「ため池」決壊の恐れ相次ぐ 広島県内で2万カ所、全国2位

広島県内では、福山市と東広島市でため池が決壊する恐れがあるなどとして、周辺の住民に相次いで避難指示が出された。広島県は「ため池が近くにある地域では、水路の水が急に濁るなど異常を感じた場合は、自治体などに連絡してすぐに避難してほしい」と呼びかけている。

このうち福山市瀬戸町にある「小池」というため池で、通常の放流量を上回る水が流入し、あふれ出る恐れが出たため午前8時41分に周辺の25世帯、63人に避難指示が出された。

福山市神辺町東中条では「佐光大池」というため池の一部が崩れ、決壊するおそれがあるとして、午後3時41分付近の30世帯90人に避難指示が出された。いずれもため池の排水作業が進められている。

また、福山市の神辺町西中条では、ため池が決壊したという情報があり、一時避難指示が出された。市の職員が確認した結果、この地域に4カ所あるため池のうち、3カ所が決壊して、水が流れ出ていたが、周辺への被害は無く午前11時46分に避難指示は解除された。

一方、東広島市の河内町中河内でも、「正反田池」というため池が決壊する恐れがあるとして、一時周辺の住民に避難指示が出されたが、安全が確認されたことから午後5時35に解除された。

東広島市八本松町正力でも11日午後2時すぎ、ため池から水があふれているという情報があり、周辺に避難指示が出され、市などが詳しい状況を確認している。

広島県によると、県内にはため池がおよそ2万か所あり、兵庫県に次いで全国で2番目に多いという。県は、今回の豪雨のあと、流域に50戸以上の建物があり、決壊した場合に大きな被害が出る恐れのある503カ所の「防災重点ため池」について点検を進めてきたが、今後は対象を広げて警戒を強めることにしている。

県は「ため池が近くにある地域では、水路の水が急に濁るなど異常を感じた場合は、自治体などに連絡するとともにすぐに避難してほしい」と呼びかけている。


専門家「雨が降っていなくても注意必要」

ため池は雨が降っていなくても山からは水が流れ出し続けていて、専門家は決壊や土砂災害に引き続き十分な注意が必要だとしている。

河川工学が専門で九州大学大学院の島谷幸宏教授によると、豪雨となった地域では土の中に大量の水がしみ込んでいて、雨がやんでからもしばらくの間は水が流れ出すことから、ため池の水位の上昇や地盤が緩んだ状態が続くという。

ため池の水位が高い状態が長期間続くと堤防に水がしみ込んで決壊し、大量の水が流木や土砂を巻き込みながら一気にふもとに押し寄せる恐れがあると指摘している。

西日本の瀬戸内海に面した地域には多くの農業用ため池があるが、維持管理が不十分なものもあり、こうしたため池ではさらに危険性が高まるという。

また、ため池以外でも、山の斜面の地盤は緩んだ状態が続いているため、地震や少しの雨で土砂災害が発生する恐れもあるとしている。

島谷教授は「大雨のあとは山や川、ため池がふだんより危険な状態となっているため、しばらくの間は油断せず、迅速に避難できるようにしておいてほしい」と話していた。(NHK広島)

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