パナマ文書の日本関係者、企業役員や教授の名も

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に参加する共同通信のパナマ文書の分析で、大学の名誉教授や大手企業の役員らがタックスヘイブン(租税回避地)につくられた法人に関与していたことが5月6日、分かったという。会社経営者の海外取引を目的とした設立や悪質業者の利用も目立った。

パナマ文書には、日本在住者や日本企業の名前が重複を含めて約400あるが、重複を除くと32都道府県の日本人約230人、外国人約80人、企業などが約20となった。

中国地方では広島県が1人、山口県が2人、鳥取県が2人。岡山県と島根県はゼロだった。

租税回避地は税負担を軽くするのに好都合な場所とされるが、法人設立自体に問題はなく、事業が目的の場合もある。

石川県の医系大学の名誉教授は2012年、英領バージン諸島に法人を設立した。中国人投資家に新薬開発を持ちかけられ、開発に必要な3億円規模の資金の受け皿としてだったという。その後、日中関係悪化の影響からか、連絡がなくなった。名誉教授は「投資家が新薬の収益への税を逃れるつもりだったのだろう」と話した。

セーシェルの法人の関係書類には札幌市の大手企業役員の名前があった。ただ法人の設立は、この役員が個人で中国を拠点に貿易商をしていた時期と重なり、役員は企業を通し一部の書類のサインが自らのものと似ているとしたが「記憶がない」と回答。企業側も「本人が会社を離れていた時のことだ」とした。

この他、英領アンギラの法人はインターネット上で悪質な出会い系サイトを運営する会社と指摘されていた。関係者の所在地が鹿児島県だったが実在しない住所だった。
 

「心当たりない」広島の男性困惑

パナマ文書に、タックスヘイブン利用者として広島県内では三次市を住所とする男性1人が記載されていた。同姓同名の60代の会社経営者=同市=は「心当たりは全くない。何で自分の名前が載っているのか」と困惑気味に話した。文書に記載された住所は、以前住んでいた場所という。

山口県内の住所で記載されている男性2人も、いずれも「身に覚えがない」と答えた。

一方、鳥取県内の住所で記載されている男性2人のうち、家具輸入商だった男性は「中国から家具などを輸入する際に香港に口座をつくるよう取引先に求められ、その方法として2012年ごろ、英領バージン諸島に法人を設立した」と説明した。既に廃業しており「文書に自分の名前があっても現在は何の関係もない」と述べた。


連絡先に内閣参与の会社名

パナマ文書の分析で、回避地法人の株主連絡先として、都市経済評論家で内閣官房参与の加藤康子氏が代表取締役を務める会社名が記載されていた。

加藤氏は「全く心当たりがなく大変驚いている。当時の会社代表者は別の人で、連絡先として名前を使うことを認めた人がいなかったか調査する」と述べた。

文書には、2005年に英領バージン諸島に設立された会社の約6.8%の株主として「東京個別指導学院」の名が記載されていた。ただ連絡先は、同学院の株主で、加藤氏が代表取締役を務める会社の住所と、短縮した名前が記載されていた。東京個別指導学院は「社内調査の結果、同社の株式を取得した記録はない」と説明している。(中国)

関連記事

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL