生活保護費の過払い金の天引き「委任払」は違法

広島市が生活保護受給者から過去の過払い金の徴収の際に、毎月の生活保護費から天引きする「委任払」の仕組みが、広島県から違法と判断された。生活保護法にのっとって、不正受給などの例外を除き、保護費は全額をいったん受給者に支給し、過払い金は自主返済させるべきだと判断した。

過払い金の回収率向上のため、同じ手法を取っている自治体は他にもあるという。

広島県や広島市によると、市内の男性が起こした保護費に関する審査請求についての県の採決で、委任払を違法と判断した。男性は、2001年から2003年に保護費を受給。この間に収入が見込みを上回るなどして80万円超の返還金が生じた。2006年に受給を再開し、2010年から委任払が適用され、2014年まで毎月4千円を保護費から天引きされていたとう。

広島市は採決を受け、委任払で受け取った計17万6千円を男性にいったん払い戻し、再度、自主返納を求める。11月5日で男性が通知を受けた。

男性は返還金の算定根拠を区に紹介したところ、区が請求を決めた当時の資料を廃棄していたことが分かり、2014年7月に審査請求を起こした。「本当に返すべき金か、裏付ける書類もないのに納付を迫るのか。違法な手段で取り立てるほど、受給者を見下した態度も許せない」と憤る。

広島市によると、過払い金の委任払いは2007年10月に制度化。2015年9月の徴収分では2870件のうち、1392件に適用している。健康福祉局は「受給者の利便性を高めるため、了解を得られた人に適用してきた」と説明している。

広島市の未回収の過払い金(不正受給分を含む)は14年度決算で9億6600万円に上るという。
(中国)
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