いじめの極致 広島少年院暴行「これを吸ったら死ねるぞ」2審も有罪

広島少年院(広島県東広島市)で収容中の少年に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元首席専門官、向井義被告(49)の控訴審判決公判が6月30日、広島高裁で開かれ、竹田隆裁判長は懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)とした1審広島地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。地裁判決は一連の行為が指導目的だったと認める一方、「少年に強い精神的苦痛を与えた度を越した内容」と指摘。控訴審で弁護側は「少年に死の意味を理解させるための指導で、恐怖を与えることが目的ではなかった」などとして無罪を主張、検察側は控訴棄却を求めていた。1審判決によると、向井被告は平成17年9月、少年の首にシーツを巻き付け、自分で首を絞めるように言ったうえ、遺書を書くよう迫ったほか、ポリ袋の中で洗剤を混ぜ、少年の顔に近づけて「これを吸ったら死ねるぞ」と言うなどした。事件では、向井被告のほか元法務教官4人が同罪で起訴され、いずれも有罪判決が確定している。(産経)


【元首席専門官の有罪確定】
最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は平成25年2月21日までに、広島少年院で平成17年、収容中の少年に暴行したとして特別公務員暴行陵虐罪に問われた元首席専門官向井義被告(51)=起訴休職中=の上告を棄却する決定をした。懲役10月、執行猶予3年の一、二審判決が確定する。2月19日付。被告側は無罪を主張したが、一審広島地裁は「矯正教育として許される範囲を逸脱している」と指摘。一方で「指導の行き過ぎと評価するのが妥当」との見方を示し、被告が矯正教育に長年携わり、実績を積んできた点を考慮して、刑の執行を猶予した。二審広島高裁も支持した。(産経)

広島少年院の元暴力首席専門官に有罪判決

5年前、広島少年院で収容されていた少年に暴行を加えたとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われ、無罪を主張していた元首席専門官・向井義被告(49)に、広島地方裁判所は執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。当時16歳の少年の首をシーツで絞めたうえ、塩素ガスのようなものを発生させた袋を顔に近づけて、「吸ったら死ねるぞ」と言ったなどとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われていた。

公判で向井被告は起訴内容を否認し、弁護側も向井被告の行為は、最先端の理論をもとにした体験型の指導だと主張していた。判決で広島地裁は、被害少年の証言などから首をシーツで絞めてはいないものの巻きつけて自分で絞めるよう申し向けたと認定。有毒ガスの発生は認められないが、そのように装ったと認定した。そのうえで、「緊急的な処置が必要だったとはいえ、一方的に死の恐怖心や不安感を与えた」「効果はあげているが指導としての許される限度を超えている」などと指摘、懲役10か月・執行猶予3年を言い渡した。(RCC)

向井被告は2005年9月16日夕、広島少年院の体育館で当時16歳の収容少年の首にシーツを巻いて絞め付け、「遺書」を書くよう迫った。拒まれると洗濯棟で2種類の洗剤を混ぜて発生させた塩素系ガス入りの袋を顔に近づけ「これを吸ったら死ねるぞ」などと言った。手助けした教官については「絶大な権限を持つ被告に誰も逆らえず、言われるままやっていた」という。地検によると、向井被告は被害少年と別の少年が私語で自分のことを「殺してやる」などと発言したと聞き逆上。同罪で既に起訴した元法務教官4人=懲戒免職=のうち、野畑勝也被告(32)ら教官7人前後を連れ、その目の前で少年に暴行を加えた。(共同通信)

向井 広島少年院

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  向井被告の横顔

 

広島少年院教官4人を公務員暴行陵虐の疑いで逮捕(2009年)

広島県東広島市の広島少年院(佐藤公昭院長)で、法務教官が収容少年に暴行していた問題で、広島地検は6月9日、特別公務員暴行陵虐容疑で田原克剛容疑者(43)ら教官4人を逮捕した。内部調査で、4人を含む教官数人の暴行が常態化していたことが既に判明。地検は「少年院の秩序を維持するために必要な有形力行使や矯正教育とは言えず、極めて悪質」として、動機や背景の解明を進める。同日、少年院を家宅捜索した。逮捕されたのは田原容疑者のほか松本大輔(29)、野畑勝也(32)、菅原陽(26)の3容疑者。地検によると、4人とも容疑を認めている。田原容疑者は1993年採用で、4人の中では最もベテランだった。4人の逮捕容疑は昨年3月から今年3月にかけ、少年院の寮などで当時16~17歳の収容少年4人に対し、胸ぐらをつかんで殴ったことに反論されて「じゃあ死ね」と馬乗りになって首を絞めたほか、トイレに行かせず失禁させたり、ズボンにシャワーの水を掛けて紙おむつを無理やり着けさせたりした疑い。4月に収容少年の一人が少年院側に申し出て発覚。地検は被害に遭った少年や関係者への事情聴取を進め、法務省広島矯正管区(広島市)が9日に同容疑で告発した。


6月24日 元教官の1審判決を破棄

広島少年院で18人の少年に暴行や陵辱を繰り返したとして、1審で懲役2年6か月の実刑判決を受けた元教官の控訴審判決で、広島高等裁判所は1審判決を破棄し懲役1年10か月を言い渡した。

野畑勝也被告は殴る蹴るの暴行のほか、肝炎感染の危険を示唆しながら針で体を刺したりするなど、18人の少年に24件の暴行や虐待行為をした特別公務員暴行陵虐の罪に問われ、1審で懲役2年6か月の実刑判決を受けた。

広島高裁の竹田隆裁判長は、1審判決後に野畑被告が各被害少年に5万円または10万円の弁償金を支払ったことや、すでに社会的制裁を受けていることなどを考えると1審の懲役2年6か月の量刑を維持するのは酷だとしました。 そのうえで、1審判決を取り消し懲役1年10か月を言い渡した。



事件後、元収容少年たちに話によると、この場所(浴室)をよく口にしたようだ。起訴された43件の事件のうち、31件の暴行現場がここだったと。

この浴室で行われていた事とは、単に殴るだけではなく、他の少年の前で裸にさせられ、大きな洗濯かごに入れられた。「生きとってもしょうがなかろう」と洗剤を飲ませようとしたり、「うそをつくんなら」と舌をハサミで挟んだりである。

事件は昨年4月、1人の収容少年が教官から暴行を受けていたことを、別の教官に訴えたことがきっかけで発覚。法務省の調査で、52人の収容少年に対して115件の暴行や虐待行為が行われたことが判明した。地検は教官4人と、処遇部門トップだった元首席専門官を特別公務員暴行陵虐罪で起訴。懲戒免職となった教官4人は事実関係を認め、1審・地裁で懲役9月~2年6月の判決を受け、いずれも控訴。元首席専門官(起訴休職中)は1審の審理中で、「暴行ではなく、教育だった」として、否認している。
                                     
野畑被告は少年院を「過酷な、閉ざされた世界」と表現した。「指示しても言うことをきかない」「反抗する」。少年たちの統制は容易ではなかったという。「暴行は犯罪だという認識はあったが、なめられたら、言うことを聞かないという思いもあった」と、当時の心情を語る。

「ほかの教官は少年をうまく処遇することができなかった。だから、少年たちを抑えられる野畑被告に頼りきってしまった。彼の暴走を誰も止められない雰囲気になっていた」と、打ち明けた。(2010年3月17日 読売新聞)


広島少年院
広島少年院入口

広島少年院
暴力部屋と化した浴室

広島少年院2

広島少年院1