広島市北部土砂災害・消防に通報殺到3時間で600件

広島市の土砂災害で、行政による避難勧告の遅れが指摘されている。あの時いったい何が起きたのだろうか。事態が急変した6時間を追うという記事を、以下、朝日から引用してみた。

8月20日午前1時30分すぎ、自宅で寝ていた広島市消防局の水落勝・警防課長(57)は、「災害警戒本部が設置されました」との自動音声を携帯電話で聞いた。雨の中、消防局に着いたのは午前2時ごろ。被害が出た安佐南区と安佐北区には、各区の消防車も出動していたが、足りなかった。「市消防だけでは対応できない異常事態だ」。この日、消防局には3時間で600件もの通報が殺到した。

安佐北区の観測所では、午前3時に避難勧告の検討基準を超えた。午前4時すぎ、児玉尚志福区長(59)は覚悟をきめた。「市長に避難勧告を要請しよう」。内線電話で市の災害対策本部を呼び出した。呼び出し音が1回、2回、誰も出ない。市の災害対策本部は混乱を極めていた。「もういい。こっちで出そう!」。午前4時15分、区長の代理として避難勧告を発令した。

午前6時28分、自衛隊への災害派遣要請を依頼する電話が、市職員から広島県庁に入った。県の担当課長は「正式要請ですか」と確認し、湯崎英彦知事の了解をもらい、県庁詰めの自衛官に派遣を要請した。市の地域防災計画では、自衛隊の派遣要請は市長が依頼すると定めている。だが、松井一実市長は市役所にいなかった。

午前3時すぎ、松井市長は市役所から車で10分ほどの公館で一報を聞いた。消防局長から秘書経由で連絡があった。対策本部設置の方向と説明を受け、「分かった」と答えたが、市役所には向かわなかった。

午前5時すぎ、再び電話が鳴った。秘書は人的被害が出ていることを伝えてきた。「対策本部の会議を午前7時半から開きたいのですが」。「やってくれ」と答えて電話を切った。

迎えの公用車で登庁したのは午前7時15分。「外はひどい土砂降りだった。自分の安全を管理しながら指示を出した」。登庁が遅かったのでは、との指摘に、記者会見でこう説明した。

公館に近い広島地方気象台の雨量計によると、被災地を豪雨が襲っていた午前3時~4時の市中心部の1時間雨量は、1ミリだった。
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