加計学園が第二の森友学園になるのか?加計一族とは?

今治市の土地16.8ヘクタール(36億円相当)を無償で買い取ることが出来た「加計学園」(岡山市)が、第二の森友学園問題ではないかと言われている。理由は、「加計学園」の加計孝太郎理事長・総長(広島出身)が、安倍首相の米国留学時代からの親友で、頻繁に食事やゴルフを楽しむ仲。そのため、土地取得に政治的な力が働いたのではないかという。

2011年11月19日には、加計学園創立50周年記念式典では理事長の友人である安倍晋三首相(当時は民主党政権)が元首相の名前で来賓のあいさつを行っている。2014年には、加計学園が運営する千葉科学大の10周年式典に安倍首相が来賓として出席。「どんな時も心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友だ」と祝辞を送った。これは森友学園とは比較にならないほどの親密さだ。そこで、加計学園と加計一族について少し書いてみたい。


今治市新都市(いこいの丘) 岡山理科大今治キャンパス建設予定地

今治市 加計学園2

今治市 加計学園 岡山理科大学




広島の加計一族とは

中国地方で“加計”という名前を聞けば、広島県の安芸太田町の“加計”を連想するが、一族の出自が広島県の加計町であることから「加計」の苗字を持つという。確かに加計家の祖先は、江戸時代に加計町で「加計隅屋鉄山」を経営していたと言われている。

最近では、その根拠として、加計高等学校のホームページで、加計学園と加計高等学校が包括連携協定を結んだと紹介されている。その中の紹介文では、「巨大な加計学園と小規模の加計高等学校が協定を結ぶ御縁」と題して、「岡山理科大学等を運営する『加計学園』創立者の祖先が旧加計町(現在の安芸太田町)の出身という縁で、町唯一の高等学校である『加計高等学校』と包括提携を結ぶことができました」としている。

さらに、「大きな魅力が2点ある」として、「加計高校からの入学者には、大変大きな『奨学金制度』があり、岡山理科大学の日本最先端の『好適環境水』を使った『トロサーモン』の養殖の事業化が安芸太田町で推進されている」としている。

余談だが、聞くところによると、加計一族は加計の大地主だという。その一族の名前は県内の他の市町村でも目にすることができる。例えば昭和33年前後に加計町長を務めた加計朋吉氏や、平成17年以降、北広島町議を務めた加計雅章氏がいるが、祖先との関係についてはっきりとしたことは分からない。

また、加計学園のホームページを見ると、加計孝太郎理事長・総長の他に、加計役副理事長、加計正弘理事がいる。血縁関係だろうか。疑問に思ったのだが、理事長・総長として「加計孝太郎」と「加計晃太郎」という2つの名前がある。この意味するところは何なんだろうか。



加計孝太郎理事長・総長

加計晃太郎理事長・総長



加計学園とは

加計孝太郎氏は広島県出身。現在は加計学園や広島英数学館、並木学院高校、岡山理科大学など、多くの学校法人を経営しているが、加計学園グループの創始者は父の加計勉氏となっている。

加計勉氏は大正12年3月27日(1923年)、広島県豊田郡三津町(現在の東広島市安芸津町)に生まれ、昭和30年4月13日に「広島英数学館」を設立したのが発祥だ。その後、昭和36年9月20日学校法人加計学園を設立、昭和39年4月 岡山理科大学開学、以降、学校経営規模を拡大している。

加計氏の開校の精神は、当時の広島は原爆の惨禍から立ち上がろうとした時代。廃墟と化した日本が、世界へ大きく羽ばたいていくためには若者の教育が何よりも急務であると広島個人立の大学予備校「広島英数学館」を設立、私学教育への第一歩を踏み出した。平成23年度の決算では、総資産825億円という規模だ。


