広島被災10地域で人口976人減少

災害関連死を含め77人が犠牲になった2014年8月の広島市の土砂災害から20日で2年となった。被災地では砂防ダムが完成し、復興が進んでいるが人口の減少が続いているという。安佐南区八木3丁目や安佐北区可部東6丁目など犠牲者が出た計10地域では、災害前と比べて計976人減った。

10地域の内、最も人口が減少したのが八木3丁目で2014年7月末の人口が2443人だったが、2016年7月末では1923人になり、520人の減少となった。

避難や転出、広域避難路の整備に伴う立ち退きが主な原因とみられる。立ち退きは今後も続くため、人口減がさらに進む可能性がある。

10地域とは、
安佐南区八木3、4、8丁目
安佐南区緑井7、8丁目
安佐南区山本8丁目
安佐北区可部東2、6丁目
安佐北区三入南2丁目
安佐北区可部町桐原(とげ)

(中国)



広島土砂災害から2年


広島市安佐南区 土砂災害砂防ダム

福山市の浸水被害が約300件

6月22日からの大雨で、福山市は被害の大きかった地域の調査をほぼ終え、被害は床上と床下浸水あわせておよそ300件にのぼることが分かった。福山市では6月22日からの大雨で、市内の5カ所の川があふれたり決壊したりして山手町や神村町など広い範囲で浸水被害が発生し、福山市は住宅などを訪問し被害状況の調査を進めている。

被害が大きかった地域の調査はほぼ終わり、その結果、床上浸水が77件、床下浸水が221件と、建物の浸水被害はあわせて少なくとも298件にのぼることが新たに分かった。内訳は、羽原川があふれた神村町では床上浸水が29件、床下浸水が25件。猪之子川が決壊した瀬戸町では床上浸水が12件、床下浸水が27件。福川があふれた山手町で床上浸水が2件、床下浸水が16件。

福山市の調査はまだ継続していて、住民が不在だった建物などについてさらに聞き取り調査を行うことにしている。福山市の羽田市長は6月27日、福山市役所で開かれた市の防災会議で、河川の管理や整備のあり方のほか被害の状況を適切に把握できていたかなどについて検証を進めるよう関係部局に指示した。(NHK広島)

福山で大雨の影響で堤防が決壊、住宅が水浸し

6月22日未明から降り続いた大雨の影響で福山市では23日朝、市内を流れる猪之子川の堤防が20メートルにわたって決壊したほか、別の2つの河川でも水があふれ、広い範囲で住宅などが浸水する被害が出た。

福山市によると23日午前6時ごろ、瀬戸町を流れる猪之子川の堤防が決壊していると住民から通報が寄せられた。市の担当者が確認したところ、瀬戸町長和で川の堤防がおよそ20メートルにわたって決壊し、広い範囲に水が流れ出ていたという。さらに福山市では松永町の羽原川と沼隈町の山南川でも川の水があふれていて、広い範囲で住宅などが浸水する被害が出た。

広島県によると、猪之子川は芦田川水系のおよそ2.9キロの1級河川で、流域には住宅街や農地が広がっている。福山市では現地に職員を派遣するなどして被害の把握急いでいる。

広島地方気象台によると、福山市では23日午前9時40分までの24時間に148.5ミリの雨が降ったという。また、午前2時20分すぎまでの1時間には統計を取り始めて以来、6月の時間雨量としては最も多い38ミリの雨が降ったという。(NHK広島)




福山冠水01

福山冠水02

福山冠水03

福山冠水19台

広島市周辺は活断層が密集~いつ動くか分からない

最大震度7を記録し、多くの犠牲者が出た熊本地震は市街地の真下に走る活断層が引き起こす「内陸直下型地震」の怖さを見せつけた。同様の活断層は中国地方にも複数あり、特に広島市周辺では「五日市断層」や「己斐ー広島西縁断層帯」があり、専門家はいつでも同規模の地震が起き得ると指摘する。


さらに広島県内の土砂災害危険箇所は3万1987と全国1位であり、建物の耐震化率については公共施設が73.4%(14年度末)で全国で最下位となっている。広島市街地周辺の住宅団地は、地形も複雑だから危険度が高い。特に景観や眺望の良い高台や斜面に戸建やマンションを築造しているが、これらは災害時には最も危険な目に晒されることになる。


危険地域は高台だけではない。地盤が軟弱で人口も密集する広島市中心地域でも大きな被害が出る可能性があり、特に懸念されるのが多くの川に挟まれるようにして形成された特有の街並みだ。大地震が起きれば、多くの橋が崩落して交通が寸断される。さらに液状化が起こり、広島市街地は大パニックになる。


そんな広島市の未来予想図は誰でも思いつくが、現実にその日が来たとき、市民は目を覚ますことになるのだろう。以下、中国新聞の「直下型の危険・熊本地震と中国地方」から引用。


「ここにもくっきりと活断層が・・・」。23日、2度にわたり震度7を記録した熊本県益城町福原で山口大の楮原京子講師(地震地形学)が民家の庭を貫く約1メートルの段差に目を向けた。直下の活断層がずれて地表に生じた。「断層は想定した位置にあった。その周辺でやはり建物の被害は大きい」。


「中国地方でも同じような活断層が発達している。特に山口県東部から広島県中部は全国的にみても活断層が密集している」。現地調査した中田高・広島大名誉教授(変動地形学)は警鐘を鳴らす。


広島市安佐北区から廿日市市を走る「五日市断層(長さ約20キロ)」や約6キロ東側を並行する「己斐―広島西縁断層帯(約10キロ)」、尾道市から井原市かけての「長者ヶ原断層―芳井断層(約37キロ)」はそれぞれM7.0、M6.5、M7.4程度の地震を引き起こすとされる。


地震による土砂災害は、揺れの大きい山頂や尾根で起きやすい。中国地方では、花こう岩が風化した「まさ土」などで表面が覆われている傾斜地が多い。まさ土は粘着性がないため、南阿蘇村と同じように揺れによる土砂災害が起きやすい。


さらに、これらの活断層は地盤の弱い広島都市圏のデルタ地帯に近く、中田名誉教授は「揺れによる家屋被害は、熊本以上になる可能性がある」と指摘する。


活断層の多くは、数千~数万年に1度動くとされるが、浸食や堆積が進む地域では、断層の位置や過去の活動の有無を見極めるのは難しい。


五日市断層や己斐―広島西縁断層帯の30年以内の地震の発生確率は、今回の前震を起こした日奈久断層帯の高野―白旗区間と同じ「不明」との評価。複数の専門家は「つまり、いつ動くか分からない」。(中国)


下図のかっこ内は発生する可能性がある地震のマグニチュード(M)と30年以内の地震の発生確率。

広島市周辺の活断層



安芸灘断層群1



以下の6枚の図は国土地理院の活断層図をもとに特に危険な地域を表してみたもの。

五日市断層1

五日市断層2

己斐―西縁断層帯1

己斐―西縁断層帯2

己斐―西縁断層帯3

己斐―西縁断層帯4

熊本地震の影響で江田島市が震度4を観測

4月16日午前1時25分ごろ、熊本県で震度6強の激しい揺れを観測する地震があり、中国地方各地でも最大で震度4の揺れを観測した。その後も余震とみられる地震が相次いだが、警察や消防によると、これまでのところ中国地方で被害の情報は入ってないという。

気象庁によると16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方の深さ10キロを震源とする マグニチュード7.3の地震があった。この地震で震度4の揺れを広島県江田島市、鳥取県、境港市島根県出雲市、益田市、大田市、山口県萩市、下関市、宇部市、山陽小野田市、柳井市、周防大島町、山口市、防府市で観測した。このほか、中国地方の広い範囲で震度3から1の揺れを観測した。

余震と見られる地震はその後も相次いだが、各地の警察と消防によると、これまでのところ地震による被害の情報は入っていないという。気象庁は、今後も激しい揺れを伴う余震が発生するおそれがあるとして警戒を呼びかけている。(NHK広島)



熊本地震

土砂災害でアパートから冷蔵庫を搬出時に室内に傷、所有者が広島市を提訴

2014年8月の広島市の土砂災害で被害が出た安佐北区のアパートで、広島市職員が冷蔵庫の運搬作業中に室内の壁や床を傷つけたとして、アパートの所有者男性(52)=安佐南区=が、2月9日までに、市に約138万円の損害賠償を求める訴えを広島簡裁に起こしたという。

訴状などによると、入居者の依頼を受けた市職員が2014年10月、被災ごみとして冷蔵庫を搬出。作業中に冷蔵庫が壁や照明カバーなどにぶつかり、約140カ所に傷ができるなどした。

男性は市に原状回復を求めたが応じてもらえず、昨年9月に広島簡裁へ提訴した。

市は答弁書などで、搬出に伴う損傷は事前に同意を得たと指摘。照明カバーや壁の一部を破損したことは認める一方、「可能な限り注意を払い、損傷は男性が認識し得た範囲内。不法行為は認められず、損害賠償責任はない」としている。(中国)

寒波の影響で広島県内で断水

厳しい寒波の影響で、北広島町では町内にある水をためる「配水池」の水位が大幅に下がったため、1月27日午前10時から新たにおよそ2000世帯が断水していて、広島県では町からの要求に基づいて自衛隊への災害派遣要請を行った。

