「不良な子孫の出生を防止」旧優生保護法不妊手術 広島県31人記録保存

かつての優生保護法のもとで、知的障害や精神疾患を理由に、強制的に不妊手術が行われていた問題で、手術を受けさせられた人たちが、国に損害賠償を求める動きが広がっている。広島県には、少なくとも31人の個人名が記載された記録が残されていることが分かったという。中には、当時13歳の少女の手術を、医師が申請した記録もあった。

旧優生保護法に基づいて、医師が作成した、不妊手術の申請書は、1962年から翌年の初めにかけて、県が設置した審査会に提出された文書で、県立文書館に保存されている。申請をすれば、対象者の名前や住所が伏せられた状態で、閲覧することができる。

当時の医師は、不妊手術を申請する理由を次のように記していた。「妊娠させられる事も予想し得る状態」「痴漢の性欲の対象となる可能性が大」。保存されていたのは、13歳から38歳までの男女21人の個人記録。当時13歳の少女については、医師が父親の同意のもと、不妊手術を申請していた。また、医師からの申請を受けた県優生保護審査会が、審議を経て作成した通知書には、「適」と記されている。

さらに、この資料とは別に、県には10人の文書が保存されていることが分かった。旧・優生保護法は1948年から96年まで施行され、遺伝性の疾患や精神疾患がある人に対して、医師の診断と都道府県の認定のもと、本人の同意なしに不妊手術を行えると規定されていた。

法律ではその目的を、「不良な子孫の出生を防止する」としていた。「障害者に対する差別とかなくなれば、よい世の中に、社会が少しは変わるのではないかと思って立ち上がった」(原告の関係者)

宮城県内に住む60代の女性は、幼いときから知的障害があり、15歳のときに本人の同意なしに不妊手術を受けた。女性は、「不妊手術を強制されたのは憲法違反だ」として、1月、全国で初めて国に損害賠償を求める訴えを起こした。日本弁護士連合会によると、当時、法律に基づいて強制的に不妊手術を受けさせられた人は、全国でおよそ1万6500人にのぼるという。(RCC)

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