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歌舞伎町「ぼったくり犯罪」は浄化できるのか

最近、東京の歌舞伎町で、悪質なボッタクリが相次いでいる。固定客をつくらずに強引な金銭を要求する裏には、景気の足取りの重さから客足が遠のき、客から一気に多額の金銭を巻き上げるという切迫さがあると思われる。

東京の歌舞伎町は2004年に石原慎太郎東京都知事時代に就任した警察庁出身の副知事・竹花豊の主導により「歌舞伎町浄化作戦」が行われ、非合法な性風俗産業を行う風俗店やアダルトショップなどが摘発された。


広島でも平成18年5月に「広島県迷惑条例」が施行され、それまでは広島市内の歓楽街で活気付いていた客引きもほとんど無くなり、しんみりとした夜が続いた。こんな状況で店はやっていけるのかと思ったほどだ。平成13年12月に「ぼったくり防止条例」が広島で施行されているが、県警による取り締りの効果なのか、地方都市のせいなのか分からないが、広島市内の飲み屋街でボッタクリの被害にあったという話は、あまり聞かなかった。

イタチごっこのぼったくり犯罪というのは、客にも問題がある。客が来ないから「客を引く」わけで、ついて行ってもいい事はない。しかし、それでも足を運んでしまうのは、男としての性かも知れない。そして現在の新宿区長による浄化作戦がさらに強化される。新宿歌舞伎町は生まれ変われるのだろうか。



歌舞伎町01



客引き根絶へ罰則強化 新宿区が条例改正方針
歌舞伎町の繁華街を抱える新宿区は、客引きを根絶するため、客引き行為の防止条例を改正し、過料を科すなどの罰則を適用する対策を取る方針を決めた。区議会に提案し、2016年4月の施行を目指すという。

新宿駅周辺の繁華街では、客引きに連れられて行った店で多額の料金を請求されるなど、ぼったくり被害が多発していた。新宿署に通報があった被害件数は2014年9月からの1年間で2044件。今年に入って急増し、4月は341件に上った。最大で200万円を請求された例もあった。

警視庁はパトロールや店への立ち入りを強化し、悪質な客引きは直ちに検挙した。8月の通報件数は23件と減った。客引きの手口は変化しており、人気店の入り口で店員を装って「満席」だとうそを言って他店へ誘導する例もある。

現在の条例は、路上での声かけなどの客引き行為を禁止しているが、違反者へは「指導」にとどまる。改正案では、警告や勧告に応じない店には店舗名を公表し、5万円以下の過料を命じる。グルメサイトでの広告停止も検討する。不動産業者との店舗契約では、客引きをしたら契約を解除できる特約条項も追加する。吉住健一区長は「東京五輪・パラリンピックに向けて、世界一安全な繁華街を実現する」と話す。(朝日)



歌舞伎町04



下記は新宿歌舞伎町の様子を1999年に朝日が書いているので、引用してみたい。


うごめく外国人犯罪
東京・新宿歌舞伎町は変わったのだろうか。多発する外国人犯罪を取り締まるため、警視庁がここに「国際組織犯罪特別捜査隊」を置いて、2カ月半たった。犯罪に手を出す外国人は摘発を恐れ、この町を離れたといわれた。だが、裏通りのビルを覗いたり、路地を歩いてみたりすると、トランプ賭博が開かれ、外国人ホステスが売春をしていた。誘拐や密航など「仕事」によっては外国人と日本の暴力団が手を組むこともあると聞いた。

とばく場はまだあった。取り締まり強化で「消えた」という風評はうそだった。午前4時、6階建ての雑居ビル。トランプゲームのひとつ「バカラ」で賭博をするカジノがある。2月末に尋ねた。

一階に目つきの鋭い男が立っていた。取材で知り合い、ここに案内してくれた中国人のホステス(25)と二言、三言交わす。合言葉のようだ。男はエレベーター脇の機械に鍵を差し込んだ。ホステスが「ああしないと、カジノがある階に止まらないの」とささやく。

止まった階で降りると、正面に木の扉があり、その先にもう一枚の扉があった。70平方メートルほどの室内はざわめいていた。トランプを並べたテーブルが6台あり、約60人の男女が取り囲む。日本語は聞こえない。大半は中国や韓国、台湾、タイなどの外国人客だ。日本の歌謡曲が流れている。

入口近くにいたら、男が近づいてきた。従業員の中国人だ。隣のホステスに中国語で話かける。視線はこちらに向けたままだ。「私の友だち」という説明に納得したようだ。だが、店の営業時間や開業時期を聞くと、表情が変わった。

「お客さん、身分証明書持ってますか」と日本語で問われた。「運転免許証しかない」と答えると、「じゃあ、いいよ」。

見ていると、男性客が5万円分のチップを30分足らずでなくした。

従業員が「バカラは儲けるのも大金を失うのもすぐだよ」と笑いながら言った。部屋を出てエレベーターを降りるまで、この従業員がついてきた。ずっと監視されていた。

この店には外国人ホステスもよく来る。異国の仕事でたまるストレスを発散するため、と同行のホステスが説明した。「友だちはバカラで2千万円負けた。まだ1千万円返せないでいる。逃げたら、と勧めたけど「絶対に無理」と嘆いていた」。

警視庁の特捜隊は1月中旬、風林会館近くのビル地下で1日で30億円のかけ金を動かしていた会員制カジノを摘発した。以来、この一帯にあるカジノは場所を移したり、客のチェックを厳しくしたりしているという。

区役所通り沿いのビルはどれも色とりどりのネオンに包まれて輝く。売春クラブとして知られるスナックは、この一画にある。ママは台湾人だ。午前零時過ぎ、照明を落とした店には中国、台湾、タイのホステス十数人がいた。

台湾出身のホステス(24)が隣に座った。間もなくママが来た。「今日どうする。デートする」指を3本立て、次に4本示した。2時間3万円、泊まりで4万円という意味だ。

そのホステスと外へ出た。彼女は貯金目的に1年半前に来日し、埼玉県川口市のクラブなどで働いていた。ひと月約40万円を稼ぎ、渡航経費などで借りた約200万円はすでに返した。だが、台湾人の友だちから、「もっと稼ぐなら歌舞伎町」と聞き、3カ月前、ここに移った。

売春することは知っていた。今、毎月100万円前後の収入があり、半分以上を貯金に回す。台湾に家を建てるためだ。「ものを盗むような悪いことはしていない。まじめに働いている。日本の警察は悪い人を捕まえず、私たちばかり厳しく取り締まる」。

別の売春クラブに勤める中国・上海出身のホステス(24)の夢は、日本語の通訳になること。半年前に来日し、都内の日本簿学校に通う。始め、売春のない赤坂のクラブで働いていた。十数万円の給料から5万円の月謝と家賃7万円を払うといくらも残らず、店を移った。

「こんなところで働くのは、ほんとうは嫌。でもお金のことを考えると仕方ない」と話す。

売春クラブの一部は「泥棒市」の会場にもなっていた。外国人窃盗グループが、貴金属店などから奪ってきた品物を持ち寄って売買していた。

あるクラブのママは、「警察が目を光らせているいま、そんな危ない事はしないよ。携帯電話で個別に取引するか、歌舞伎町以外の場所で市を開いているよ」と打ち明けた。

警視庁の特捜隊は「秘密部隊」だ。刑事、公安、生活安全各部から約100人を集め、歌舞伎町の真ん中に常駐している。が、所在地は公表していない。「どんな襲撃を受けるかわからない。隊員の生命を危険にさらさないためだ」と警視庁幹部の一人は話す。


歌舞伎町 風林会館