呉の暴力潜水艦内で自殺未遂で寝たきり状態 母親が上官2人を提訴

海上自衛隊呉基地(呉市)に停泊中の潜水艦で男性2尉が拳銃自殺を図ったのは、上官の暴力が原因で、その後の介護などで精神的苦痛を受けたとして、男性の両親が当時の上官2人に計450万円の慰謝料の支払いを求めて山口地裁に提訴した。7月19日付け。

訴状などによると、2011年7月、潜水艦で勤務していた宇部市の坂倉正紀さん(42)は、当時の上官から暴力を受け、精神状態が不安定になった。別の潜水艦に配属後の13年6月以降、さらに別の上官から繰り返し暴力を受け、うつ病を発症。同年9月、同基地に停泊中の潜水艦内で拳銃自殺を図り、現在も寝たきりの状態が続くという。

このため母親が介護に追われ、上官2人から謝罪がないなど精神的苦痛を受けたとしている。海上自衛隊呉地方総監部は「個人に対する訴訟なので詳細は把握していない。コメントも差し控える」としている。

両親は現在、自殺未遂は上官のいじめが原因で、監督する立場の艦長たちの安全配慮義務違反があったなどとして国に3500万円の損害賠償を求め、同地裁で係争している。(中国)


呉の潜水艦内自殺未遂事件で上官の暴力が一因と認定

陸上自衛隊員による女子大生集団暴行事件の控訴審は懲役4年に減刑

酒に酔った女子大生を集団で乱暴したとして、集団準女性暴行致傷と準強制わいせつ罪に問われた広島市安芸区矢野町、陸上自衛隊第13旅団(広島県海田町)元3等陸曹、佐藤伸也被告(26)の控訴審判決が7月21日、広島高裁であった。多和田隆史裁判長は、懲役4年6カ月を言い渡した裁判員裁判の一審広島地裁判決を破棄し、懲役4年を言い渡した。

多和田裁判長は、女性が負ったけがの原因は特定できないと指摘。一審判決の一部に事実誤認があるとして、一審で被告が問われた集団準女性暴行致傷と準強制わいせつ罪を適用せず、集団女性暴行と準強制わいせつ致傷罪を適用した。その上で、酒に酔い、抵抗できない女性に暴行した犯行を「悪質で被害者の精神的苦痛も看過できず、実刑は免れない」と述べた。

判決などによると、佐藤被告は同僚の男(35)=集団準女性暴行致傷などで懲役6年確定=と共謀し、15年2月1日午前1時半から同8時45分ごろまでの間、広島市中区のカラオケ店やホテルで、酒に酔った県内の女子大生(当時21)の体を触って10日間のけがをさせ、乱暴した。(中国)

「態度が気にくわない!」海上自衛隊員が元同僚の顔面を棒で殴る

呉市の路上で23歳の海上自衛官の男が知人の男性の顔などを木の棒で殴ってけがをさせたとして、傷害の疑いで逮捕された。逮捕されたのは呉基地に所属する練習艦「しまゆき」の海士長、横畠雄紀容疑者(23)。警察によると横畠容疑者は6月11日午前0時ごろ、呉市宮原の路上で知人の20歳の男性の顔などを木の棒で殴り、けがをさせたとして、傷害の疑いが持たれている。

現場は横畠容疑者の実家の近くで、事件を知った横畠容疑者の母親が警察に通報し、かけつけた警察官がその場で逮捕したという。調べに対し横畠容疑者は「後輩の態度が気に入らなかった」と供述し、容疑を認めているということで、警察で詳しい動機を調べている。(NHK広島)

陸自訓練死で和解が成立 国が遺族に1450万円和解金 

9年前、陸上自衛隊の陸曹長の男性(当時49)が持久走の訓練中に死亡した。「過剰な訓練が連日繰り返された」という。中国地方に住む妻(49)は国を相手に提訴し、「責任のありか」を追い求めてきた。その訴訟が広島地裁で和解。国が3月末までに1450万円を支払う内容で合意した。

