トランプ米政権がロシア核戦力に対抗して小型核爆弾を導入 日本政府も高評価

2月2日、トランプ米政権が発表した新たな核政策指針「核戦略体制の見直し」(NPR)が、オバマ前政権の理想主義的な核軍縮方針から決別し、「安全で確実、効果的な核抑止力」を確保する立場を明確にした。オバマ時代に「ライバル強国」のロシアや中国が核戦力を充実させるなど、米国が多様な核の脅威にさらされているからだという。

米国が最も警戒を強めるのがロシア。新指針はロシアについて「米国と北大西洋条約機構(NATO)を自国の地政学的な野心に対する第一の脅威とみなしている」と指摘。また、国防情報局(DIA)の分析として「ロシアは短距離弾道ミサイルや、中距離爆撃機で運搬可能な重力爆弾、水中爆雷に搭載された非戦略核約2千発を保有している」とした。

新指針が新たな措置として、爆発力を低下させた小型核を潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に導入すると提言したのも、戦術核の先制使用をちらつかせて周辺諸国を威嚇するロシアに対し、戦術核による報復攻撃も辞さない姿勢を示すのが狙いだ。

新指針はさらに、ロシアが「自律制御式原子力核魚雷」を開発中であることを米政府として初めて確認。同魚雷は通称「ステータス6」と呼ばれ、水中を何千キロも航行し、米沿岸の軍事基地や都市を攻撃。米国の弾道ミサイル防衛(BMD)システムに危機感を抱いたロシアが対抗措置として開発に着手したとされる。

一方、新指針は北朝鮮に関し、「あと数カ月で米国を核弾頭搭載の弾道ミサイルで攻撃できるようになる」と分析した。「北朝鮮が米国および同盟諸国を核攻撃すれば、金正恩体制は終わる」と警告。北朝鮮が地下に構築した核施設や軍事施設を核と通常兵器で破壊する能力を確保するとともに、北朝鮮が発射したミサイルを迎撃するか、発射基地を破壊して北朝鮮の攻撃能力を減衰または喪失させると強調した。

南シナ海などで膨張政策をとる中国に対しては、通常・核戦力の双方で常に優位を保ち、中国の「核使用は多大な損害を伴うため割に合わない」との現実をアジア太平洋地域で恒常的に軍事演習を実施することなどを通じて示すとした。(産経)


日本、米の核新戦略を歓迎 「抑止力確保が明確」と評価

2月3日、政府はトランプ米政権が「核なき世界」を掲げたオバマ前政権の方針を転換する「核戦略見直し」(NPR)を公表したことを「高く評価する」と歓迎する河野太郎外相談話を発表した。日本が唯一の被爆国として核廃絶を唱える一方で、米国の「核の傘」に依存している実態を浮き彫りにした格好となった。

政府は談話のなかで、北朝鮮による核ミサイル開発に触れ、「安全保障環境が急速に悪化している」と指摘。新戦略について「米国による抑止力の実効性の確保と我が国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にしている」と評価した。

さらに米国が新戦略で「核・生物・化学兵器の究極的廃絶に向けた自らの取り組みに継続的にコミットする」と言及したことと「核兵器不拡散条約(NPT)体制の強化と核兵器の更なる削減を可能とする安全保障環境を追求する」と表明した点に注目。日本政府として、「現実的かつ具体的な核軍縮の推進に向け、米国と緊密に協力していく」との考えを改めて示した。(朝日)
関連記事

スポンサーリンク

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL