広島県内の産業団地造成事業が105億円の債務超過

バブル期を中心に土地を取得して造成した広島県内の産業団地の資産評価額が、実態に即した民間企業並みの会計基準を導入したら、大幅な赤字になったという。その赤字の穴埋めには、県民サービスを支える一般会計からの補てんは避けられないという。


産業団地を造って販売する広島県の土地造成事業が2014年度の決算で、初めて約105億円の債務超過となった。県が10月1日、県議会決算特別委員会で示した。より実態に即した会計基準に変更した結果、資産の評価額が落ち込み、累積赤字は約450億円に膨らんだ。

バブル期を中心に積極的に造成した用地が売れ残り、価格が下落。企業誘致のために分譲価格の値引きを重ねてきた。会計基準の変更で、危機的な財務状況が表面化した。

14年度の決算によると、債務超過額は104億9300万円。資産は、未分譲地などを時価で評価した結果、13年度の半額以下となった。負債は新たな基準に従って造成時の借金を計上したため、13年度の50倍に膨らんだ。14年度の収支は243億6100万円の赤字となり、赤字は17年連続となる。


広島県営の産業団地で最大の16ヘクタールを誇る千代田工業流通団地(北広島町)では今年4月、自動車部品製造の広島アルミニウム工業への売却が決まり、7年近くの塩漬け状態が解消された。

この団地をはじめ、年度当初に売り出した県営12団地に10社が進出するなど、分譲は近年、好調に推移する。だが、この区画の整備に投じた経費42億8千万円に対し、売却額は14億7千万円で、28億1千万円の赤字になる。

14年度は企業12社に計23.8ヘクタールを26億7千万円で売却したが、この分譲区画の土地購入代や造成費などの経費は計55億1千万円に上る。企業進出を促すために分譲価格を引き下げた結果、造成価格の半額以下で売却したことになる。県によると、高値で仕入れた土地が売れ残り、価格を下げてでも分譲せざるを得ないのが実情だという。

「他県に負けじと土地を用意した。それが県経済の活性化に必要だと疑わなかった」と、造成に携わった元県幹部は振り返る。県営団地の多くはバブル期だった1990年前後に造成に着手。「20年後も売れ残るなど当時は想像できなかった」と明かす。

県は当面、未分譲地計41.1ヘクタールの売却に力を注ぐ構えだが、完売しても時価換算では数十億円の収入しか見込めない。

このような状況の中、県は今年7月、再び新たな団地の造成も検討するとの事業指針を打ち出した。その理由とするのが、団地の造成、立地に伴う県経済への波及効果だ。県の試算では、県内企業の全従業員がここ20年で6万7288人減った一方、県営団地の従業員は2400人増えた。団地への進出企業によるここ15年の税収効果は、分譲時に負担した土地の助成費を差し引いても721億円のプラスだった。(中国)
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