呉基地の自衛隊員の胸中「命を失う覚悟はできている、犠牲を担うのが自衛官だ!」

安全保障関連法案の質疑の中でリスクが下がるとか上がるとか答弁をしていたが、与野党ともに結局ほとんど噛み合わない状態だったように思う。本来は、こんな質疑を延々と続けるのもおかしな話で時間ももったいない。リスクについては与党もはっきりと示すべきだった。


安全保障関連法で集団的自衛権によってリスクが低くなるという考え方は、抑止力として機能している状態だと思うが、これが駆けつけ警護や後方支援となると、自衛隊員のリスクは高まるはずだ。リスクについては自衛隊員にもさまざまな思いがあると思われるが、呉基地の自衛隊員の声を、以下中国新聞から引用してみたい。


隊員約5700人を擁する呉基地は、母港としている艦艇は39隻で、全国に5つある基地で最も多い。海上自衛隊呉基地などの隊員は今何を思うのか。呉基地では、1991年の悔しい思いが今も語り継がれている。自衛隊初の海外実任務として、掃海部隊が湾岸戦争停戦後のペルシャ湾に赴き、機雷掃海に取り組んだ。命懸けの任務だったが、「ようやく重い腰を上げた」と冷ややかな視線を投げかける他国の部隊もあったという。「金は出すが汗を流さない」との批判はとりわけこたえたと伝わっている。


40代男性隊員は「法制が整えば抑止力が高まり、むしろ安全になる」と言い切る。念頭にあるのは東シナ海の情勢。海洋進出を活発化させる中国へのけん制になるというのだ。

米軍との共同訓練への参加経験がある別の隊員は「一国では自国を守ることはできない」「日本はできませんでは世界に相手にされなくなる。防衛システムの何から何まで自前で整備しなければならなくなる」。世界標準に近づいたと受け止める。

40代男性隊員は戸惑いや懸念もあるという。「共同行動する他国が、自衛隊はここまではできるが、ここからはできないと認識してもらえるか。緊迫した局面で混乱しないか不安だ」

別の40代男性隊員は、一連の国会審議について世論の反発を恐れてか、首相も官僚も確実にあるリスクに真正面から向き合わなかったと感じている。「命を失う覚悟はできている。一般国民から犠牲者を出してはいけないと思っているからだ。政治家には『国民や国際秩序を守るにはリスクを伴う。犠牲を担うのが自衛隊だ』と言ってほしかった」と憤る。

30代男性隊員は「大事な問題なのに本質を突き止めず、時間を浪費した感がある」と残念がる。
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