側に金を返還する流れとなる。

裁判の判決時期の見通しは立っていないが、いずれのケースでも判決までに現金が回収できていなければ穴埋めせざるを得ない。その場合、いったんは県費を充てることになるとみられる。

ただ、税金である県費で補填すれば県民の反発が予想される。県警は県民感情を踏まえ、税金を使わない方法を検討しているとみられる。

17年5月に8572万円の盗難が発覚して以来、県警は捜査員延べ約3万6千人を投入。内部の犯行とみて、中央署の会計課の職員や詐欺事件の捜査担当課の警察官、OBたち約600人から事情を聞いた。

金融機関の口座の出入金などを調べるための照会は約5万8千件に上ったという。

しかし、現時点で関与を裏付ける有力な証拠は得られておらず、容疑者の特定には至っていない。(中国)

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