北広島町によると、1月26日夜から1月27日朝にかけて、町内にある水をためる「配水池」の水位が大幅に下がったため、旧千代田町の一部の地域で27日午前10時から水道水の供給を停止し、およそ2000世帯が断水した。北広島町では27日午後から壬生ふれあいセンター、八重総合センター、それに旧千代田町役場の3カ所で給水活動を行うという。広島県では、北広島町からの要求に基づいて自衛隊に災害派遣要請を行い、海田町にある陸上自衛隊第13旅団では給水車3台を派遣した。

北広島町の断水を受けて、県庁では27日午前11時半から災害対策本部の会議が開かれ、派遣された自衛隊や北広島町と連携して対策を進めていくことを確認した。会議のあと、災害対策本部副本部長の高垣広徳副知事は「生活や医療、福祉に影響がでないよう対策本部を設置した。できるかぎりの支援をしていきたい」と話した。

一方、広島県内では、庄原市総領町のおよそ250世帯で26日午後11時から断水が続いていたが、27日午前11時半に解除された。また、三次市のおよそ70世帯で続いていた断水も27日午前6時に解除された。(NHK広島)


広島県断水

学校の側溝管理不足で土砂災害の被害を受けた住民に損害賠償

広島市は、一昨年8月の土砂災害で安佐南区にある中学校の”のり面”が崩れ、住宅が壊れるなどの被害が出たのは、敷地内の側溝の管理が不十分で落ち葉などがつまり、大量の雨水があふれたことが原因だったとして被害を受けた住民に損害賠償を支払っていたことが分かった。

広島市安佐南区大町西の安佐南中学校では、一昨年8月の土砂災害で”のり面”が7カ所にわたって崩れ、周辺の住宅あわせて9軒に土砂が流れ込み、住宅の一部や車などが壊れる被害が出た。これについて広島市教育委員会は、”のり面”が崩れたのは、”のり面”の上にある側溝の管理が不十分で落ち葉などがつまり、大量の雨水があふれたことが原因だったとして、被害を受けたあわせて11人に対し、損害賠償を支払うことを決めた。

市教委によると、これまでに6人と示談が成立し、あわせて270万円を支払っていて、他の住民についても、現在交渉を進めているという。市教委では、崩れた”のり面”の補強工事を行うとともに、同様の”のり面”が敷地内にある広島市内の学校に対し側溝の管理を徹底するよう指導した。(NHK広島)



災害発生当時

安佐南中 のり面


工事中

安佐南中


現在

安佐南中 のり面5

広島土石流「警戒区域」の85%以上が「特別警戒区域」になる模様

2014年8月の広島市の土砂災害を受けて、広島県が基準を見直して土石流の警戒が必要な区域について再検討を行ったところ、従来の基準で指定した「警戒区域」の85パーセント以上で、より危険性が高い「特別警戒区域」に該当するおそれがあるという。

土石流の警戒が必要な区域については、都道府県が「警戒区域」や危険性が著しく高い「特別警戒区域」に指定しており、去年8月の広島市の土砂災害では、「特別警戒区域」だけでなく、広い範囲で土砂災害による深刻な被害が発生したことから、広島県では2015年4月から土砂の流れ出る量を従来よりも多く見積もるなどした新しい基準に変更し、再検討を行ってきた。

その結果、従来の基準で指定した「警戒区域」のうち、85パーセント以上にあたる3890カ所あまりで「特別警戒区域」に該当するおそれがあり、再調査が必要であることが分かったという。

再調査が必要な場所は県内の17の自治体におよび、このうち、呉市の536カ所が最も多いほか、竹原市で442カ所、広島市で417カ所などとなっている。広島県ではこうした結果を30日、県のホームページで公表し、来年度以降住宅の多い場所から優先して再調査を行うとしている。(NHK広島)


http://www.sabo.pref.hiroshima.lg.jp/portal/map/keikai.aspx



広島市土砂災害工事

広島市の被災地の地価が最大5割下落

広島土砂災害は8月20日で発生1年を迎えた。被害が大きかった地域では、1年間で地価が5割も下落した土地があり、地価下落は生活再建の壁になっているという。新たに建設する砂防ダムの用地買収でも、住民の不満が募っている。

今年初め、広島市安佐南区八木3丁目の家と土地を相続した60代の男性は、"タダ同然"の価格で手放した。「住む人はおらず、管理するにも更地にするにも費用がかかる。不動産会社にすべてを任せる形で譲るしかなかった」と話した。

国土交通省発表の公示地価(1月1日時点)では、被災地に近い緑井8丁目が前年比9.5%減と全国の住宅地で3番目に大きい下落率を記録した。

道路に面した土地の評価額を示す広島国税局発表の路線価でも、被災地周辺が前年比でおおむね1~3割下落した。被害が大きかった八木3丁目や4丁目の山ぎわ近くでは、5割近く下落した路線もあった。(朝日)



広島市安佐南区・被災地から1年