原告側や訴訟記録によると、陸曹長は第47普通科連隊本部管理中隊(広島県海田町)に所属。2007年3月29日の朝礼後、駐屯地を4周する約10キロの訓練に取り組んだ。準備体操後に走り始め、ゴール直後に倒れて亡くなった。陸自中部方面総監は10年8月、「公務災害にはあたらない」とした通知を妻に送った。

妻が防衛相に不服を申し立てたところ、実態が明らかになった。男性が亡くなる3カ月ほど前に連隊長が交代した後、50分で10キロを走る朝の訓練が始まった。理由は競技会での連隊の成績が芳しくなかったためだった。連隊長は「月に200キロ走るように」とも指導していた。

一方、男性は狭心症だったうえ、亡くなる直前の3カ月間は月平均76時間30分程度の時間外勤務を続けていた。こうした状況を踏まえ、12年12月に防衛相が出した判定書は「精神的、肉体的な負荷があった」と指摘。一転して「公務災害」と認めた。

この判定を受け、妻は14年3月に約3900万円の損害賠償を求めて提訴。国側は「月200キロは強制ではなかった」「上司に狭心症についての具体的な報告はなく、事故を予見できなかった」と争う姿勢を示したため、末永雅之裁判長は昨年9月に和解を勧告。今月8日付で和解した。(朝日)

海上自衛隊員が乗った車がごみ集積所に衝突2人死亡

3月18日夜、呉市の市道で自衛官4人が乗る乗用車が歩道に乗り上げ、道路脇のビルのゴミ集積所に衝突する事故があり、後部座席に乗っていたいずれも20歳の自衛官2人が死亡した。18日午後11時半ごろ、呉市阿賀北の市道を走っていた乗用車が歩道に乗り上げて進み、左側の道路脇のビルのゴミ集積所に衝突した。

この事故で後部座席の右側に座っていた呉市の海上自衛官、越智裕也さん(20)が全身を強く打っておよそ2時間後に死亡が確認されたほか、左側に座っていた呉市の海上自衛官の井上大也さん(20)も全身を強く打っていて事故からおよそ15時間半後に搬送された病院で死亡した。

車には同僚の自衛官4人が乗っていて運転席と助手席にいた同じく20歳の男性2人も病院に運ばれたが、意識はあるという。現場は片側2車線の中央分離帯がある市道の右カーブを曲がりきった下り坂で、衝突したゴミ集積所の手前の中央分離帯には車が接触したようなあとが残っている。警察はカーブを曲がる際に中央分離帯に接触し、そのはずみで反対側の歩道に乗り上げた可能性があるとみて事故の原因を調べている。(NHK広島)



ごみステーション衝突

自衛官ゴミ集積場事故


自衛官3人死傷の疑いで同僚の男逮捕 自宅に送る途中の自損事故

広島県呉市の市道で3月18日夜、20歳の海上自衛官4人が死傷した車の自損事故で、県警は3月26日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、運転していた海上自衛隊呉基地(同市)業務隊補充部の海士長の岡本大輝容疑者(20)=同市=を逮捕した。

逮捕容疑は3月18日午後11時25分ごろ、呉市阿賀北の市道で乗用車を運転中、中央分離帯の縁石にぶつかった弾みで道路脇のごみ置き場に衝突し、後部座席の越智裕也さん(20)と井上大也さん(20)=いずれも呉市=を外傷性出血性ショックで死亡させ、助手席の男性(20)にくも膜下出血などの重傷を負わせた疑い。

県警によると、岡本容疑者も重傷を負っており、県警は回復を待って逮捕した。容疑を認めている。3人は呉基地の所属で、岡本容疑者がそれぞれの自宅に送る途中だった。当時は雨で路面がぬれており、県警が詳しい事故原因を調べている。(産経)

「ぶんご」と「さざなみ」の海上自衛官2人を懲戒処分

2月12日、海上自衛隊呉地方総監部(広島県呉市)は、18歳未満の女性にみだらな行為をしたとして、掃海母艦「ぶんご」の20代の1等海士を停職10日の懲戒処分にした。総監部によると、1等海士は昨年10月4日、呉市の自室で、18歳未満であることを知りながら県内に住む女性にみだらな行為をした。女性の家族から総監部に連絡があり発覚した。

また、総監部は12日、部下の隊員3人を指導する際に暴言を吐いたり、脚を蹴ったりしたとして、護衛艦「さざなみ」の2等海曹(36)を停職3日の懲戒処分にした。(産経)

広島に戻りたくなかった大分子供4人焼死事件の自衛官の初公判

昨年7月に大分県杵築(きつき)市の民家が全焼し、子供4人が焼死した火災で、重過失失火と重過失致死傷の両罪に問われた父親で海上自衛隊1尉(起訴休職中)の末棟(すえむね)憲一郎被告(41)=広島県江田島市=は1月26日、大分地裁・今泉裕登裁判長の初公判で起訴内容を大筋で認めた。ただ、灯油をまきライターに点火したとされる経緯については「覚えていない」と述べた。

末棟被告は杵築市の自宅から単身赴任先の広島県江田島市へ戻ろうとした際、妻(43=当時、その後離婚)が見送りに出て来なかったことに立腹して灯油をまいた、とする起訴内容について「『立腹』ではなく不安やおびえと表現した方が合っている」と主張した。その後、声を震わせ「灯油をまいてライターに点火したことは覚えていない。自分でやったとも、やっていないとも覚えていない」と述べた。

起訴状によると、末棟被告は昨年7月5日夜、玄関に灯油をまきライターを点火させたところ引火し、当時5〜14歳の4人を焼死させるなどしたとされる。検察側は冒頭陳述で、末棟被告が元妻に対し、自分をかまわないことを責め、さらにその後、うとうとしていた元妻に腹を立て、気をひこうとして玄関に灯油をまいた、と主張。さらに「職場に対する不満から広島に戻りたくないのに戻らなければならない、という葛藤があった」とも述べた。(毎日)



大分子供焼死



この事件を振り返ってみると、2015年7月5日深夜0時、大分県杵築市の住宅が全焼し、子供4人が遺体で見つかった。現住建造物等放火の容疑で逮捕されたのは、一家の父親である末棟憲一郎容疑者(40才=当時)。遺体は、長女・悠佳梨さん(14才=当時)、四男・雅祐くん(9才=当時)、次女・真由美さん(7才=当時)、五男・滋くん(5才=当時)と判明した。父親は警察の取り調べで「私が油をまいて火をつけました」と容疑を認めている。海上自衛隊に勤める末棟容疑者は、妻と8人の子供を持つ10人家族の主だった。


海上自衛隊幕僚監部広報室によると、末棟容疑者は2015年3月、山口県下関市の小月(おづき)航空基地から広島県江田島市の第31航空群標的機整備隊に異動。妻と子ども8人は杵築市に住んだまま江田島市に単身赴任しており、捜査関係者によると、週末はしばしば杵築市に車で帰り、月曜朝までに広島に戻る生活を続けていた。

今回も事件発生前の金曜日(3日)に帰宅。その際に「死にたい」「広島に戻りたくない」などと妻に漏らしていたという。火事は日曜日の5日深夜に起きており、家を出る直前だったとみられる。

さらに末棟憲一郎容疑者が「職場で悩みがあった」と供述していた。末棟容疑者は2015年3月、山口県下関市から広島県江田島市の部隊へ異動。職場の変化や単身赴任生活にストレスを抱えていた可能性があった。

大分県警などによると、末棟容疑者の一家は2011年から杵築市で暮らし、容疑者は週末などの休暇だけ単身赴任先から帰省していた。容疑者は「妻にかまってほしかった」と供述していた。5日夜、ささいなことから妻とトラブルになって放火したとみている。一方、出火後は妻とともに子供を助けようとした経緯もあり、ここ数年仕事面や家族と離れた生活に悩んでいたことが事件の背景にあるとみて、精神鑑定の実施も検討していた。


