BPOが佐村河内氏の人権侵害を指摘「アッコにおまかせ!」に勧告

11月17日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会(委員長・坂井真弁護士)は、楽曲の代作問題が発覚した佐村河内守氏が人権侵害を申し立てていたTBS系バラエティー番組「アッコにおまかせ!」について、「名誉を毀損する人権侵害があったと言わざるをえない」として、再発防止を勧告したという。

対象となったのは、佐村河内氏の謝罪会見を取り上げた214年3月9日の放送。VTRで「普通に会話が成立」とのテロップを流したほか、医師の所見を受け、和田アキ子さんら出演者が「これからどうやって生きていくんだろう」「ここまで行っても、嘘にならないんですか」などと会話を交わしたというもの。

番組に対し、佐村河内氏は「(視聴者に)『健常者と同等の聴力を有していたのに、手話通訳を要する聴覚障害者であるかのように装って会見に臨んだ』との印象を与えた」と主張していた。

委員会は、佐村河内氏の診断書の「感音性難聴」といった記載を番組で明確に説明しなかったことなどを問題視し、「放送倫理上の問題がある」とも指摘した。

委員会は、同じく佐村河内氏が人権侵害を申し立てていたフジテレビ系バラエティー番組「IPPONグランプリ」について、「許容限度を超えて申立人の名誉を侵害するものとは言えない。放送倫理上の問題も認められない」とする見解をまとめた。番組は2014年5月24日の放送で、「幻想音楽家 田村河内さんの隠し事を教えてください」という大喜利の「お題」を出し、お笑い芸人らが回答する様子を放送した。


同委員会では、9人中3人が「名誉毀損については成立しない」とする主張を参考意見として述べた。

「過去の判断をみれば分かるように、今回は比較的まれな判断。そういう意味で、異例の厳しい判断という受け止めを呼ぶのではないか」と、同委員会の曽我部真裕委員は今回の判断について語った。同委員会が「人権侵害」と判断したケースは平成18年3月の「たかじん胸いっぱい」(関西テレビ)以来、約10年ぶりだという。

厳しい判断となったことに関し、坂井真委員長は「事実を客観的に伝えた上で、『私はどうも信用できない』と放送したのであれば、それは公正な論評になり、今回の(人権侵害という)話にはならなかった」と説明。佐村河内氏の聴力などについて十分な根拠を示さず、一面的な内容に終始した点に問題があったとの認識を示した。

一方、「名誉毀損には当たらない」とする意見を付記する委員もいた。奥武則委員長代行は委員会の決定文で、「(佐村河内氏が)現在も手話通訳が必要であるか否かについて濃い疑惑があることについては、真実性があるという見解も十分にあり得る」と指摘。「(番組が)診断書に『感音性難聴』と記載されていることを明確に示さなかったことなど、さまざまな側面を正確・公平に扱い、事実をありのままに伝えるべきであるという点からは問題が大きい」との意見を展開した。(産経)
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