広島土砂災害で死者39人・不明7人

広島市北部の安佐北区、安佐南区で8月20日未明、局地的に猛烈な雨が降り、10ヶ所以上の土砂崩れが発生し、多数の住宅に土砂が流れ込んだ豪雨災害で、8月21日午前0時現在、死者は39人、行方不明は7人になった。死者のうち、10人の身元が判明した。広島県警や市消防局、陸上自衛隊などが1000人を超える態勢で救助・捜索にあたり、夜に入っても活動が行われた。被害の全容はまだつかめておらず、市内では約400世帯900人が避難を続けている。

土砂崩れは8月20日、同市の安佐北、安佐南両区の山沿いの南北約15キロにわたる広い範囲で発生。多くの渓流や浅い谷状の場所で土石流が起きた。県砂防課によると、被災した両区の計7地区のうち、可部東を除く6地区は土砂災害防止法に基づく「特別警戒区域」「警戒区域」に指定されていなかった。

県の要請を受け、国土交通省の現地調査団が安佐南区八木の現場に入った。メンバーの国交省国土技術政策総合研究所の蒲原潤一室長によると、現場の傾斜は山の上部で16度以上、住宅のある下部でも10度前後。蒲原室長は「土石流がかなりのスピードを保ったまま下ったのではないか。斜面が深層から崩れたのではなく、水の力で土砂が流れたのだろう」と分析した。

市は8月20日午前3時半に災害対策本部を設置。同4時15分~8時20分に、安佐北、安佐南両区内の計21地区約6万7000世帯を対象に避難指示・勧告が出された。また、市は県を通じて自衛隊に派遣を要請。県警も広域緊急援助隊の派遣を求め、大阪、兵庫、山口、鳥取、島根、岡山の各府県警から約690人が順次、現地に入っている。

中国電力によると、広島県内では、配電設備の倒壊などで延べ約5万9100戸が停電した。8月20日午後6時現在、救助活動が行われている安佐南区八木、安佐北区可部東などの約1100戸で停電が続いている。作業車両が現地に入れず、復旧が困難な状況だという。

広島県内では、JRの可部線緑井―可部間と芸備線三次―広島間が終日運転を見合わせた。JR西日本によると、両区間では線路が土砂をかぶるなどしており、21日も終日運休する。

今回の豪雨災害では、広島市が8月20日午前4時15分に最初の避難勧告を出した時点で、すでに土石流などの被害が発生していた。金山健三・市消防局危機管理部長は同日午後、記者団に対し、「避難勧告というのは人的被害を回避するため、災害が起きる前に出し、安全な場所に避難してもらうのが本来の目的。今回は(雨量の)分析を誤り、勧告を出すのが遅かったことは間違いない」と語った。市は、災害発生の直前にメールや防災無線で住民らに注意を喚起していたが、金山部長は「勧告だったら違う結果もあったかもしれないという悔いはある」と述べた。松井一実市長も「(勧告が早く)出ていれば、住民が安全なところへ行けた可能性がある。判断の最終的な責任は私にある」と苦渋の表情で語った。(読売)

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