週刊紙の報道によると、

「まさひろぉ! 飛び降りろ! オレが悪かったんだぁあ!! うああああ!!」。燃えさかる自宅の前で、父親がへたり込み、絶叫する。その横で母親は半狂乱になり、頭から水を被って家に入ろうとして消防隊に羽交い締めにされた。

「おねぇちゃんあっついよぉ!! 早くおきてよぉ!!」。3才の娘の叫びが、赤い夜空に響き渡った。

「お父さんは広島基地に単身赴任していてね。週末は軽自動車で5時間かけてこっち帰ってきて、家族で過ごしていたんよ。短髪でガッチリして、寡黙な人だったけど、子供らをかわいがってたよ」。

最近でも、末棟容疑者が自宅の庭にテントを張り、煮炊きをして“プチキャンプ”を楽しむ様子が目撃されていた。だが現実に、彼は自宅に火を放ち、この小さな幸せを自ら終わらせた。彼の抱えた闇の深さは、ごく親しい人間しか知らなかった。

「最近、彼は仕事絡みでうつ病気味だったんだわ。彼の所属する部隊は、航空機の整備を担当していたんだけど、自衛隊特有の厳しい上下関係に加えて、パワハラ上司がいたみたいでよ。その日の気分によって司令がコロコロ変わるもんで、振り回されて毎日深夜まで仕事してたよ。そんで、疲れ果てた体で5時間かけて大分帰って、日曜夜にまた帰るんだから、相当きつかっただろうな。一家を広島に呼び寄せるっちゅう話もあったんだけど、自衛隊員は転勤だらけで、いつまた異動するかわからんから、その話もなくなった。最近じゃあ、“もう仕事辞めちまおうか”なんて話すこともあった」(末棟容疑者の友人)

離職について、彼は妻と再三にわたって話し合ったというが、結論は出なかった。

「そりゃ、子供がおるもん。奥さんと何度話し合っても、最後は必ず、“じゃあ8人の子供をどうやって養うんだ”っちゅう話になるんだわ。彼は40才で、転職先なんかあるかもわからん。実家の両親にも相談していたみたいだけど、答えが出んでな。もうニッチもサッチも行かなくて、最近は夫婦げんかも多くなってたんよ。心配になって奥さんに声かけたんだけど“ちょっと夫の体調が悪いんです。でも、うちは大丈夫ですから…”って気丈に話しとった。全然大丈夫じゃなかったんや」(前出・末棟容疑者の知人)
(女性セブン)

女子大生暴行の元自衛隊員2人に実刑判決

酔った女子大学生に暴行を加えるなどした元陸上自衛隊員の男2人の裁判員裁判で、広島地裁は2人に実刑判決を言い渡した。判決を受けたのは当時、陸上自衛隊第13旅団の隊員だった湯野巧被告(34)と佐藤伸也被告(25)。この裁判は去年2月、湯野被告らが広島市中区のホテルに、酒を飲んで酔っていた女子大学生を連れ込み暴行。ケガをさせたうえ女性の財布から現金1万円を盗んだ、集団準強姦致傷などの罪に問われているもの。1月25日の裁判で広島地裁の伊藤寿裁判長は「犯行は悪質」などとして、湯野被告に懲役6年、佐藤被告に懲役4年6ヵ月の実刑判決を言い渡した。(TSS)


懲戒免職になっていた2人の自衛官

女子大学生を暴行したとして、陸上自衛隊海田市駐屯地に勤務する34歳と25歳の自衛官2人が懲戒免職になった。懲戒免職になったのは、陸上自衛隊海田市駐屯地の第13後方支援隊に所属する湯野巧3等陸曹(34)と佐藤伸也3等陸曹(25)の2人。

2人は去年2月、21歳の女子大学生と一緒に食事をしたあと、広島市内のホテルで暴行し、全治1週間のけがを負わせたほか、湯野3等陸曹は女性の財布の中から現金およそ1万円を盗んだとして逮捕・起訴された。陸上自衛隊は1月22日、2人を懲戒免職にした。2人は事実関係を認めて「深く反省しています」と話しているという。2人が所属していた陸上自衛隊第13後方支援隊の隊長の堤浩一郎1等陸佐は「今後はさらなる服務指導の徹底を図り、再発防止に全力で努めます」とするコメントを出した。(NHK広島)

