塩村文夏議員の事務所家賃未払い訴訟トラブル

塩村都議の事務所費未払い問題が、ビルオーナーとの間で訴訟問題に発展しているという。

週刊文春、週刊新潮、FRIDAYの記事を要約すると、事務所は駒沢にあり、三谷英弘衆院議員が借りていたが、それを塩村さんに転貸する形で塩村さんの選挙事務所にしていた。

ビルオーナー(横溝さん)は、2011年秋から三谷議員に月額20万円で部屋を貸していたが、三谷議員の紹介ということで、塩村さんには都議選の期間中、特別料金として総額200万円で貸すことにし、支払いは選挙の後と決めたという。

このビルは、大通りに面しているため、選挙の時期にはいろいろな候補者が「貸してくれ」と打診してくる。

塩村都議は「無償」で借りていたと主張しているが、ビルオーナーは「賃貸借契約だった」と反論していたため、家賃を支払わない塩村都議に業を煮やしたビルオーナーは、塩村都議の自宅や都議会を訪れ、家賃を支払うように要求したが、塩村都議は相手にしなかった。

このトラブルを最初に法定に持ち込んだのは、塩村都議のほうだった。訴えを起こして、賃料支払債務は存在しないことに加え、ビルオーナーの面会強要や、業務を妨害したり、債務の取立てをしたりする行為を止めさせる判決を求め、今年2月に塩村都議は裁判所に仮処分を申立て、受理されている。

ビルオーナーはこれを受け、5月に未払賃料請求事件として、三谷議員と塩村都議の二人を相手取って提訴。三谷議員には160万円、塩村都議には85万円の未払い賃料を支払うよう求めた。

賃料について三谷議員は、「被告(ビルオーナー)から借りており、賃料は寄付として処理しているので支払う必要はない」という。そのため原告(塩村都議)は、転使用賃借させてもらうことにした、と主張。被告(ビルオーナー)もこれを了承したとして、「申し訳ないと思い、光熱費だけでも負担したい旨、申し入れたが、被告(ビルオーナー)は「若い志のある人を応援したい」と述べ、原告(塩村都議)の申し入れを断った。

対して、ビルオーナー側はそうしたやり取りは「ない」とし、都議選前に遡って12年12月から翌年7月までの賃料計160万円の支払いを求め、5月上旬に反訴。ここで本来の賃借人である三谷代議士も塩村都議とともに被告に名を連ねることとなる。


誰に責任があるのか

「賃貸借契約書」さえ結んでおけば、今回のような「言った言わない」の問題は起きない。

口約束で不動産取引を行うことは、あり得ない。一般的には、事務所やアパートを借りるときには必ず賃貸借契約書を締結する。不動産取引は、諾成契約とも言われ、双方の合意があれば成立するものだが、ならば、なぜ契約書を作成して、双方が保管するのかというと、後々のトラブルに備えるためだからだ。

双方だけで話が盛り上がり、合意に至った時というのは、細かい事まで考えない。特に違約事項などは、言い難いものだ。お互いが人間関係だけで口約束だけで事を決めても、時間の経過とともに、人の気持ちは変わるもの。

塩村議員のホームページでは、事務所のビルオーナー(貸主)と、契約書を交わした事実はないし、三谷議員も契約書を交わした事実はないとしている。

実務的に考えると、事務所ビルなどを借りたい人は、一般的には仲介業者を通して契約手続きを行うが、中には直接ビルの所有者と交渉することもある。そのときのビルオーナー(貸主)の対応が、下記AかBのどちらかに分かれる。

A.事務所として借りたいなら、いつもお願いしている不動産業者がいるからそこを通してくれ。(仲介手数料が発生)

B.直接、話し合いをしても良い。契約書も所定のものがあるから、それにサインしてくれ。(仲介手数料は発生しない)

通常は、Aのパターンが一般的で、仲介手数料を支払っても、業者を通すメリットは、面倒な契約手続きや賃料滞納トラブル対応、退去時の現状回復義務の確認に立会い、貸主と借主の利害関係を調整してくれるからである。

業者を通さずに直接契約することもあるが、この場合にも契約書をしっかりと結んでおくことが重要であり、世の中の常識でもある。

ただ、例外もある。6ヵ月や1年程度の短期賃貸借契約なら、わざわざ契約書を作らず、請求書だけで処理する貸主もいるが、ほとんど無いと言ってもいい。

ただ、そんな短期賃貸借契約であっても、A4サイズ1枚の簡単な書式でいいから、双方が記名押印して、書面として残しておくべきだ。

この事務所費トラブルは、だれに責任があるのか。

貸主は、大家としての経験が豊富と考えられるため、不動産取引においては、セミプロと言える。

転借人の塩村議員は、本人が言っていることが本当であり、悪知恵を付けている者が居ないならば、不動産取引についてはシロウトだろう。

そこで注目しなければならないのが、賃借人である三谷議員だ。第二東京弁護士会のTMI総合法律事務所に席を置いている。(個人的な話しだが、この法律事務所には、以前、ある案件ですこし関わった弁護士が今でもいるが、分野によってはシロウト同然とも思えた。)

貸主が、仮に「賃料もいりませんから契約書も必要ないですよ」と善意で言ったとしても、弁護士という立場である三谷議員は、不動産取引は専門外かも知れないが、現代社会において書面主義であることぐらい十分理解しているはずで、後々のことを考えて、しっかりと「書面」に残すための行動を取る道義的責任があったと考える。

つまり、三谷議員は、信義誠実に違反したと言える。
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