親子共倒れがやってくる

NHKスペシャル・老人漂流社会「親子共倒れを防げ」を見て、まさに少子高齢化による衰退社会そのものだと思った。番組の内容は、40代の息子が失業を期に、親の介護を考えて生活保護を受けている親元へ戻ったが、息子が同居していると、世帯収入があるとみなされ、生活保護給付が打ち切られてしまったという。

息子は生活のために仕事を探すが、なかなか見つからず、日雇いの仕事に就いたりするが、その仕事も打ち切られる。

非正規雇用で低所得の子が十分な貯えがないまま失職すると、年金で暮らす親に頼らざるを得ない。親の医療や介護費用の負担が重くなっていくと「親子共倒れ」が避けられないという。



親と同居する未婚の子供(35歳~44歳)は、1980年で39万人だったものが2012年には305万人に膨れ上がった。そして、失業率は10.4%。

親と同居の未婚者



「親の介護のために仕事を辞める」と考える人も少なくないし、他人事ではないようだ。親の年金給付額が介護費用をカバーしてくれるのなら、親を介護施設に入れて、全てケアマネージャーなどに任せるという方法があるが、親が要介護2までならば、安価な施設に入れるのが難しいことが多い。施設介護費用は一般的に食事代も入れると月額16万円から20万円にもなる。

もし、親の年金給付額で介護費用をカバーできないとなると、在宅介護に切り替えるしかない。そうすれば、施設利用料などが無くなるなら、家計は楽になる。しかし、親の身体が不自由だったり病気を抱えていたりすると、訪問介護だけでは不十分だ。その場合は定期的に介護施設でリハビリを受けてもらうことになるが、それも無理な状態ならば、つきっきりになる。

親の年金給付額だけでは満足に生活できない状態だと、子供は仕事を探して収入を得なければならないが、ここが問題だ。

中高年の転職事情は厳しいのが現実だ。市街地なら仕事も多いが、だからと言って採用される可能性が高いとは限らない。田舎だと、職種が限られている。男性では、運送、土建、溶接工など。女性では介護士、介護施設での食事作業、スーパーのレジなど。

生活圏内で仕事が見つかっても、労働条件が契約社員だったりパート扱いだったりで、収入は食べていくのがやっとかもしれない。そう考えると、都市部に自宅を構えて生まれ育った子は、選択肢がある分、羨ましいということになるのか。

結論的には、そうならないための防御策を早くから考えておくべきだ、と言われればその通りだが、しかし、今回の問題は競争社会の中で起きた労働問題にも見える。
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