海上自衛隊の輸送艦と釣り船の衝突事故で遺族が申し立て

2014年、広島県沖の瀬戸内海で海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突し、釣り船の2人が死亡した事故で、業務上過失致死傷などの疑いで書類送検された輸送艦の艦長と航海長を検察が不起訴にしたのは不当だとして、事故から2年となる1月15日、支援者で作るグループが検察審査会への申し立てを行った。

この事故は、広島県の瀬戸内海の沖合で海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突し、釣り船の船長など2人が死亡、1人が大けがをしたもので、広島地方検察庁は去年12月、業務上過失致死傷などの疑いで書類送検された「おおすみ」の艦長と事故が起きた時間帯の責任者だった航海長を嫌疑不十分で不起訴にした。

これについて事故から2年となる15日、支援する弁護士などで作るグループが、不起訴は不当だとして、広島第2検察審査会に申し立てを行った。申し立て書では「衝突の原因は、事故のおよそ1分前に釣り船がおおすみ側に方向を変えたことにあると考えられる。おおすみが避けようとしても衝突を回避することは不可能で、過失責任を問うことはできない」とした不起訴の理由について、「釣り船がおおすみ側に方向を変えた事実はない」と主張している。検察審査会は今後、選ばれた11人の市民が検察から提出された資料をもとに、不起訴の判断が妥当だったかについて審査する。(NHK広島)


海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と漁船が衝突して転覆

輸送艦「おおすみ」に激突したプレジャーボート「とびうお」に過失

呉の潜水艦内自殺未遂事件で上官の暴力が一因と認定

2013年に呉の潜水艦内で拳銃自殺未遂が起きた問題で、当時の上官による暴力が一因だと認定された。しかし、海上自衛隊は上官らを停職などの懲戒処分にしながら、公表していなかった。国防という職務に携わる組織内で、それも逃げ隠れができない閉ざされた密室で行われる暴力。パワハラやいじめが横行するという異常な世界で身を置いて、国を守るなどという仕事ができるのだろうか。


海自そうりゅう


防衛相・自衛隊は、職務に関する行為で懲戒処分にした場合は、原則公開する指針を決めている。海自では、いじめやパワーハラスメントが原因の自殺などが相次いでおり、海自内からも責任説明化や再発防止のためにも公表すべきだとの意見が多かった。

2013年9月、広島県の海上自衛隊呉基地に停泊していた潜水艦の艦内で、乗組員1人が拳銃で自殺を図り、一時、意識不明となったことについて、海上自衛隊が、上司のパワーハラスメントが原因だとする調査結果をまとめ、幹部3人を懲戒処分としていたことが分かった。

2013年年9月2日午前5時45分ごろ、広島県の呉基地に停泊していた海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」の艦内で、乗組員の当時39歳の2等海尉が、血を流して倒れて倒れているのを、銃声のような音を聞いて駆け付けた別の隊員が発見。口から首にかけて銃弾が貫通したような痕があり、一時、意識不明となったものの、その後、意識を回復した。

これについて海上自衛隊が、上司のパワーハラスメントが原因だとする調査結果をまとめていたことが分かった。それによると、当時の上司の40代の幹部自衛官2人と、元上司の30代の幹部自衛官1人の合わせて3人が、殴るなどの不適切な指導をしたため、2等海尉は精神的に不安定となり自殺を図ったとしている。そのうえで、去年10月、幹部3人を停職などの懲戒処分とした。

防衛省は懲戒処分の場合、公表することにしているが、今回の処分は1月12日まで公表されていなかった。これについて、海上自衛隊は「プライバシーに配慮しながら公表すべきかどうか検討していた」としたうえで、「再発防止策を徹底していきたい」としている。

