安芸太田町観光協会が内部の混乱で職員退職相次ぎ解散へ

国の特別名勝・三段峡がある広島県安芸太田町で観光振興を担う一般社団法人、町観光協会が、理事会で組織の解散を決議したという。職員の退職が相次ぐなど事業運営が厳しいとして1月10日、町に解散方針を報告し、今後の対応策への協力を求めた。協会は、全国公募した人材で観光事業のてこ入れを図り、先進例としても知られる。社員総会で解散を正式決定する考えだが、内部からは異論の声も上がるという。

協会には現在、常勤5人とパート2人の計7人が勤務しているが、常勤2人が3月末に退職する意向。さらに、常勤である町の地域おこし協力隊員2人も今春に任期を終える予定で、常勤5人のうち4人が退職する見通しとなっている。1月6日の理事会には理事14人のうち9人が出席。協会を解散し、町主導で対応策を協議する案を賛成多数で可決した。一部の理事からは「合理的か疑問」との声もあったという。

協会は2011年に事務局長を全国公募し、大手旅行会社の勤務経験のある男性を採用。町特産の祇園坊柿を使った土産品開発や販路拡大で成果を上げ、2、3人だった常勤職員も6、7人に増やした。一方で、この男性は16年3月に任期満了で退任。再び全国公募で採用された元投資コンサルタント会社執行役員の50代男性が後を継いでいた。

相次ぐ職員退職の動きに関係者からは「業務が広がった影響で無理が出ていたのでは」「前任の事務局長とやり方が変わった影響がある」との声が出ている。1月10日は、協会の末田健治理事長が小坂真治町長に経緯を報告した。末田理事長は「混乱させた責任はある。今後の見通しがつき次第辞任する」と語った。

日本観光振興協会によると、市町村合併や観光振興の官民組織「DMO」立ち上げなどに伴う協会解散はあるが、「明確な受け皿がない中での解散方針は珍しい」という。小坂町長は「観光政策に空白を生じさせてはならない。対応を協議したい」と述べた。


内部が混乱していた

「内部が混乱しているとは聞いていたが、解散の方針が決まったことは全く知らなかった。なぜなのか説明してほしい」。町特産の祇園坊柿を使った菓子「チョコちゃん」の販路拡大で協会の支援を受けてきた地元農家グループ「寺領味野里」の河本穂津雄代表(65)は驚く。「ブランド化を進めてもらい地域に活気が生まれた。対外的な影響もあるので、混乱が長引かないでほしい」と求める。協会の会員である町内の高齢男性は「町のみんなで観光に力を入れている中で残念だ。なぜ解散方針を決めたのか」と疑問視する。

協会は月内に、理事会の経緯や今後の方向性を説明する文書を会員に送るという。末田健治理事長は「再出発を図るための解散。新たな組織を再構築したい」と話す。

協会は、町主導で組織の在り方を再検討してもらいたい考えで、1月10日に町に協力を要請した。町は、産業振興や特産品のブランド化に取り組む「地域商社」の設立構想を進めており、協会の一部業務を引き継ぐことも含めて検討するという。(中国)


外部人材登用 不協和音 連携乏しく

西中国山地の豊かな自然に恵まれた広島県安芸太田町で、観光振興を担ってきた町環境協会が解散を決めた。公募で事務局長を採用し、てこ入れを図ってきたが、今春に常勤職員の大半が退職する見込みで、組織運営が行き詰まったとしている。一時は、過疎地のまち起こしの成功例とされた協会が解散する要因は何なのか。

2月19日夜、同町であった臨時社員総会。提案された解散の特別決議案に対し、質問は相次いだが、議論が紛糾することはなく、賛成多数であっさり決議された。解散する理由について、総会を終えた末田健治理事長は「はっきり言えば事務局長。今日の場では言いにくかったが」と語った。

「よそ者」の視点

協会運営の要である事務局長を全国に公募したのは2010年度。「よそ者」の視点で活性化を図ろうと町が主導し、大手旅行会社の勤務経験のある38歳の男性を採用した。男性は町特産・祇園坊柿を使った土産品の販路拡大や、田舎体験を売り物にした「民泊」の受け入れを勧めた。業務の拡大に伴い、2、3人だった常勤職員は6、7人に増やした。

