「三江線」乗客増の努力実らずついに廃止

3月31日(土)をもって、広島県三次市と島根県江津市を結ぶJR三江線が運行を終了した。中国地方最大の川である江の川(ごうのかわ)沿いを走り、片道の運行距離は108.1キロメートルに及ぶ。廃線の原因は、沿線の人口減少や車での利用が増加し、利用者数が年々低迷したためだ。実に開業から88年で幕を閉じることになった。



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三江線は昭和5(1930)年に島根県の一部区間で開業し、50年に全線が開通した。中山間地域の生活路線として利用されていた。1キロ当たりの1日平均乗客数を示す「輸送密度」は、国鉄の分割民営化により、JR西日本に移行した初年度の62年度で458人。平成26年度には50人にまで落ち込み、28年9月にJR西日本が廃線を表明した。




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「さよなら三江線 振り返る88年」(中国新聞)によると、利用者低迷がこのまま続くと、廃止されてしまうという危機感から、乗降客を呼び込むためのイベントを企画したという。


2010年、沿線6市町や自治組織が「三江線活性化協議会」を設立して、車内で神楽を楽しむ特別列車の運行や、フォトコンテストの開催など、観光客の呼び込みを図った。構成団体の一つ、三次市作木町の町自治連合会は12年、組織内に利用促進委員会を設け、住民にも乗車を呼び掛けた。しかし、高齢者にとって、自宅から駅まで歩くのは難しく、乗車までが一苦労という状況。継続的な利用増には結びつかなかった。



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2012年、島根県美郷町で県内6市町の議員が三江線の利用促進を訴える議員連盟を発足。そのとき、列車内には若者がいなかったという。そのため、若者を巻き込む仕掛けとして、コスプレ(仮装)列車を発案。SNSなどを使って発信した。車両を貸し切りにして、三次(広島県三次市)-浜原(島根県美郷町)間を往復するコスプレ列車は、13年3月から16年6月にかけて計4回運行。いずれも20人前後の参加があり、好評だったという。



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手を替え品を替え、利用を呼び掛けたが、イベントは打ち上げ花火で続かなかった。車社会のまっただ中で、三江線を使わなくなるのは必然だったという。


結局、廃止の日が決まり、テレビなどで報道され始めると、徐々に乗客や見物客が増えていった。皮肉にも、「廃止」することで、大勢の乗客を呼び込むことが出来たのだ。しかし、その傍らで、狭い道を数台の車で列車を追いかけるという危険な行為も目にした。


三江線はこれで終わったが、“廃止の騒動”を振り返ってみると、町や村にはやっと落ち着いた静けさが戻ったといえる。



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