広島市周辺は活断層が密集~いつ動くか分からない

最大震度7を記録し、多くの犠牲者が出た熊本地震は市街地の真下に走る活断層が引き起こす「内陸直下型地震」の怖さを見せつけた。同様の活断層は中国地方にも複数あり、特に広島市周辺では「五日市断層」や「己斐ー広島西縁断層帯」があり、専門家はいつでも同規模の地震が起き得ると指摘する。


さらに広島県内の土砂災害危険箇所は3万1987と全国1位であり、建物の耐震化率については公共施設が73.4%(14年度末)で全国で最下位となっている。広島市街地周辺の住宅団地は、地形も複雑だから危険度が高い。特に景観や眺望の良い高台や斜面に戸建やマンションを築造しているが、これらは災害時には最も危険な目に晒されることになる。


危険地域は高台だけではない。地盤が軟弱で人口も密集する広島市中心地域でも大きな被害が出る可能性があり、特に懸念されるのが多くの川に挟まれるようにして形成された特有の街並みだ。大地震が起きれば、多くの橋が崩落して交通が寸断される。さらに液状化が起こり、広島市街地は大パニックになる。


そんな広島市の未来予想図は誰でも思いつくが、現実にその日が来たとき、市民は目を覚ますことになるのだろう。以下、中国新聞の「直下型の危険・熊本地震と中国地方」から引用。


「ここにもくっきりと活断層が・・・」。23日、2度にわたり震度7を記録した熊本県益城町福原で山口大の楮原京子講師(地震地形学)が民家の庭を貫く約1メートルの段差に目を向けた。直下の活断層がずれて地表に生じた。「断層は想定した位置にあった。その周辺でやはり建物の被害は大きい」。


「中国地方でも同じような活断層が発達している。特に山口県東部から広島県中部は全国的にみても活断層が密集している」。現地調査した中田高・広島大名誉教授(変動地形学)は警鐘を鳴らす。


広島市安佐北区から廿日市市を走る「五日市断層(長さ約20キロ)」や約6キロ東側を並行する「己斐―広島西縁断層帯(約10キロ)」、尾道市から井原市かけての「長者ヶ原断層―芳井断層(約37キロ)」はそれぞれM7.0、M6.5、M7.4程度の地震を引き起こすとされる。


地震による土砂災害は、揺れの大きい山頂や尾根で起きやすい。中国地方では、花こう岩が風化した「まさ土」などで表面が覆われている傾斜地が多い。まさ土は粘着性がないため、南阿蘇村と同じように揺れによる土砂災害が起きやすい。


さらに、これらの活断層は地盤の弱い広島都市圏のデルタ地帯に近く、中田名誉教授は「揺れによる家屋被害は、熊本以上になる可能性がある」と指摘する。


活断層の多くは、数千~数万年に1度動くとされるが、浸食や堆積が進む地域では、断層の位置や過去の活動の有無を見極めるのは難しい。


五日市断層や己斐―広島西縁断層帯の30年以内の地震の発生確率は、今回の前震を起こした日奈久断層帯の高野―白旗区間と同じ「不明」との評価。複数の専門家は「つまり、いつ動くか分からない」。(中国)


下図のかっこ内は発生する可能性がある地震のマグニチュード(M)と30年以内の地震の発生確率。

広島市周辺の活断層



安芸灘断層群1



以下の6枚の図は国土地理院の活断層図をもとに特に危険な地域を表してみたもの。

五日市断層1

五日市断層2

己斐―西縁断層帯1

己斐―西縁断層帯2

己斐―西縁断層帯3

己斐―西縁断層帯4
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