転機は、初代の公募事務局長が任期満了で退任した16年3月。この時は協会が主導して再び公募し、面接や販売実技などをして元投資コンサルタント会社執行役員の55歳の男性を採用。新体制に移った。

その後、不協和音が生まれ始める。

「事務局長が方針を示すことはほとんどなかった。職員との情報共有も乏しく、何を考え、何をしているのか分からなかった」「職員間での意思統一を欠き、町との連携もなかった」。

複数の協会関係者が不満を漏らす。

こうした見方に対し、事務局長は国の特別名勝・三段峡を徹底的に生かそうという方針を示したと反論。「私なりにやったが受け入れられなかった。もっと強い意志を示し、部下に手取り足取りする時間がもっと必要だった」と省みる。

ある理事は「協会を法人化して補助金に頼らない組織に向けて取り組んでいた。知らない土地で戸惑いもあっただろうが、町にはない観点を持っていた」と話す。

結果として、17年末に常勤職員の1人が退職。さらに2人が3月末に退職予定で、町から派遣されている地域おこし協力隊員の2人も今春に任期が切れる。

常勤職員は事務局長だけになる見込みで、業務が継続できない事態が迫っていた。

軌道修正できず

町の補助金を主な収入源とする協会の混乱が続く中、町は17年10月以降、協会に報告を求めた。事務局長は翌11月、①職員との会議の実効性向上②町と緊密な情報共有③理事会のチェック強化―の改善案をまとめ、文書で提出した。

しかし町は「事務局体制の課題の原因究明や対策について回答がない」などと返答。やりとりはかみ合わず、時間だけが経過した。

「軌道修正できず責任は痛感している」と協会の末田理事長。ある理事は「事務局長1人に任せすぎていたのかも」、別の理事は「協会に影響力がある町にも責任がある」と話す。(中国)





違和感のある「安芸太田町観光協会 事務局長(常務理事)募集のご案内」

事務局長の仕事

町行政や商工会などの民間団体と緊密に連携し、地域産業やコミュニティーの活性化に向けた、観光振興及び経済産業活性化リーダーとして、当会のトータルマネジメントを託します。

募集要綱

平成28年度の募集は終了致しました。

任用期間等

(1)採用日 試験の合格者は、平成28年2月1日に要着任

(2)任用期間
①任期は3年とし、契約更改による任期延長が可能(常務理事は2年毎に改選あり。)
②任用開始から2か月間は試用期間とし、面接時の説明や職務経歴書上の経験内容が実態と明らかに異なる場合は、解職の場合あり。解職に伴い発生する費用は全て個人負担とする。

http://www.akioota-navi.jp/html/kankou_other_recruit2016.html

※赤字の部分について、普通、募集要項にこんな書き方はしない。例えばダメな会社に限って「素直でまじめで明るい人を希望」とか「嘘をつかない人を希望」とか書く。明らかに会社側に問題があるから従業員が態度を硬化させて辞めていく。これはダメな零細企業の典型的な募集要項だ。


【登場人物】

吉田秀政:前安芸太田町観光協会事務局長
出身地:秋田県
前職:旅行会社

河内佑真:前安芸太田町地域おこし協力隊で祇園坊柿ブランド向上に尽力
出身地:山口県
前職:地方銀行員

末田健治:安芸太田町議員、協会理事長
昭和24年生まれ
学校卒業後、広島市内の林業系コンサルタント会社に就職した後、旧加計町役場に昭和47年に入庁。
安芸太田町産業建設常任委員

上野宣浩:事務局長
出身地:山形県
1997年大和証券人事課長 国立支店支店長
2004年日興コーディアル証券株式センター部長
2006海外事業部部長
2008上海日本商工会事務局長補佐 上海投資コンサルタント会社執行役員
28年度より安芸太田町観光協会専務理事兼事務局長を務める。

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