広島県と今治市が国家戦略特区となった経緯

獣医師養成系大学については、現在、全国16大学930人の定員となっており、そのうち、西日本には国公立大学165人(17.7%)しか定員がない。さらに四国には1つも獣医学部がないという現状があった。また、四国各県において、食の安全確保や家畜伝染病の防疫対策を行う上で重要な役割を担うものとされ、立地的偏在や数量的格差が四国地域での獣医師不足の大きな要因となっている。そのような背景の中、2016年1月、安倍政権は広島県と一体で今治市を国家戦略特区に指定。さらに、同年11月の国家戦略特区諮問会議で、安倍首相が「広域的に獣医師を養成する大学の存在しない地域に限り、獣医学部の設置を可能とするための関係制度の改正を直ちに行う」とした。



広島県及び愛媛県今治市「国家戦略特区」目標
「しまなみ海道(西瀬戸自動車道)」で繋がる広島県と今治市において、多様な外国人材を積極的に受け入れるとともに、産・学・官の保有するビッグデータを最大限に活用し、観光・教育・創業などの多くの分野におけるイノベーションを創出する。




広島県 しまなみ 今治市



公募は適性だったのか

2017年1月、内閣府と文科省が獣医学部を新設する認可申請を受ける特例措置を告示、手を挙げたのは加計学園だけだったという。国は事業者を公募した、と説明しているが、すべての条件をクリアできる学校法人は事実上、以前から今治進出に積極姿勢だった「加計学園」しかなかったという。事業者の公募は、2017年1月4日に告示され、締め切りは2017年1月11日だった。他の学校法人が手を挙げられる余裕などないと言える。


今治市議会で土地無償譲渡可決

2017年3月3日、今治市議会は、用地(16.8ヘクタール)を学園に無償譲渡する議案と、校舎建設費192億円の半額にあたる96億円(県との合計限度額、うち市の上限64億円)の債務負担行為をする議案を賛成多数で可決した。今治新都市(いこいの丘)にある用地は今治市が約36億7400万円で市土地開発公社などから買い戻し、3月3日付で加計学園に無償譲渡した。市と学園が結んだ基本協定では、獣医学部が開設されないなどの不測の事態が起きれば土地所有権が市に戻ることが盛り込まれた。96億円の建設費補助については、「市の補助上限は64億円。残りは県の補助を得る」と説明している。

この日の議会で菅良二市長は「今治市にとって学園都市構想は40年来の宿願。にぎわいを創出し、若者の地元定着につながると確信している」と説明。胡井裕志・企画財政部長は大学の事業継続が不可能になった場合は譲渡を解除する条件であることを示し、「(医学部新設の)千葉県成田市の国際医療福祉大も事業費の半分を市が支援している」と理解を求めた。

委員会では議案が話し合われ、議員から「生活に苦しむ市民の理解が得られていない」など、無償譲渡に対する反対意見が出た。菅良二市長は「貸与なら、自然災害で補修が必要になれば市が負担しなくてはならない。覚悟を決めて譲渡した」と述べた。

これらの議案を審議した国家戦略特区特別委では松田澄子氏(共産)が「早急すぎる。市民が納得するか疑問がある」と異論を示したが賛成多数で可決。続く本会議で質疑、討論はなく、賛成多数で可決した。

ちなみに自治体が大学用地を無償貸与・譲渡した例では、国際医療福祉大や、立命館アジア太平洋大(大分県別府市)などがある。

森友学園との歴史背景の違い「当時から無償譲渡が条件だった」

学校法人森友学園(大阪市)への国有地払い下げ問題を受け、大学獣医学部を開設予定の学校法人加計学園(岡山市)に愛媛県今治市内の用地を無償譲渡する市計画が一部で疑問視されていることに対し、市は3月3日、市議会国家戦略特区特別委員会で「1975年の総合計画に学園都市構想を記した当時、自治体の大学誘致は無償譲渡が基本で、検討を長期間重ねて今に至る」と説明。歴史背景などの違いに触れた。

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