受刑者を指導する委員だった平尾龍磨容疑者

平尾龍磨容疑者は、松山刑務所大井造船作業場での信頼が厚く、受刑者を指導する委員を務めていた。「作業場で頑張って、早く出所したい」と面談で語っていたが、脱走前には刑務官に叱責され、落ち込んだ姿を見せていた。

松山刑務所によると、2015年6月に同刑務所に収容後、精神状態が安定しているといった基準を満たし昨年12月、開放的施設の作業場へ入った。作業手順が評価され、刑務官の注意事項を伝えるなどする安全対策の委員になった。「模範囚の中でもさらに模範的だった」(刑務所の関係者)

今年3月には親族に電話し、近況を伝えていた。

開放的矯正施設は全国に4カ所あり、大井造船作業場には独自の自治制度があり、毎日ミーティングが開かれ、委員らは指導役として期待が大きい。

だが3月、平尾容疑者はヘルメットをかぶり、ふざけたことを刑務官にとがめられた。脱走3日前の4月5日には、物のやりとりが禁止されているのに、出所者の座布団を持っていたため叱られた。

その後、考え事をしながら落ち込む様子が確認されている。

刑務所の関係者は「委員なのに情けないという思いや、信頼がなくなる不安もあったのかもしれない。自治制度は受刑者に上下関係を与えることになり、それがストレスになった可能性もある」と話す。


危機管理 課題浮き彫りに

松山刑務所大井造船作業場は、内側から窓や玄関を扉の鍵を開けることができる。1961年の開設以降、今回を含め17件20人の逃走事案が発生。捜査関係者は「模範囚でも受刑者に変わりはない。逃走のたび、住民に不安な思いをさせている。開放的施設の必要性が分からない」と疑問を投げかける。

作業場では緊急事態が発生した場合、110番後、速やかに近隣住民に注意喚起を促す放送を流すことになっている。だが今回の放送は、「受刑者がいなくなった」との110番から約1時間40分後と遅れた。報道機関への発表は約5時間後だった。(中国)


関連記事

スポンサーリンク

コメント 0件

コメントはまだありません

コメントをどうぞ