今年は「ひろしまドッグぱーく」が閉園されて10年になる。2003年4月に犬と人間のふれあいをテーマに、湯来町にオープンしたが、わずか2年後の2005年6月に閉園された。後に動物愛護団体を名乗る大阪の「アークエンジェルズ」とトラブルに発展する。同園は閉鎖後、太陽光発電所(2013年12月竣工)に変貌しているが、そこには当時のさまざまな喧騒などは全く想像できない。この不可解な「ひろしまドッグぱーく」事件とはいったい何だったのか。
土地の所有者である山陽工営と犬の管理者であるドッグプロダクション(いずれも地元企業)との共同経営で事業が始まったが、来場者の減少で、犬の管理・維持費が賄えなくなり、500匹もの犬を餓死・衰弱させている。本来は犬の里親を探し、譲渡して終わると思われたが、それだけでは飽き足らなかったのが、大阪の動物愛護団体を名乗る「アークエンジェルズ」だった。しかし、やっていたことはもはや、ハイエナと同じだった。
この問題は、大阪のハイエナにスキを見せてしまった同園の経営者に運営能力が無かったことに尽きる。この事業を始めた動機は分からないが、おそらく単なる「乗り」で始めたのだろう。かき集められ、広島の山奥へ強制連行された犬たちは、やがて地獄に遭遇することになるが、中には恐怖の訪れを勘付いていた犬もいたかもしれない。ペットとしての犬猫は、人間にとって”家族の一員”であるが、飼い方によっては”おもちゃ”にもなってしまう。衰弱した犬たちはその時、何を思ったのだろうか。
以下は2007年8月13日の報道から
犬31匹虐待で書類送検・広島、ドッグぱーく跡地で広島市佐伯区湯来町の「ひろしまドッグぱーく」で、閉園後も犬約500匹が劣悪な環境の中で飼育されていた問題で、広島県警は8月13日、犬を管理していた業者「ドッグプロダクション」元代表(42)らを、動物愛護法違反(虐待)と廃棄物処理法違反(投棄禁止)の疑いで書類送検した。調べでは、元代表は2006年8~9月、犬に餌や水を与えるなどの必要な世話を怠り、31匹を栄養失調や貧血にさせた。また元代表と元従業員2人は、死んだ犬2匹を園内に埋めた疑い。いずれも容疑を認めているという。また県警は、元代表らに代わり犬の世話をしていた動物愛護団体「アーク・エンジェルズ」(大阪市)の代表(60)を、ドッグぱーくの土地所有者の男性(64)に現金5000万円や、土地と建物(約2億5000万円相当)を要求したとして、恐喝未遂の疑いで書類送検した。「ドッグぱーく」は2003年に開園したが、経営難で05年に閉園。

