土砂災害危険箇所全国最多の広島で暮らすということ

平野が少なく、山を切り開いて斜面を造成して家を構えるしかない広島市郊外の山間地。まさか阿武山で土砂災害が起こるとは思わなかっただろう。近くの毘沙門台は昭和40年代後半に宅地造成された新興住宅団地だが、山本、八木地区は古くからある住宅地も多い。国道から車で這い上がって行くと道の窮屈さに驚くが、このような光景は可部・亀山などにもあり、広島ではそれがごく自然な住まいとして定着している。

特に安佐南区は広島市内で最も人口が多く、近年の人口増加率も一番多い。この地域に住む人々の理由は、広島市中心まで約30分という至便な立地と閑静な住環境、高台では眺望の良さがあり、そして県北や島根に里がある人も多く住み、休日に帰省しやすい点などが挙げられる。この点て言えば、安佐北区派と安佐南区派に分かれる。

今回の土砂災害であらためて分かったことは、広島県内の半分は花崗岩が風化した真砂土(まさ土)に覆われた地層をしていて、もろくて土砂崩れが起きやすい地質にある。国土交通省によると、広島県内の土砂災害の危険箇所はおよそ3万2000箇所で、全国で最も多くなっている。さらに郊外の山間地に行くと、真砂土の山を採掘している現場などが数多くみられる。

過去の災害では、平成11年6月には、大雨で広島市や呉市を中心に325ヶ所で土石流や崖崩れが起き、31人が死亡し、1人が行方不明となったが、今回は対岸の火事としての教訓は、そこにはなかった。あまりに多い危険箇所に、財政難と人手不足の広島行政も手がまわらない。災害時における避難方法は、自分たちで考えておくことだった。

ならば、広島市中心部はどうか。広島市中心部の太田川河口デルタは、川が運んだ大量の土砂が積もって形成された三角州の上に位置する緩い地盤。大地震が起きれば液状化する可能性が高い。液状化すれば地盤沈下が起き、橋の多い広島市街地ではライフラインが寸断されていく。それに老朽化した小ぶりの商業ビルや住宅も多いため、倒壊やガス爆発などで火災も発生しやすい。天災は忘れた頃にやってくるものだ。


都道府県別土砂災害危険箇所の順位(国土交通省:平成14年公表)
順 位都道府県箇 所
広島31,987
2島根22,296
3山口22,248
4兵庫20,748
5大分19,640
6和歌山18,487
7高知18,112
8愛知17,783
9長崎16,231
10三重16,206
11鹿児島16,204
12長野16,021
13静岡15,193
14愛媛15,190
15岩手14,348
16熊本13,490
17福岡13,150
18岐阜13,083
19徳島13,001
20岡山11,999
21北海道11,898
22宮崎11,826
23千葉9,764
24佐賀9,534
25京都8,847
26新潟8,791
27福島8,689
28宮城8,482
29奈良8,186
30神奈川8,160
31秋田7,685
32群馬7,416
33香川6,972
34栃木6,924
35福井6,858
36鳥取6,168
37滋賀4,910
38山梨4,805
39富山4,459
40大阪4,361
41石川4,263
42埼玉4,219
43茨城4,079
44青森4,005
45東京3,786
46山形3,771
47沖縄1,032

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