そうりゅうの艦内では、2012年10月に乗組員の男性3曹(当時20)が航行中に死亡した状態で見つかっている。海自は、いじめなどは確認されなかったとした上で、死亡場所が潜水時に海水が入り込む艦橋セイルだったことから、3曹が自らの意思で艦橋セイルに入り、自殺を図った可能性が極めて高いとした。(中国、NHK広島)


家族が国を提訴

2013年に広島県呉市の海上自衛隊呉基地に停泊中の潜水艦内で自殺未遂をした2等海尉の男性(42)の両親が、2016年1月中にも国を相手取り、3000万円の損害賠償を求める訴訟を山口地裁に起こすという。上官による男性への暴力が自殺未遂の原因と主張している。男性の兄の坂倉孝紀さん(45)と、両親の代理人の田川章次弁護士が明らかにした。

男性は13年9月2日未明、潜水艦「そうりゅう」の寝室で拳銃で自殺を図った。首の骨などを損傷し現在、意識はあるが、寝たきりとなっている。15年8月にうつ病や頸髄損傷などで公務災害の認定を受けた。

坂倉さんによると、調査に当たった防衛省海上幕僚監部から1月までに3回報告を受けた。それによると、男性は13年6~8月、上官の1人から「業務処理が遅い」との理由で殴る蹴るの暴力を複数回受けた。自殺未遂は「潜水艦内における暴力を伴う指導」や「艦長らが(男性の)精神状態を把握していなかった」ことなどによるうつ病が一因との結論だった。

11年7月にも別の上官から暴力を受けていたとして、海自がこの上官2人を含む3人を2日と10日の停職や、戒告の懲戒処分にしたことも報告を受けた。しかし海自は処分を公表していない。

坂倉さんは「自衛隊は指導と言うが、弟が受けていたのは単なる暴力。隊内で対処した形跡もなく上官の処分も軽い。裁判で暴力行為を明らかにしたい」と話している。手続きが整えば上官に対しても提訴する方針。(毎日)



海上自衛隊



「海自・自殺未遂」一度は非公表決定 懲戒処分は原則公表

2016年1月26日、海上自衛隊呉基地(広島県呉市)配備の潜水艦で、上官から暴力を受けていた2等海尉の男性(42)が自殺未遂した問題で、海自が上官ら3人の懲戒処分を昨年10月に非公表と決めていたことが分かった。防衛省は職務に関する懲戒処分を原則公表と定めており、海自トップの武居智久海上幕僚長は1月26日の定例記者会見で「懲戒処分にした日に可能な限り公表すべきだった」と陳謝した。

男性は2013年9月、潜水艦「そうりゅう」内で拳銃で自殺を図り、首の骨などを損傷して寝たきりになった。海自は直後に事故調査委員会を設置し、家族の要望も受け2度の追加調査をし、昨年7月、男性が上官から暴力を伴う指導を受けていたなどとする報告書をまとめた。

海自によると、海自は昨年9月、上官らが懲戒処分の対象であり、そうなれば処分とその理由は原則公表することになっていると男性の家族に説明。男性の家族の一部が公表を望まない意向を示したため、公表基準にある例外事項「被害者や関係者のプライバシー等を侵害するおそれがある」に当たると判断し、10月23日に非公表を決定。同26日に上官ら3人を停職や戒告の懲戒処分にした。

処分を決めたものの、報道機関からの問い合わせもあったため、2016年1月8日に家族に公表について相談。男性の両親が国の責任を問うため損害賠償請求訴訟を起こす動きがあったことから、1月12日に再度家族に聞いたところ、公表に同意したという。海自は問題が報道された後の14日に処分を公表した。海自が懲戒処分を非公表にした後、公表に変えたケースは今回以外にはないという。

武居海上幕僚長は会見で「今回の問題は重大な事案。公表に対する家族の懸念を払拭する努力が足りなかった」と述べた。処分後、家族との面談が約2カ月半ほどなかったことについて「日程が合わなかった。配慮が足りなかった」と述べた。この問題では男性の兄が「家族として非公表を要望したことはない」と話している。(毎日)